接続
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パソ通を通じた恋愛ドラマ。1997年9月13日に旧盆のプログラムとして封切られた後、12月中旬までロングランされ、ソウルだけで67万名の観客を動員。「接続シンドローム」なる言葉も生んだ大ヒット作(「1997年韓国映画興行成績」)。その洗練された音楽ゆえか、映画のヒットと同時に記録的なサントラCDの売り上げを達成。以降のヒット作にも同様の傾向が見られる。また、この映画の影響で劇中小道具として登場するポラロイド・カメラの売り上げやパソ通加入者が急増するなどの「接続特需」も生まれた。
90年代後半、ラブ&コメディ全盛の韓国映画界にあって、同じく97年の上半期に封切られた『ゴーストママ』のヒットからメロ映画ブームの火がくすぶり始めたが、この映画はその流れを決定的なものとした。以降、『手紙』,『八月のクリスマス』とメロ映画が次々と大ヒット。韓国映画の歴代興行成績を次々と塗り替えた。ただし、同じメロ映画といっても『手紙』などが高校生から中年主婦層まで幅広い支持を受けたのに対し、そのテーマゆえか『接続』の鑑賞年齢層は20代の若者が中心であった点が異なる。97年の韓国映画を語る上で欠かすことのできない映画であると同時に、そのラスト・シーンは、韓国の恋愛映画史上に残る名場面として記憶されるだろう。
製作者はイ・ウンとシム・ボギョン。撮影監督はキム・ソンボク。照明はイム・ジェヨン。音楽選曲はチョ・ヨンウク。後に『恋風恋歌』の監督をするパク・テヨンが助監督を担当している。製作費は12億ウォン。
第1回(1997)富川国際ファンタスティック映画祭「ネチズン・チョイス賞」、第35回(1997)大鐘賞最優秀作品賞・新人監督賞・新人女優賞(チョン・ドヨン)・照明賞・編集賞・脚色賞、第18回(1997)青龍賞新人女優賞(チョン・ドヨン)・韓国映画最高興行賞、第18回(1998)映画評論家協会賞新人監督賞・新人女優賞(チョン・ドヨン)・音楽賞・技術賞(照明)受賞作品。1998年ベルリン国際映画祭ヤング・フォーラム部門、第1回(1998)汎アジア映画祭、第1回(1998)ニューポート映画祭、第2回(1997)釜山国際映画祭韓国映画パノラマ部門出品、同映画祭NETPAC賞受賞作品。映画振興公社選定「1997年良い映画」。'97女性観客が選んだ最高の映画1位。
第8回アジアフォーカス・福岡映画祭 '98では『ザ・コンタクト』という題名で紹介され、上映作品中もっとも多くの観客を集めた。また、NHK教育テレビ「アンニョンハシムニカ? ハングル講座」の映画コーナーでも取り上げられている(1999年2・3月)。その後、NHK教育TVで『接続 ザ・コンタクト』という題名で放映。『ザ・コンタクト 接続』と表記されることもある。ビデオの題名は『接続−ザ・コンタクト−』
ドイツで『ハッピーエンドと女性2』という題名でリメイクされ、2000年にドイツ公開されたが、こちらの興行成績は低調だったという。
初版:1998
最新版:2001/3/4
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■ チャン・ユニョン監督インタビュー
アジアフォーカス・福岡映画祭 '98 でのチャン・ユニョン監督インタビューはこちら。
投稿者:SUMさん 投稿日:1998年12月20日(日)10時20分37秒
センスの良いメロドラマです。脚本も精巧で、匿名のコミュニケーションによって主人公の二人が互いに変わってゆき、2つの三角関係のドラマという絡んだ糸が次第に、綺麗に解かれていきます。韓国映画のレベルが上がったことを印象づける1作には違いありません。
【評価:★★★】
【ソチョンの鑑賞ノート】
1997年10月10日、第2回(1997)釜山国際映画祭で釜山滞在中に、封切り館の釜山劇場にて鑑賞。1998年9月13日、第8回アジアフォーカス・福岡映画祭 '98で、日本語字幕付きを再度鑑賞。
新人チャン・ユニョン監督のパソコン通信を通じた恋愛ドラマ。1997年の韓国映画興行成績ナンバー1となった作品で、大ヒット驀進中に見たため映画館は押すな押すなの大入り満員だった。
ストーリーはいたってシンプル。実生活での恋愛がうまくいかない男女がふとしことからパソコン通信で知り合い、リアルタイム・チャットや電子メールでの会話を通じてお互いを意識するようになる。そして初デートの約束をするが、タイミング悪くある事件が発生し「接続」しそこねる。後は観客に「2人は出会うことができるのか?」とハラハラ・ドキドキさせながら、感動のラストへ怒涛のようになだれ込んでいく。典型的な恋愛ドラマの王道(偶然出会い、いつしか惹かれあい、結ばれそうになった瞬間アクシデントが起こるが、最後はハッピーエンド)にパソコン通信という現代風のツールを加味した作品だ。パソコン通信の他にも、映画館・CDショップ・地下鉄・深夜ラジオ・コンビニ・ポラロイドカメラなどが巧みに使われており、都会に住む若者だったら自分の体験とシンクロさせ、思わずニヤリとしてしまうような映像がふんだんに散りばめられている。実際、韓国での客層も20代の若者が中心だったというのも納得できる映像だ。また、ソウルのピカデリー劇場前が舞台になっているのが映画好きにはたまらない。
とりたててどうこういう作品ではないのだが、プロットもよくできているし、主役のハン・ソッキュとチョン・ドヨンの演技もなかなかいい。加えて "Pale Blue Eyes", "A Lover's Concerto" などのオールド・ポップスが実に効果的に使われていて場面場面を盛り上げる。恋人と一緒に見に行くには最適な作品だろう。韓国の恋愛ドラマというと妙にどろどろした男女関係が強調されたり、やたら男性が女性を殴るシーンがあったり、サービス・カットとしか思えない無駄なセックス・シーンがあったりするのが不満だったが、この作品はそういう点が一切なく、本当に純粋な恋愛映画として安心して見られる点が評価できる。
1999年1月1日執筆
投稿者:Kamibeppuさん 投稿日:1999年4月5日(月)1時18分34秒
前評判が高かったので、ものすごく期待して見たのだが、なんで、そんなに人気があったの?とちょっと期待はずれでした。
この映画は、恋人同士で、デートで見るには、いいのかもしれません。映像、音楽とも、ちょっとしゃれた感じでイイのですが、あまり、訴えてくるものはなかったですね。別に何かを訴えるつもりは無かったのかもしれませんが。しいて言うなら、現在の日常の断片ですかね?
題材が、PC通信を扱ったものなので、それが話題になったのかなって気がしますが。しかし、韓国のPC通信の普及はすごいです。日本の比ではないのでは? 若い世代では、もう、日常といってもいいくらいです。
ハン・ソッキュが好きな人は必見です。
【評価:★★★】
投稿者:安達知子さん 投稿日:1999年4月13日(火)20時32分30秒
私は、この『接続』という映画をテレビ番組で知りました。あらすじは知っていますが、この映画を最後まで見たくてたまりません。ハン・ソッキュさんは、私の大好きな俳優さんです。韓国の映画も、もっとたくさんの場所で観れるといいですね。熊本から福岡までいくのは、ちょっと大変です。ハン・ソッキュさん、かっこいいですよね。
【評価:★★★★★】
投稿者:バンさん 投稿日:1999年9月5日(日)00時50分30秒
NHKのハングル講座でこの映画を知りました。どんなラストになるのか知りたくて(私はHappy Endが好き!というかそれ以外の映画はあまり見ない^。^)ずっと気になっていました。先日、夏休みを利用して韓国へ行き、VCDを購入。ようやく全編通して見ることが出来ました。私の韓国語の実力では、ほとんどセリフはわかりませんが、今風のおしゃれな映画だと思います。Happy Endなところも気に入りました。
それにしても、主演のハン・ソッキュさんは韓国では本当に人気があるのですね。TV CMにもたくさん出演されていましたよ。
【評価:★★★★】
投稿者:かめさん 投稿日:1999年10月16日(土)17時52分17秒
『ペールブルーアイズ』の入っている『ヴェルベット・アンダーグランウンド3』は、日本ではポリドールの『ヴァーヴ』というレーベルで1987年11月にLP(18MM-0610)、1988年11月にCD(P28P-25075)が出ているようです。
【追伸】
『接続』で流れる『ペールブルーアイズ』の入った、CD "The best of the velvet underground"(Verve POCP-2561)
渋谷のタワーレコードで1,835円にてあっけなく見つかりました。これで聞き放題です。
【評価:★★★★】
投稿者:のんたさん 投稿日:2000年8月1日(火)05時43分26秒
私は、つい先日、この映画を見ました。主役の2人の日常的な恋愛と、2人のやりとりがとても新鮮に見えました。日本では非日常的な恋愛が蔓延するなか、とても心地よい映画で、3回も見てしまった。韓国映画ははじめてですが、「また見たいな」と思います。
ちなみに、この映画のサントラ版は日本で発売されているのかな? 手に入れたいです。
【評価:★★★★★】
投稿者:相如さん 投稿日:2002/11/8 17:25:52
典型的な都会派恋愛映画という感じですね。音楽やファッション一つ一つに非常に洗練さを感じました。
しかしちょっと理解できないところもいくつか。せっかく恋人を奪えるチャンスで逃げ帰ったり、最後にハン・ソッキュが眺めているだけだったのが、不意に追いかけて行ったりなど。
デートで観るには丁度よすぎるくらいの映画ですが、個人的にはやや苦手な部類です。それにしてもそんな大ヒットしているとは知りませんでしたが。
【評価:★★★】
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