約束
題名 英題 ハングル |
約束 A Promise 약속 |
製作年 |
1998 |
時間 |
109 |
製作 提供 |
シンシネ 三星映像事業団 |
監督 |
キム・ユジン |
出演 |
パク・シニャン チョン・ドヨン チョン・ジニョン チョ・ソンムク ソ・ヘリン キム・セヨン キム・ミョングク パク・チイル パク・サンウク チョ・ギョンフン ユ・スンチョル イム・イルチャン キム・チョルス チェ・ヨンネ |
日本版 Video DVD |
なし |
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劇作家イ・マニ(李満喜)が1996年に発表し、1997年に話題を呼んだ演劇『治ってから出ろ』を映像化した作品。『あなたが女というだけで』のキム・ユジン監督が舞台を見て映画化を決意。映画のシナリオもイ・マニが書いた。常に新しい映画を供給し続けるシンシネの10周年記念作品で、1997年の大ヒット作『手紙』のパク・シニャン、『接続』のチョン・ドヨン共演の話題作。「かなえられない恋」が涙を誘う。
若くして組織のボスにまで上り詰めたコン・サンドゥ(パク・シニャン)。ある日、彼は正体不明の男から襲撃され、血だらけになって病院に担ぎ込まれる。退院が間近に迫ったある日、治療を担当していた女医のチェ・ヒジュ(チョン・ドヨン)は、包帯の奥から現れたサンドゥの純粋な目に心ひかれる。そしてサンドゥも強い意志を持ちながらも可愛い面を持つヒジュを忘れることができない。サンドゥの求愛に最初は拒絶していたヒジュも彼の真心を知り、ついに二人は愛し合うようになる。しかし、常に生命の危険にさらされている暴力団のボスと女医との恋は容易にはかなえられない。抗争相手の暴力団がヒジュを標的にしていることに気づいたサンドゥは彼女と別れることを決心する。
前半、サンドゥがヒジュの心をつかもうとあの手この手でアタックする場面がコミカルで笑いを誘う。後半は一変して催涙性ストーリー。観客の評は「前半は『トゥー・カップス』、後半は『手紙』」というもの。試写会を見終えた劇場主が大ヒットを確信し、この映画の争奪戦を繰り広げた。公開前の前売券販売数は15,000枚で、これは韓国映画としては最高記録(当時)。1998年だけで60万名以上(ソウル)を動員し、年を越えての大ヒットとなった。ユ・ウンジョンが執筆したオリジナル小説も発売。Jessica が歌う主題歌 "Goodbye" を収録したサントラの出来も秀逸。音楽監督はチョ・ソンウ。
パク・シニャン演じるやくざのボスは女性だったら「私もあんな人に愛されたい」と思うほど魅力的。やくざとは思えない澄んだ瞳。ヒジュを好きになるけれど、それをどう表現していいのか分からずに右往左往する様は可愛くさえある。一方のチョン・ドヨン演じる女医はヤクザにすごまれても構わずボスのお尻に注射をするような気丈さを持ちながら、彼の求愛を受け入れる様は「可愛い女」。主役二人の「これ以上はない」という程の好演と、キム・ユジン監督操る「泣かずにはいられないストーリー」が見所。
第19回(1998)青龍賞男優主演賞(パク・シニャン)・男優助演賞(チョン・ジニョン)、第7回(1999)春史映画芸術賞男子演技賞(パク・シニャン)・撮影賞(チョン・ジョミョン)・照明賞(イ・ジュセン)、第22回(1999)黄金撮影賞金賞(チョン・ジョミョン)・人気女優賞(チョン・ドヨン)、第35回(1999)百想芸術大賞女優主演賞(チョン・ドヨン)、第36回(1999)大鐘賞助演男優賞(チョン・ジニョン)受賞作品。
初版:1998
最新版:1999/4/20
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【ソチョンの鑑賞ノート】
1998年11月29日と12月1日、ソウル・シネマにて鑑賞。
大変よく出来た娯楽作品です。前半の笑いと後半の涙がほどよくブレンドされ、女性の白馬に乗った王子様願望、男性の男気への憧れを同時に満たす。そして悲恋。観客が見たいと思っている物をどーんとまとめて放り込んだといったところでしょうか。ラスト10分程度からは周りから洟をすする音が聞こえ始め、場内が明るくなると目を腫らした観客がチラホラ。『手紙』なみの催涙性映画というのも誇張表現ではないようです。
前半の病院を舞台としたやりとりはかなり面白いです。ボスを守るために病室を占拠した子分達とヒジュのやりとり。そしてサンドゥの必死のラブラブ大作戦は傑作。言葉なんて分からなくてもゲハゲハ笑えます。でも、サンドゥが別れを決心するあたりから私は「こんなことあるかよ」とひいてしまいました。後半は別れなければならない男女の悲恋物語と、やくざの親分子分の義理人情物語が交錯しながら進みます。この手の話しは珍しい物ではないのですが、通常はヤクザ同士の義理がメインで男女の悲恋はサイド・トピックスになるところが、この映画では逆にあくまでメインは男女の恋の物語であったことに違和感を感じたのかもしれません。パク・シニャンもチョン・ドヨンも顔をくしゃくしゃにして大熱演しているのですが、二人が熱演すればするほど、どんどんひいてしまう私なのでした。
もちろん私が乗れなかったというだけなので、他の方がご覧になったらまた別の感想を持たれることでしょう。それにこの映画自体は大変よくできていると思うので、評価自体は低くありません。一つ気になったのは、作りが『手紙』と非常に似通っているということ。前半と後半で話しが大きく転換する。悲恋。そして涙を誘うパク・シニャンの独白。ネタバレになるのでこれ以上書けませんが、『約束』は『手紙』のコピーであるかのような印象を持ちました。ヒットしているからいいとはいうもののこんな同じような作品ばかり作っていてシンシネは大丈夫なんだろうか? いつか観客に飽きられるんじゃないだろうか? パク・シニャンも『手紙』,『約束』そして次回作の『ホワイト・バレンタイン』と、ここのところメロ映画ばかりだけれどメロ映画専門俳優になるつもりなんだろうか? 演技を深めるためにもそろそろ違った作品に出たほうがいいんじゃないのか? などなど要らん事を考えながらラストシーンを見守った私です。
1998年12月7日執筆
投稿者:nigachoa さん 投稿日:1999年4月11日(日)15時12分38秒
はじめまして。名古屋市に住んでいるnigachoaと言います。4月6日に名古屋のシネマスコーレで『ドクター・ポン』を見ました。ソチョンさんはあの時韓国映画の説明をされていた方ですね?
最近は名古屋の新栄にある韓国商店でビデオを借り、韓国映画を週2本ぐらいのペースで見ています。僕はジーンとくる映画が好きなんですが、『約束』はほんとにジーン度数90%以上に達した映画でした。韓国では「チョン・ドヨンは美人じゃない。愛嬌があるだけ」と評価されているようです。この映画でも医師の格好をしてる時は案の定いもっぽかったんですが、後半に進むにしたがってさすが映画女優と思うほどきれいになっていきました。パク・シニャンも、男前度ならもっと上がいくらでもいると思いますが、演技のうまさは本当に光っていました。友人は『接続』の方がいい映画だったと言いますが、僕は『約束』の方が好きです。ただ、在日キョッポを悪役にしたのには反感を覚えました。全体的なストーリーとさして関係ない部分だっただけに、製作陣の個人的感情でこんなシーンを作ったに違いありません。
【評価:★★★★】
投稿者:SUMさん 投稿日:1999年4月25日(日)19時50分38秒
パク・シニャンとチョン・ドヨンの二人の演技が輝いていて、退屈させることなくラブストーリーがつづられる。ただ、パク・シニャンのキャラクターの陰と陽のバランスはややちぐはぐで、感情移入を妨げていたような気がするのは残念である。また、クライマックスは、オーバーだと感じる日本人は少なくないかも知れない。つまるところ、いい意味でも悪い意味でも、韓国的なラブメロだろう。
【評価:★★★★】
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