韓国の大ヒット映画(「興行成績」)。1990年代の韓国映画界がコメディ全盛になったのは、この映画が源流といえる。その後シリーズ化され、1996年に『トゥー・カップス2』(監督:カン・ウソク)、1998年に『トゥー・カップス3』(監督:キム・サンジン)が公開されている。また、1998年4月現在で『トゥー・カップス4』の企画が既に進行中。007シリーズ、寅さんシリーズなどと同様に、偉大なるマンネリ・シリーズになるか?
酸いも甘いも知り尽くしたぐーたらベテラン刑事(アン・ソンギ)と警察学校を首席で卒業し正義感に燃える新米刑事(パク・チュンフン)がコンビを組み、さまざまな事件を通して、新米刑事が成長(堕落?)していく様を描く。難しいことは考えずに大口開けて笑いながら見るのが正解。最後にちょっとしたどんでんがえしがあるストーリー、切れのよいテンポ、アン・ソンギとパク・チュンフンの爆笑コンビの演技が見物。
監督のカン・ウソクは「おもしろくなくちゃ映画じゃない」が信条で、「韓国のスピルバーグ」の異名を取る。前作『ミスター・マンマ』の興行的成功により康祐碩プロダクションを設立し、最初に製作したのがこの『トゥー・カップス』。そのせいか、監督がやりたかったこと全てが表現されている。そんな自由奔放さを画面から感じることが出来る作品。彼の作品の中でもやはりこの『トゥー・カップス』が出色の出来だろう。
ラストに出てくるターミネーターのような新米刑事は『トゥー・カップス2』で主演をはるキム・ボソン。
第32回(1994)大鐘賞男優主演賞(アン・ソンギ,パク・チュンフン)、最高人気男性俳優賞(アン・ソンギ,パク・チュンフン)、第30回(1994)百想芸術大賞作品賞・監督賞(カン・ウソク)・演技賞(アン・ソンギ)・新人演技賞(チ・スウォン)受賞作品。
初版:1998/6/1
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