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風の丘を越えて〜西便制


題名
英題
原題
ハングル
風の丘を越えて〜西便制
Sopyonje
西便制
서편제
製作年 1993
時間 113
製作 泰興映画
監督 イム・グォンテク
出演 キム・ミョンゴン
オ・ジョンヘ
キム・ギュチョル
アン・ビョンギョン
チェ・ドンジュン
カン・ソンスク
チェ・ジョンウォン
シン・セギル
日本版
Video
DVD
字幕版Video
DVD

 1960年代初め、西洋音楽が流行り始めた頃、パンソリ芸人ユボン(キム・ミョンゴン)は養女のソンファ(オ・ジョンヘ)と息子のドンホ(キム・ギュチョル)に自分の芸を仕込みながら村から村へ渡り歩く貧しい生活を送っていた。時には仲良く珍島アリランを唄う三人だったが、やがて頑固な父と貧しい生活に嫌気がさしたドンホは失踪。それにショックを受けたソンファは唄をやめてしまう。その時、ユボンがとった選択肢は・・・

 韓国の伝統芸能「パンソリ」をテーマにした作品(題名の「西便制」は「東便制」と並ぶパンソリの一流派)。韓国全土で300万人に達する観客動員を記録し、日本でも単館ロードショーで大ヒット(「興行成績」)。韓国では、この作品がきっかけとなって伝統芸能再評価の動きが盛りあがった。また、ハリウッド映画に押されっぱなしだった韓国映画に観客を呼び戻すきっかけともなった。この映画を見ずして韓国映画は語れない名作。撮影監督チョン・イルソンの映像、そしてキム・スチョルの音楽も素晴らしい。何度見ても飽きがこず、また、見れば見るほど新しい発見がある。

 原作の李清俊(イ・チョンジュン)の小説はハヤカワ文庫から邦訳が出版されている。脚色は主演男優のキム・ミョンゴン。

 第44回(1994)ベルリン映画祭パノラマ部門本選進出、1993年ナント国際映画祭特別招待、1993年ハワイ国際映画祭特別招待、1994年香港国際映画祭、第5回(1994)ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭招待作品部門出品作品。第46回カンヌ映画祭、第50回(1994)ヴェネチア映画祭出品、第31回(1993)大鐘賞最優秀作品賞・監督賞(イム・グォンテク)・新人女優賞(オ・ジョンヘ)・新人男優賞(キム・ギュチョル)・撮影賞(チョン・イルソン)・録音賞(カン・デソン,キム・ボムス)、第14回(1993)青龍賞最優秀作品賞・大賞(イム・グォンテク)・撮影賞(チョン・イルソン)・男優主演賞(キム・ミョンゴン)・男優助演賞(アン・ビョンギョン)・新人女優賞(オ・ジョンヘ)・最多観客賞、第13回(1993)映画評論家協会賞最優秀作品賞・監督賞(イム・グォンテク)・男子演技賞(キム・ミョンゴン)・撮影賞(チョン・イルソン)・音楽賞(キム・スチョル)・新人演技賞(オ・ジョンヘ)、第4回(1993)春史映画祭最優秀作品賞・監督賞(イム・グォンテク)・女優主演賞(オ・ジョンヘ)・男子新しい顔演技賞(キム・ギュチョル)・美術賞(キム・ユジュン)、第30回(1994)百想芸術大賞最優秀作品賞・特別賞(イ・テウォン)、第1回(1993)上海国際映画祭最優秀監督賞(イム・グォンテク)・女優主演賞(オ・ジョンヘ)、第7回(1994)シンガポール国際映画祭最優秀作品賞受賞作品。1993年映画振興公社選定「上半期の良い映画」。

初版:1998/5/31



投稿者:SUM さん 投稿日:1998年8月7日(金)09時40分00秒

【評価:★★★★】



投稿者:Kamibeppuさん 投稿日:1999年4月4日(日)20時29分36秒

これを、見ずに韓国映画は語れない。

小説の翻訳、映画の字幕製作は、私の韓国語の先生だった根本先生。
本当にすばらしい翻訳です。

映画は、映像、音楽ともにすばらしいの一言。
韓国映画界の至宝、イム・グォンテクの美意識の結晶。
韓国人が持っている、「恨」という概念がこの映画のテーマ。
映画を見終ったあとは、なんとも言えない感動が。

全羅道訛が判るとその情緒はさらに深まるとは私の友達の談。
私は残念ながら、標準語との差はなんとかわかるが、情緒はわからない・・・

また、この映画を見て、パンソリを始めた人、多数。
見終ったあとに、アリ、アリラン・・・と歌ってしまうこと間違いなし。

とにかく、名作。
必ず見てください。

【評価:★★★★★】


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