リメンバー・ミー
題名 英題 原題 ハングル |
リメンバー・ミー Ditto 同感 동감 |
製作年 |
2000 |
時間 |
111 |
製作
製作投資
配給 |
ホワイト・リ・エンターテイメント 韓脈映画 韓脈映画 オリーブ・コミュニケーション Intz.com 韓脈映画 |
監督 |
キム・ジョングォン |
出演 |
ユ・ジテ キム・ハヌル パク・ヨンウ ハ・ジウォン キム・ミンジュ シン・チョルジン ユ・テギュン イ・イノク イ・ヨングァン キム・サンウォン コン・ユソク イ・ヨンビン チョン・ギヨン イ・ミョンスク ユ・ジニ メン・ボンハク キム・ドシク |
日本版 Video DVD |
字幕版Video 吹替版Video DVD |
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1979年に生きる女性と、2000年に住む男性の時を越えた魂の“交感”。1979年当時の世相を折り込み、人の縁を感じさせる巧みなシナリオ、涙を誘う素敵なラスト、そして『バイ・ジュン 〜さらば愛しき人〜』でデビューし、この映画で再共演した主演のユ・ジテとキム・ハヌルのさわやかな演技が魅力。二人の俳優としての魅力が満開。韓国では1999年冬に公開された岩井俊二の『Love Letter』と比較する人が多かった。
大学の先輩で最近除隊して復学したチ・ドンヒ(パク・ヨンウ)に恋心を抱いているユン・ソウン(キム・ハヌル)。片思いの彼女は、脚を怪我して入院中の親友ホ・ソンミ(キム・ミンジュ)に恋の悩みを打ち明ける毎日を送っている。そんなある日、ソウンが皆既月食を見つめていると、不思議な出来事が。壊れているはずの中古無線機からチ・イン(ユ・ジテ)のコールが聞こえてきたのだ。チ・インは、何かと彼の面倒を見たがる女の子ソ・ヒョンジ(ハ・ジウォン)といるより無線機をいじっているほうが楽しいアマチュア無線マニア。無線の会話で、同じ大学に通っている事を知ったソウンとインは、大学にある時計台の前で会う約束をする。しかし、どんなに待っても相手は現れない。そして、再び無線交信した二人は驚くべき事実を知る。ソウンは1979年に、インは2000年に生きていたのだ。しかし、驚愕の事実はそれだけではなかった・・・
この作品でデビューしたキム・ジョングォン監督はチャン・ジンの『あきれた男達』,『SPY リー・チョルジン 北朝鮮から来た男』などで助監督を担当していた人物。斬新なシナリオを担当したのはチャン・ジンとホ・イナ。脚色はチャン・ジンと監督のキム・ジョングォン。撮影はチョン・グァンソク。
1979年8月生まれのキム・ミンジュは、同徳女子大放送芸能科2年の学生で、SBSの『順風産婦人科』、TV映画『ラブ・ストーリー』、KBSの『学校2』、『女秘書』などに出演しているほか、CM出演も数多い女優。
韓国では、映画本編がノベライズされ小説として出版されている。記憶に残る映画音楽を担当したのは、イ・ウッキョン。彼は『新装開店』で音楽監督としてデビューし、これが2作目。
ロケ地となっている大学は、大邱の啓明大学。ただし校舎前の時計台は撮影のために作られたもので現在は存在しない。それ以外の校舎やソウンとインが手でなでる石垣などは実在する。ちなみに、主人公達が通っている「新羅大学」は釜山に存在するが、この実在する新羅大学は元々、釜山女子大学という名称で、1998年度から共学化&名称変更した大学。劇中の設定でもソウンとインはソウル在住となっているので、劇中の「新羅大学」と実在する新羅大学は無関係と思われる。
韓国文化院開院22周年記念「韓国最新映画特別鑑賞週間」、第26回(2001)湯布院映画祭、第5回みちのく国際ミステリー映画祭2001 in 盛岡上映作品。
第1回(2000)釜山映画評論家協会賞新人男優賞(ユ・ジテ)、第8回(2000)春史映画芸術賞新人監督賞(キム・ジョングォン)・男子新しい顔演技賞(ユ・ジテ)、第21回(2000)青龍賞女優助演賞(ハ・ジウォン)受賞作品。また、第5回女性観客映画賞−2000年女性の観客が選ぶ最高の映画で「今年のベスト韓国映画第2位」に選定された(第1位は『JSA』)。
日本では、カルチュア・パブリッシャーズよりサントラが発売されている。また、岡本真夜が歌うイメージソング『愛しい人よ〜remember me〜』が、徳間ジャパンコミニュケーションズより発売されている。
『時の香り〜リメンバー・ミー〜』というタイトルで日本版リメイクが製作され、『リメンバー・ミー』の日本公開とほぼ時期を同じくして劇場公開された。日本版の監督は山川直人。韓国版でキム・ハヌルが演じた配役は吹石一恵が、ユ・ジテが演じた配役は斎藤工が演じている。また、香港にもリメイク権が売れている。
日本ではノベライズ『リメンバー・ミー』(竹書房文庫、ホ・イナ著、徐正根訳)が出版されている。
初版:2000/7/24
最新版:2001/9/20
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投稿者:イム・ボンジュさん 投稿日:2000/12/30 16:26:13
どうということはない、軽く爽やかな青春ラブ・メロなのに、なぜかラストで涙が流れてとまらなかった。このインターネット全盛時代に「アマチュア無線に夢中な青年」という設定自体が無理なのに、ユ・ジテやキム・ハヌルの真剣に純粋さを追い求める演技によって、ぐいぐいと引き込まれてしまうから驚きだ。『シュリ』のコネ入社オ・ソンシクを演じたパク・ヨンウのシャイでナイーブな雰囲気も、この映画にぴったりはまって好感度アップ。
ほんとに、七面倒くさい小理屈のはいった映画より、『手紙』とか、こういう作品をもっと日本公開した方がいいと思うんだけれど・・・
【評価:★★★★】
投稿者:SUMさん 投稿日:2001/2/21 00:42:27
誰にでも、そういうところはあるに違いない。何かのせいで、別のことに気づかなくなってしまうこと。瞬間としてもそうだし、「ずっとみんなは気づいていたのに、自分だけ知らなかった」そういうことってあるものだ。色恋絡むと、特に多いような気がする。
無線を通して親子の世代がつながるとうテーマと言えば『オーロラの彼方へ』というアメリカ映画も最近あった。この時代に無線のテーマだと、たった2本でも何か理由があるのかと思ってしまうが、さてどうなのだろう。
ともかく、『リメンバー・ミー』は時代の違う人と出会うことで二人とも、今という現実の見方が変わってきてしまう。事実に介入して歴史を変えるというテーマではなくて、焦点はあくまで心の問題である。現実と新たに向き合うことで得るものも失うものもある。損得勘定して即物的に幸・不幸を言うことはあるだろうが、出会いの中で、何かに向き合った中で、新しいものが見つかればハッピーエンドだと思いたい・・・
ネタバレするのはもったいないから、もうこのくらいで。この映画の不思議な感動にただ包まれるだけでもいいし、その正体を追い求めてもいいし。理屈抜きで素直に感動できるけど、深いなぁ、この映画。
【評価:★★★★】
投稿者:大西康雄さん 投稿日:2001/8/8 12:10:57
2001年7月に韓国でこの映画の日本語字幕つきのDVDが発売されました。
発売:(株)Spectrum DVD メーカー希望小売価格 19,800ウォン
仕様:16:9用スクイーズ収録 片面2層 音声:ドルビー5.1/2.0
ステレオ韓国語 字幕:英語/日本語/中国語
日本語字幕のクオリティですが,韓国人が作成したものらしくあちこちミスがあるのがご愛嬌。例えば本来ならば「縁(えん)」になるところが、「ねん」と訳されていたり、「機械」が「機会」になっていたり、日本語だったら当然漢字で表現する言葉がひらがなになっていたり(例「皆既月食」)。ですが充分に内容理解可能です。
【評価:★★★★】
【鑑賞ノオト】 Text by 月原万貴子(月子) 2001/10/26
2001年10月20日、『リメンバー・ミー』の初日を見てまいりました。
初回上映後、キム・ジョングォン監督と、ヒロインを演じたキム・ハヌルの舞台挨拶があるためか場内はほぼ満席。寝坊した私は後ろのほうの席しか確保できなかったので、まともな写真を撮ることができませんでした(とほほ)。
キム監督は「今までなかったようなラブ・ストーリーを作りたかった。今現在の若者も、彼らの親の世代も、恋愛は違わない。原題である『同感』どおり、同じ感じを感じて欲しい。素直に泣いてください」と語り、キム・ハヌルは「ヒロインは私本人より強いと思います。完成した映画を見た時は感動しました。この作品を見て、初恋の時の切なさを思い出して欲しいです」と語りました。
1979年に生きる女性が偶然手に入れた壊れた無線機で、皆既月食の夜に交信した相手は2000年に生きる青年だった・・・
なーんて、素敵なホラばなしなんでしょう!
小さな嘘を重ねた映画ほどつまらないものはありません。キム監督はこのことを良く分っているのでしょう。本作はひとつの大きな嘘を貫き通すため、小さな真実を積み重ねた誠実な作品に仕上がっています。
1979年の女子大生ソウンは先輩ドンヒに片思い中。ドンヒは除隊して復学してきた人だから、たぶんこの恋はニ年越しと思われる。姿を見るだけでドキドキ、会話なんかしちゃったら心臓が破けそうという純情ぶり。一方、2000年の男子学生インは、いつも傍にいるヒョンジと友達以上恋人未満の微妙な関係を続けている。21年の時を越え、魔法のかかった無線機を通して心を通わせあう男女。同じ大学に学ぶ学生同士で、ともに20歳。顔は見えないけど、声や話し方でどんな人なのかが分かる。顔が見えないから、日記にみたいに秘密の話も打ち明けられる。時代は違っても、恋に悩む心は同じ。でも、そんなふたりがたどり着いたのは不思議な因縁だった・・・
この心優しきおとぎ話を作り出したのは、1969年生まれのキム・ジョングォン監督と、1970年代生まれの若き俳優達です。
インを演じるユ・ジテの柔らかな笑顔と、深みのある声。無線機から聞こえる「CQCQ」があの声だったから、ソウンも思わず「ヨボセヨ?」っていっちゃったんだろうなと思ってしまうほど、素敵な声(余談だけどあの声だから、『春の日は過ぎゆく』の挿入曲を歌うと聞いた時は、すごく期待しちゃったのだけど、ぜんぜんイケてませんでした。残念)。
ソウンを演じるキム・ハヌルは、清潔感あふれる美しさで、ちょっと昔のお嬢様ファッションがとても似合っている。まあ、1979年には高校生だった私から見ると、大学生にしてはちょっと乙女ちっく(死語)が過ぎるかなあという気がしないでもないけど(笑)、友人に聞いてみたところ、「いや、私もあんなもんだった」そうなので、別にお国柄って訳じゃなさそうです。
【評価:★★★★】
投稿者:iwakoさん 投稿日:2002/5/2 13:40:22
これも、またまたタイムパラドックス。こういう不思議感覚が好まれるようです。あんまり多いと飽きてきそう。
ユ・ジテが泣いたりするのが可愛くてこちらも思わず泣いてしまいました。ソウン、父、母の若い頃のロマンスを知って心がゆれる男の子インの純情さに私も心がゆれました。
しかし、恋をあきらめたソウンが大学の先生になるのはいいけれど、恋をあきらめた女の道ってやっぱりこうなのかなあ。ステレオタイプな気がしました。ソウンが「私はこれから一生恋も結婚もしない、学問一筋」って思ったとは想像しないけれど。多少ひっかかります。それと大学の先生になったソウンですが、若いままなのか年を重ねた姿なのかはっきりしない風貌も、もう一工夫ほしく思いました。
【評価:★★★】
投稿者:ゆり さん 投稿日:2003/12/27 06:24:32
鑑賞後、初めに出てきたのは「あ、あんまりだ」という感想でした。
誤解のないように言っておきますが、この映画は好感の持てる作品です。「時を越えた会話」という基本設定はかなり強引かつ、ありがちですが、重ねられていくエピソードは丁寧に描写されていて、決して突飛なものではありません。
ですが、それだけに物語の持つ残酷な一面が胸に迫ってしまうわけです。ヒロインの行く末を知ると心中穏やかでいられない状態でエンドクレジットを迎えてしまうのです。夢物語で終わらないという作り手の姿勢は良いと思うのですが、もっと気持ちの良いラストにもできたのではないかと残念です。
とはいえ、基本的に俳優の魅力で作品自体の雰囲気は大変静謐かつ、爽やかなものになっていました。キム・ハヌルの透明感、ユ・ジテの柔軟性は素晴らしかった。ヒロインの憧れの先輩を演じたパク・ヨンウはちょっと棒立ち状態に見えてしまうときもありましたが、作品の雰囲気を壊すことのない繊細な演技で好印象でした。
それにしても、悲しい結末の映画です。
【評価:★★★★】
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