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おもしろい映画


題名
英題
ハングル
おもしろい映画
Funny Movie
재미있는 영화
製作年 2002
時間 116
製作
 
投資・配給
共同投資
 
製作支援
良い映画
映画社「視線」
シネマ・サービス
無限技術投資
アイ・ピクチャーズ
ハナ銀行
監督 チャン・ギュソン
出演 イム・ウォニ
キム・スロ
キム・ジョンウン
ソ・テファ
イ・ウォンジョン
キム・インムン
チョン・ジンガク
パク・ソヌ
イム・ヒョンジュン
カン・ジェソプ
キム・ハッキュ

【特別出演】
パク・キョンニム

【友情出演】
イ・ミヨン
カン・ソンジン

日本版
Video
DVD
なし

 韓国初の本格的パロディ・プロジェクト。過去にヒットした韓国映画28作品をパロディした爆笑コメディ映画。

 南北首脳会談により雪解けムードが漂う2002年。日本の極右勢力である天軍派が、サッカー・ワールドカップの日韓共催を妨害しようと動き出す。金大中大統領(キム・インムン)と北朝鮮の金正一(チョン・ジンガク)によるソウル会談に天皇が招待されるとの情報を入手した天軍派は、村上(キム・スロ)率いる部隊を韓国に潜入させ、液体爆弾PPXによるテロを企てる。一方、ソウルではKP(Korea Poice)のファンボ(イム・ウォニ)とガプドゥ(ソ・テファ)が、謎の連続暗殺事件を捜査していた。犯人は天軍派の凄腕スナイパー花子。しかし、彼女の行方は知れず。そして、ファンボには結婚を約束した恋人サンミ(キム・ジョンウン)がいた。

 あらすじを見れば一目瞭然だが、メインストーリーは『シュリ』のパロディ。その他にも、『JSA』『友へ/チング』『リメンバー・ミー』『猟奇的な彼女』『LIES/嘘』『アタック・ザ・ガス・ステーション!』『ペパーミント・キャンディー』『NOWHERE 情け容赦無し』『トゥー・カップス』『風の丘を越えて〜西便制』『約束』『火山高』『SPY リー・チョルジン 北朝鮮から来た男』『グリーンフィッシュ』『ナンバー・スリー』『アウトライブ −飛天舞−』『反則王』『接続』『八月のクリスマス』『ビート』『女校怪談』『バンジージャンプする』など28本の韓国映画をパロディ化している。近年、ソウルで30万、50万を越えるヒット作が連発するようになり、映画ファンなら誰でも見たことがある韓国映画が増えてきたためこのような企画が可能となった。という訳で、この映画の存在自体が近年の韓国映画の好調ぶりを象徴しているといえる。

 数多くの作品でちょい役出演し、『ジャスティス〜これが法だ〜』で主演デビューした個性派男優イム・ウォニは、『シュリ』におけるユ・ジュンウォン、キム・ジョンウンはイ・ミョンヒョン、『友へ/チング』でサンテクを演じたソ・テファはイ・ジャンギル、キム・スロはパク・ムヨンの役回りを演じている。人気女性タレントのキム・ジョンウン(25)は、この作品でスクリーン・デビュー。1998年にMBC公開採用タレントとしてデビューした彼女は、SBSテレビ・ドラマ『女人天下』、『父と息子』への出演、芸能情報番組『一晩のテレビ芸能』のMCやCMなどで有名。

 万能エンターテイナー、パク・キョンニム(22)は、『シュリ』で言うところの整形前のイ・バンヒを演じている。

 監督は、これがデビュー作となる新人のチャン・ギュソン。彼は1969年生まれで、明知大学貿易学科を卒業し、キム・サンジン監督の下で、『金を持って高飛びしろ』『極道修行 決着(おとしまえ)』『トゥー・カップス3』の助監督をつとめていた人物。製作者は「良い映画」社のキム・ミヒと、共同製作社である映画社「視線」のハン・ジスン、アン・ヨンジュン。企画はカン・ウソク。脚本はソン・ジェゴン。脚色はイ・ウォニョンとイ・ウォンジェ。撮影はキム・ユンス。照明はイ・スング。編集はコ・イムピョ。美術はオ・サンマン。全州映像委員会(フィルムコミッション)支援作。

 音楽監督はシンガーソングライターのソン・ムヒョン。彼と付き合いの深いClick-B、春夏秋冬、チャン・ヘジン、パク・サンミョン、パク・ワンギュなどの人気歌手が大挙、この映画のサントラ・アルバム製作に参加。

 パロディー映画というとチープさが売り物なことが多いが、この映画は韓国映画としては通常の製作費を上回る45億ウォンが投入された。

 金大中と金正一が無線のハムで通信をし、有名な冷麺屋「玉流館」で会う約束をするという設定が話題に。またキム・スロが変装して仁川空港から入国するシーンはソ・テジ帰国フィーバーのパロディと思われる。

 映画の舞台と同じく、2002年サッカー・ワールドカップの開催直前である2002年4月12日に公開され、ソウルで100万人を越える動員をマークし、ヒットした。

 題名の『おもしろい映画』はアメリカのナンセンス・パロディ映画『Scary Movie/怖い映画(邦題:最終絶叫計画)』のパロディと思われる。

 第6回(2002)富川国際ファンタスティック映画祭メイド・イン・コリア部門、“コリア映画祭”The Korean Film Festival in EXPO 2005招待作品。

初版:2002/5/6



投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/4/29 21:35:51

 考えようによっては凄い映画である。

 なにせ、ここ数年で作られた韓国映画のパロディのみで全編が構成されているのだから。ネタとなっているのは『風の丘を越えて〜西便制』から『友へ/チング』、挙句の果ては『LIES/嘘』に至るまで、日本で観ることの出来る作品ばかりだから、韓国映画ファンの方々は確実に笑えるだろう。まさに、1999年以降の韓国映画の状況を象徴するかのような、アダ花的な映画である。

 笑いの演出そのものは、アメリカのパロディ映画と同様、脱力する軽い笑いの連続で、ハリウッド製のものより胃にもたれない仕上がりだ。だが、観ているうちにすぐ飽きて、笑えなくなってくるのも全く同じ。

 物語はカン・ジェギュ監督の『シュリ』を土台にしている。北朝鮮特殊部隊のかわりに、日本の極右テロリストが登場。日・韓・北朝鮮三者VIPへの大規模な暗殺計画を企む。そして、それを阻止しようとする韓国の公安組織(要は『シュリ』のOP)と日本人テロ部隊のドタバタが、延々と繰り広げられて行く。

 とにかく全編が、日本では「放送&上映禁止のやばい」ネタの連続で、人によっては、こちらの方が笑えるだろう(と同時に、反射的に怒る人も多いだろう)。日本の極右テロ、天皇、北朝鮮、日韓領土問題と、日本では、やりたくても無理なネタ、やると社会問題になってしまいそうなネタを、勝手気ままにやっているチャン・ギュソン監督とそのスタッフの姿に、一部の同業者は羨望の眼差しを向けるに違いない。

 韓国公安側の主人公ファンボを『ジャスティス〜これが法だ〜』『血も涙もなく』(ただし端役の友情出演)のイム・ウォニが、意外に抑えた芝居で演じている。彼のプルプルした頬と愛敬のある可愛らしさは、なかなか魅力的で、この映画を観た日本人女性客の中にはファンになる方もきっといるに違いない。私は『花嫁はギャングスター』のパンツ役=キム・イングォンと共に、韓国の若手俳優の中では最も気にしている男優の一人である。

 ファンボの相棒を『友へ/チング』のソ・テファが演じているが、お約束通り『友へ/チング』ネタ満開だ。日本人テロ部隊のリーダーを演じるキム・スロ(『アタック・ザ・ガス・ステーション!』『リベラ・メ』『火山高』など)は日本語のセリフをしゃべるのだが、そうすると塚本晋也(『鉄男 TETSUO』、『BULLET BALLET』などの監督、『とらばいゆ』では主演)に見えてきて可笑しい。

 極右テロの女殺し屋を演じるキム・ジョンウンは、女優というよりも飲み屋のママのような個性の持ち主だが、整形手術失敗のくだりや、ラストの間抜けな演説は、その個性だからこそ取れた笑いだろう。

 冒頭、デタラメな衣装をつけた、めちゃくちゃな日本人テロリストが登場し、一瞬呆れさせるが、テロの親玉にはきちんと超個性派の日本人俳優、六平直政(一連の伊丹十三作品に出演、ヤクザや刑事役でおなじみ、最近では釈由美子の『修羅雪姫』に出演)を使い、要所は締めていて感心。

 殺されるアナウンサー役のYoon Kyokoは、日本と韓国で活動している若手女優。テレビ神奈川などの番組に、ちょくちょく出ていたから、ご存じの方もいらっしゃるかもしれない。周防正行監督の映画『Shall we ダンス?』にも、ちょい役で出演している。ちなみに彼女は、韓国の俳優パク・チュンフン『NOWHERE 情け容赦無し』『セイ・イエス』など)の義理の妹にあたる。

 なお、私が観ていた劇場の客層は90%が20代とおぼしき若者だったが、あまり笑わず、とても受けているとは言えない反応で、まだ、こういう企画が韓国で受け入れられるには「少し早いのかな?」という印象を持った。

 もし、パート2を作るなら、是非『ロスト・メモリーズ』を元ネタにしてほしい。作戦を阻止された日本人テロリストが、へなちょこタイム・マシーンを使って逆襲を試みる、なんていうのはどうだろうか? でも、『ロスト・メモリーズ』はシネマ・サービス(『おもしろい映画』の製作・配給会社)傘下の作品じゃないからダメかな?

 なお、この作品、日本での正規配給はちょっと・・・無理かも。

【評価:★★★】



投稿者:SUM さん 投稿日:2002/5/10 00:01:38

 「面白くない映画」と馬鹿にする向きもあり。でも劇場では拍手もところどころでまき起こる。それ以上でもそれ以下でもない。

 キム・スロとキム・ジョンウンの日本語がなまっているのはご愛敬。私はイム・ウォニのファンだから許すけれど、他の人が見て面白いかは、知らない。イム・ウォニが、あの懐かしの日本映画の「熱い男」スターたちのマスクとどことなくかすっていても、結局は暑苦しいあの顔立ち。

 ほとんどの作品が日本公開済みってことは、パロディ元作品選定に海外での評価も考えたのか、海外でも評価されうる作品をやはり監督が気に入っているのか、ただ、ヒット作がどんどん海外に出ているだけか?

【評価:★★★★】


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