ロスト・メモリーズ
画像提供:メディアボックス(以下、同じ)
題名 英題 原題 ハングル |
ロスト・メモリーズ 2009 Lost Memories 2009 ロスト・メモリーズ 2009 로스트 메모리즈 |
製作年 |
2002 |
時間 |
136 |
製作 提供 配給 共同提供 |
インディーコム TUBEエンターテイメント CJエンターテインメント TUBEインベストメント CJエンターテインメント ドリーム・ディスカバリー創業投資 ベスト技術投資 ユニコリア文芸投資 インディーコム 第一ダイレクト コエル創業投資 ハンソル投資 スペースシャワーネットワーク |
監督 |
イ・シミョン |
出演 |
チャン・ドンゴン 仲村トオル ソ・ジノ シン・グ アン・ギルガン チョ・サンゴン チョン・ホジン 大門正明 キム・ウンス アン・ゲボム 光石研 吉村美紀 今村昌平 ウン・ウォンジェ |
日本版 Video DVD |
字幕版Video 吹替版Video DVD |
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日韓の歴史的・民族的隔たりを超え、真の友情を描く日中韓ロケの本格SFアクション映画。2002年に続々と公開が予定されているコリアンSFアクションの先陣を切って公開されるため、これまで韓国映画ではジャンルとして確立していなかったSF大作映画が新しいジャンルとして定着するかどうかの試金石的作品としても注目されている。
1909年に安重根が伊藤博文を暗殺できず、その後100年間、日本の植民地状態が継続した韓国を背景としており、オープニングの歴史解説の部分では、その後の変わってしまった歴史が描かれる。そこでは、原爆がベルリンに落とされ、日本が戦勝国になり、1988年の名古屋オリンピックで韓国人スポーツマンが日の丸をつけて競技をし、2002年の日本単独開催サッカーW杯ではサッカーのスーパースター、イ・ドングクが日本代表チームで戦い、光化門前に(李舜臣ではなく)豊臣秀吉の銅像が建つといった衝撃的な映像がお目見えする。
舞台は日本の支配下にある2009年の京城(ソウルの植民地時代の呼び名)。朝鮮民族独立のための戦いを繰り広げるレジスタンス・グループ「不令鮮人」を根絶しようとするJBI(Japan Bureau of Investigation:日本特殊捜査隊)のエリート隊員で朝鮮系日本人の坂本正行(チャン・ドンゴン)は、捜査の過程で陰謀に巻き込まれる。そして、日本帝国統治下100年の秘密を知った彼は捻じ曲げられた歴史を戻そうとするのだが・・・
主演は『友へ/チング』のチャン・ドンゴンと、香港映画などへも積極的に出演し「アジア俳優」として知られる仲村トオル。仲村トオルは、チャン・ドンゴン演じる坂本の親友でJBI隊員の西郷将二郎を演じる。主演の二人を含む30名の出演者が、アクション演技のため10日間あまりの軍事訓練に参加し、ハードなトレーニングをこなした。台詞の70%は日本語。チャン・ドンゴンは、仲村トオルに台詞の発音を吹き込んだテープを作ってもらい、それを聞きながら日本語の練習をしたという。なお、二人が演じる主人公の名字、坂本と西郷は、坂本竜馬と西郷隆盛からとられたとか。
助演陣では、『不朽の名作』で有名女優ソンミを演じていたソ・ジノがレジスタンス・グループ「不令鮮人」の女性リーダー、オ・ヘリンとして出演。彼女はケーブル・テレビの『生放送芸能ステーション』のMCを担当した経験があるタレント。『少女たちの遺言』でデビューしたキム・ミンソンも特別出演している。また、日本の今村昌平監督もカメオ出演。
漢陽大学演劇映画科を卒業し、カン・ウソク監督の『女房殺し』、『トゥー・カップス2』の演出部で経験を積んだイ・シミョン監督デビュー作。脚本もイ・シミョンが担当。音楽はイ・ドンジュン。映画音楽は、ロシア・ナショナルオーケストラと100人の混成合唱団により演奏。韓国と日本の伝統楽器も使用されている。
製作はキム・テヨンとソ・ジュヌォン。撮影はパク・ヒョンチョル。編集はキョン・ミノ。美術はキム・ギチョル。
ポク・コイル(卜鉅一)のSF小説『碑銘を求めて 京城、昭和62年』を映画化。原作小説は日本でも『京城・昭和六十二年 碑銘を求めて(上・下巻)』(卜鉅一著,川島伸子訳)という題名で成甲書房より出版されている。
純製作費64億ウォン(銃器の購入に3億ウォン、セットに12億ウォン投入)。
公開に先立つ2002年1月に韓国でメイキング本『2009 ANOTHER MEMORIES OF JANG DONG GUN:<2009 ロスト・メモリーズ>メイキング・ブック』(イ・ナムジン,シン・ヨンハ,チャン・ドンゴン著、キミョン社刊,312ページ)が出版された。これは、プリ・プロダクション段階からポスト・プロダクションまでの全過程を密着取材したもので、チャン・ドンゴンの日誌も収録されている。
国粋主義・民族覇権主義的で過激な設定に公開前から韓国のネットでも「愛国映画か、売国映画か?」と論争になった。初期設定は売国的だが、ストーリー展開は愛国的で、「ハイ・クオリティな反日映画」との評も。その過激な内容は、仲村トオルが映画が公開されたら日本の右翼から狙われないかと心配したほどだという。また、タイム・トラベルが生み出すはずのタイム・パラドクスの処理の不明確さなども論争の的に。その一方で、試写会では面白さと完成度では歴代興行成績の上位にランクするパワーを持った作品で、『シュリ』、『JSA』、『友へ/チング』を凌駕するとの評も。いずれの評が正しいのかは公開されてみないと分からないが、とにもかくにもそれだけの話題作と言うことだ。
韓国の抗日独立運動の記念日である3月1日には、天安にある独立記念館で、この映画の愛国無料上映会が開催され、話題となった。
第23回(2003)Fantasporto国際映画祭、2003年フランス・ジェラルメ(Gerardmer)・ファンタスティック映画祭Inedits Videos部門、2003年ブリュッセル国際ファンタジー映画祭招待作品。東京国際ファンタスティック映画祭2003オープニング作品。
2003年フランス・ジェラルメ(Gerardmer)・ファンタスティック映画祭観客賞受賞作品。
第25回(2002)黄金撮影賞新人監督賞(イ・シミョン)、第39回(2002)大鐘賞助演男優賞(仲村トオル)・新人監督賞(イ・シミョン)・視覚効果賞(チャン・ソンホ/C.G)・音響技術賞(イ・ギュソク,アン・サンホ)、第23回(2002)青龍賞技術賞(CG:チャン・ソンホ)受賞作品。
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投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/2/7 18:11:14
2月1日、韓国公開初日に鑑賞。
結論からいうと必見作であり、色々な意味で重要な存在になる映画だが、問題点もたくさん抱えている。
まず、肝心の出来についてだが、演出の切れが悪く、アクションが派手な割りに退屈で、もたついた映画に仕上がっている。エピソードをてんこ盛りにしたためか、登場人物の描写が希薄で感動につながっていかない部分も目立つ。本作が商業デビューのイ・シミョン監督にとって、この『ロスト・メモリーズ』は少々、手に余る企画だったようだ。もう少しキャリアを積んだ監督か、アクションの得意な監督であれば、更に面白い作品になったであろう。
例えば、西郷(仲村トオル)と坂本(チャン・ドンゴン)の関係にもっと深く焦点を合わせるか、テロリスト組織の造形に力を注げば、心に残る作品になっていたに違いない。総じて、人間ドラマが表面的で軽いのである。その点では、『シュリ』や『JSA』は格段にこなれている。
日本を含む海外で公開する場合、大幅にカットしてテンポを上げないと一般客には退屈で感動に欠ける作品として解釈される危険性を孕んでいる。また、色々なSF小説を読みこなしている方々には、この映画はSFよりもファンタジーに近く感じられるのではないだろうか。時間物SFとしてはオーソドックスかつ古臭い話である。
この映画の特徴の一つは、台詞の80%以上は日本語ではないか、と思われるくらい、日本語が多く使われていることだ。きちんと聞き取れる膨大な日本語の台詞をこなしたチャン・ドンゴンの努力は称賛に値するが、他の韓国人俳優の日本語があまりにもひどいので、日本公開時には修正した方がいいかもしれない。また、日本語の多さが韓国の一般客に抵抗を与えないか、非常に気になるところ。なにせ、韓国映画であるにもかかわらず、字幕だらけで画面が観づらいのだ。
日本の俳優陣は総じて好演しており、特に英世を演じた光石研の演技は光っている。西郷を演じた仲村トオルは、日本人的なイメージという意味では適役だが、線が細く、演じる人物像に深みがない。西郷の、同僚や家族を大切にする様子をステレオ的に羅列するのではなく、もっと彼自身の人生や日常と絡めてゆけば、作品自体にも深みが増したであろう。
韓国の俳優は全体的に凡庸な印象で、特にテロリストやJBIの面々はあまり魅力的とはいえない。ただし、テロリスト側の学術的リーダー、キム・デソンを演じるチョ・サンゴンは、出演時間は短いながら、深い余韻を残す。ちなみに史学者役でカメオ出演している今村昌平は、重要かつ長い台詞を語るが、よく聞き取れない。
近未来の京城の映像は、やっぱりスカスカで、もう少し工夫が必要だが、ハリウッドの大作や日本のアニメーションではないため、これはこれで仕方ないだろう。ただし、新宿の夜景を使ったモンタージュ表現は、意外に効果をあげている。また、カットバックで描かれる、日韓歴史改変の真実を語るシーンは迫力がある。
美術のスタイルも、『ソウル・ガーディアンズ 退魔録』や『シュリ』のような、いつもの韓国式アクション映画スタンダードでワン・パターンだが、それほど悪くはない。VFXは日本のクリエイターから観れば詰めが甘いだろうが、CGIとミニチュア・ワークをうまく両立させている。この両分野は、今後の韓国映像産業の大きな課題だろう。本音を言えば、こういう分野こそ、日韓共同で作業を行って欲しかった部分である。
この『ロスト・メモリーズ』、韓国において「売国的か、愛国的か」と話題になっているようだが、日本人の私から観れば、極めて愛国的。韓国人による韓国人の為の作品であり、描かれる架空の歴史は、あくまでも一般の韓国人がすんなりと理解できることを前提に描かれている内容のものだ。かなり日本側にも配慮したアレンジがなされているが、歴史に関心を持つ人々から観ると、あまりに安易で俗っぽく感じられるかもしれない。劇中における日本の国家体制、それを取り巻く国際情勢の様子が触れられていないことは欠点だが、これは本作品が日韓合作であり、娯楽作品である以上、やむをえない。
だが、そうした面を踏まえても、複雑な歴史の映像的翻訳と考えれば、よく練られており、目くじらを立てるほどではない。世宗路に建つ豊臣秀吉の銅像や、その後ろにそびえる旧総督府の情景は、観る側としては、あまり深刻に考えず、パロディだと解釈した方がよい。それが製作者への礼儀であろう。イ監督自身、「歴史がどうのというよりも、純粋に娯楽として楽しんでほしい」といったニュアンスの発言をしているが、その意図には十二分に、かなったものである。
また、劇中の日本語の台詞は全編かなり練られており、日本側のライターは実力のあるスタッフが参加しているようだ。特に西郷が物語の前半で坂本に語る、劇中の日帝体制を巡る確執に対する言葉は、非常に含蓄に富み、感心させられた。ここでの台詞には、額面どおりにとってしまうと「実際の歴史上の日帝時代を日本人が肯定している」と危険視される可能性のある言葉も含まれているが、よくある安易な友好論や反省論では書くことの出来ない深い台詞であると思う。その背景には、日韓の事情に通じたスタッフの意見が反映されているのではないか。
まずは、きわどいテーマの作品ではあるものの、日韓間の歴史うんぬんと言う前に、娯楽作品として観ていただきたい映画である。それゆえ、実際の作品評価とは別に、星5つをあえて付ける。
最後に、日本語の台詞にまつわる話をひとつ。
『ロスト・メモリーズ』でチャン・ドンゴンは、日本語をとにかく音声として丸覚えしたのに対し、NHKの『聖徳太子』に出演したソル・ギョングは、文法から始めて、体系的に学びながら日本語の台詞に対応したという。語学に関心のある方々は、その効果の違いを聞き比べてみると面白いだろう。
【評価:★★★★★】
投稿者:たくやさん 投稿日:2002/5/14 19:19:14
はっきりいって全体的にこの映画は退屈という印象をあたえてしまう。というよりも『シュリ』や『JSA』を見たことある人ならば、絶対この映画を面白いとは思わないでしょう。しかしIDEAは非常におもしろいと思います。安重根という英雄を題材にしてるあたりなど・・・
そして、チャン・ドンゴンの努力はやはり考慮するべきでしょう。でも、ほかの韓国側の出演者の日本語には少し考えさせられてしまいました。
もう少しテンポの良いできだともっとよかったでしょう。
これからの日韓共同映画には期待しています。
【評価:★★】
投稿者:大西康雄さん 投稿日:2002/10/21 10:32:40
本作を見て直感したのは、これは「裏シュリ」だ、ということである。親しい人間に対する裏切り、同胞同士銃を向け合って殺し合わなければならない設定、銃器を使ったアクション、オーケストラによる重厚な音楽での雰囲気の盛り上げなど、『シュリ』と共通する点が多々ある。そして、敵を理解可能な存在として描いた点でも・・・
南北分断と対日感情が韓国にとっての二大懸案であるとするならば、『シュリ』、『JSA』等によって南北分断が描かれたあと、本作はまさに作られるべくして作られた映画だといえるかもしれない。
ただ、仲村トオル演じる西郷とチャン・ドンゴン演じる坂本は無二の親友という設定のはずなのに、西郷は「今度会うときは敵(かたき)同士だ」の一言であっさり坂本と敵対するようになるのはいただけないし、坂本にしても今まで信じていた価値体系が崩壊するわけだからもっと悩んでいいはずだ。とにかく『シュリ』、『JSA』に比べて心理的・感情的葛藤表現がなさ過ぎる。その代わりに(?)子役を登場させて感情表現を補っており、一定の効果があるのは認めるが・・・
ところで子役は、やはり韓国側が男の子、日本側が女の子で象徴されている。『純愛譜−じゅんあいふ−』でも、男性側が韓国、女性側が日本で象徴されていたし、『猟奇的な彼女』では、チョン・ジヒョン演じる「彼女」が日本を象徴するスポーツである剣道を行う場面がある。どうも韓国での日本のイメージは女性と結び付けられているように思われるのだが、どうだろう?
なお、本作はSF映画と謳われているが、SFというよりはちょっとオカルトがかっていると言ったほうが正確だろう。いったん時代が引き戻されたあと、引き戻される前の歴史をどう認識するのかなど疑問は尽きない。やはりムーダン(巫女)のお国柄なのか、そもそも韓国ではSFとオカルト/ファンタジーの境界線が非常にあいまいなように感じる。
ともあれ、小難しいことを考えず娯楽作として割り切れば十分に楽しめる映画であるし、最終的にはやはり「正義」が勝つことになるにしても、娯楽作品と割り切ってここまで「自虐的(?)」場面を映像化できてしまう韓国の対日意識の成熟ぶりを見せてくれる映画でもある。その分も評価して★★★★とする。
なお、チャン・ドンゴン以外の韓国人俳優の日本語がかなり下手だ、との指摘が既になされているが、DVD版を見る限り、チャン・ドンゴンに比較してさほどひどいとは思わなかった。JBI三浦班長役のキム・ウンスの日本語の実力は若干なまりが残るがかなりのものと思われるし、坂本の父親代わりだった朝鮮系日本人高橋班長役のシン・グもまずまず。ほかの端役の朝鮮系以外の日本人役に関しては、冒頭に登場する井上会館の会場監視係の日本語がかなりひどいことを除けば、日本人がやっているのか韓国人がやっているのか区別がつかなかったので、DVD版に向けてアフレコのやり直しがあったのかも?
ちなみに、DVDのデータは以下のとおり。
2002年9月(メイキング・ブック『Another Memories of Jang Dong Gun』付き限定版)、10月(通常版)Enter Oneより発行・販売。2枚組。収録フォーマット(本編ディスク):片面2層、スクイーズ、ビスタ(1:1.85)サイズ。音声:韓国語、ドルビー5.1/DTS。字幕:韓国語(韓国人対象と外国人対象の二種あり)/英語/日本語(パッケージに日本語字幕の表示なし)。本編収録時間:136分。リージョンコード:3(但し実際にはリージョン2プレイヤーで再生可なのでALLと推定される)。等級審議番号2002-DVD89。韓国観覧等級:12歳以上観覧可。メーカー希望価格:33,000ウォン(限定版)、27,500ウォン(通常版)。
限定版付録のメイキング・ブックは単独で買うと17,000ウォンという大部なものなので、メイキング・ブックがほしい人は限定版がお買い得。日本語字幕は文法的ミスはあまりないが、文字コードの関係か、漢字がところどころ「口」や「?」になっているところが散見される。また、ボーナス・ディスクにはチャン・ドンゴンの日本語台詞への悪戦苦闘振りが描かれたメイキング・フィルムなどが収録され、興味深く見られる。
【評価:★★★★】
『ロスト・メモリーズ』 −4つの銃口、歴史の点と線−
Text by 鄭美恵(Dalnara)
2004/3/23
自分の人生で、もしあの時ああしなかったらどうなっただろうと思うことがある。過去の岐路を思い返し、その選択が正しかったかどうか反芻する。誰でも考えるそんな「もし」。
もし、1909年、安重根の伊藤博文暗殺が失敗に終わっていたら……
そして2009年。朝鮮半島はまだ日本の支配下にあり、ソウルは日本第3の都市となっていた。朝鮮独立運動をくりひろげる組織が井上コレクション展を襲撃。日本特殊捜査局(JBI)の朝鮮系日本人・坂本正行(チャン・ドンゴン)と親友の西郷将二郎(仲村トオル)が鎮圧と捜査に当たった。そして坂本は捜査の過程で日韓の歴史の謎に迫っていく。
映画は歴史の「もし」を切り口に、ひとが心の底でほんとうに大切にしているものに気がつく過程を描いている。「ロスト・メモリーズ(失われた記憶、または失われた歴史)」を探し当てるまでが、自分が何のために誰のために生きるのかという自分のルーツ探しにも重なっている。
坂本が岐路に立って、選択を突きつけられて自分がいる場所を見直し、自分が守る人、自分が守るものに徐々に気付いていくプロセスに惹きつけられた。忘れていた自分の拠りどころを獲得するストーリーが、近未来を舞台にし、タイムマシンをめぐるアクション映画でありながら、自分探しのビルディングスロマン(成長小説)としても読めるから。
映画のなかでも振り返られる半島の歴史の道程は、あらためて胸が締め付けられるような思いを抱かせるが、それは日本も同じということが映画を観るとわかる。韓国が受けた辛苦だけでなく、敗戦の喪失感、被爆の痛み、自尊心のせめぎあいなど、日本が受けた苦しみや自国の歴史に対する思いが伝わってくるからだ。
それは、映画の舞台となった2009年だけでなく、日韓の二国間をも飛び越え時代も場所も超えて普遍的な話にならないだろうか。他国の歴史とそれに対する心情を理解し、おもんばかることを促されているようだ。
日本の第3の都市となったソウルを走るパトカーには「京城府警察」と書かれ、独立運動をくりひろげる朝鮮人は「不令鮮人」と呼ばれる。20世紀の歴史に書かれたそれらの固有名詞によって古傷がまた疼くような気分にもなるが、その刺激的な設定が映画を歴史の仮定でありながら、現実の歴史や歴史観とパラレルに照射する効果にもなっている。
最後の場面、4つの銃口が向き合うところでは、これは歴史の「もし」で映画だとわかっていながらも、クライマックスの緊迫感に圧倒された。歴史の点(事件)と線(道程)を意識できる映画だ。
『ロスト・メモリーズ』感想集
クリアファイル・プレゼントより
- チャン・ドンゴンさんの超大ファンです! この映画の日本公開を大変楽しみにしていました。あいにく、私の住んでる大分県では公開ないようで? 早速、福岡まで見に行くつもりです! 日本で見れるだけでも嬉しいです!!! 彼の日本語もとても楽しみ!
- VCDで一足先に、見てしまいました。日本についての描写が納得できませんでしたが、チャン・ドンゴンさん&仲村トオルさんの演技はとってもよかったと思います。
- 早く観たいです。あまり内容に関する情報を入れないで……
- 日韓のトップスター共演作品ということでたいへん期待しています。かなり斬新な物語設定も興味深く、すこし前までは韓国でも日本でもタブーとされていた内容に果敢に挑んでいると思います。今、このような映画ができたことで、日本と韓国の距離が一層近くなったことを感じずにはいられません。また、今後も、こうした共同制作映画を通じて、互いの国への理解が深まり、さらに友好的な関係が築いていければと思います。
- DVDで観ましたが韓国語がよく分からないので…… 楽しみに待っていました。ドンゴンさんの日本語と仲村トオルさんの韓国語、スクリーンで観るの楽しみです。
- チャン・ドンゴン、仲村トオル。この二人の存在感のあるキャラクターがどのように演じてくれるのかとっても期待しています。これからも国境を越えた作品が沢山作られ、互いの理解に役立つように願っています。
- 韓国の歴史に暗い影を落としている日韓併合の話題を映画にできるくらいにまでなったんだな〜と思いました。少し奇想天外なストーリーではありますが、銃撃戦の迫力や特撮、自国を守るための葛藤など俳優の演技にも注目です。特にチャン・ドンゴンが一生懸命話す日本語には感動しました。
- まだ見ていませんが、予告などを見る限り、強烈に大胆(!!)な物語ですね。今朝、仲村トオルさんがインタビューに答えて「日本人にこの物語が受け容れられるか心配」と仰っていましたが、私は逆に韓国人にこのストーリーがどう思われたのかのほうが興味があります。このようなストーリーの映画を日韓共作で作る日が来る、来た、ということだけでも素晴らしいことかもしれません。映画は必見です。
- チャン・ドンゴンさんのファンなので楽しみにしています。沢山の日本語のセリフに苦労されたとか、近くて遠い国だったのがこの頃どんどん近くなり文化交流が深まり嬉しく思います。前売り券をすでに購入してあります。初日に見に行きます。
- 坂本と西郷の強い友情が、2人の表情から感じることができ感動しました。
- チャン・ドンゴンの日本語が楽しみです。
- 日韓共演しかも、チャン・ドンゴンさんは仲村トオルさんから大きな影響をあた得られたと聴きぜひ!!!見にいきます。
- チャン・ドンゴンさんが話す日本語を楽しみにしています。仲村トオルさんがこの作品で韓国国内で賞を受賞したと聞いたのですが…… その演技を観るのも楽しみです。
- 日本公開を楽しみに待っていました。今年はチャン・ドンゴンが日本で絶対に大ブレイクすると思います。
- 今の私の気がかりなこと。それはこの作品が札幌でも公開されるかという事。「な〜んだ、それ」と思われるかもしれないけど、最近チャン・ドンゴンに夢中になり、彼について新しいこと(これまでの出演作品だったり、インタビューでこんな発言をしていた等どんな些細な事でも)を知るたびに喜びを知っています。共演の仲村トオルさんは日本の俳優さんなのでTVや雑誌などでこの作品について、韓国での撮影の方法について、などの話を聞けば聞くほど、これはぜひ観たいと思わざるを得ません。しかし、私の住まいは札幌。もちろん札幌でも色々な作品の上映はされますが、東京と横並びにならないのが現実。東京では3月末公開との事ですが、こちらではいつになるか。
- 仲村トオル、張東健最高!
- IF、伊藤博文が暗殺されなかったら、という近未来SFアクションと、いうことで、大変おもしろそうです。また、チャン・ドンゴンのセリフがほとんど日本語なので、そちらのほうも楽しみです。
- チャン・ドンゴンのファンなので観るのが楽しみです。どんな風に日本語を話すのかも興味しんしんです。
- 日本での公開待ってました。韓国で公開されてからかなり経ちますが、やっと日本に上陸。もっと多くの映画館で上映してほしいです。チャン・ドンゴンさんのファンになって2年。やっとドンゴンさんの主演された作品が今年、続々と公開されるので、うれしいです。ただ、私は岩手に住んでいるので『ロスト・メモリーズ』にしても今のところ公開されません。『ロスト・メモリーズ』を見るために東京まで見に行こうと思っています。もっともっと日本の各地で韓国の映画が多く公開されるのを期待しています。今月公開のため、我が愛車の窓ガラスには3月より『ロスト・メモリーズ』の日本版ポスターの縮小版を何枚も貼っています。岩手で公開予定はないですが、通りすがりのかたがたに少しでも『ロスト・メモリーズ』の存在を知ってもらえたらと思って……(『ブラザーフッド』の韓国版パンフレットも貼ってます)
- 大分前に観たのだが、物語的に不思議な設定の差各品で、観出してすぐビックリしましたが、最後迄「どうなるんだろう…」と言う興味を持って観ました。
- 『ロスト・メモリーズ』はDVDを持っています。昨年のドンゴンさん来日には青森から行きました。カッコ良かったです。韓国映画でありながら日本語がほとんどなのでわかりやすかったです。私は最後の坂本と西郷のシーンが印象に残ってます。ドンゴンさんの映画があと2本公開されます。青森まできてくれることを願っています^^
- 映画館で予告編を見て、久々にぞくぞくした気分になりました。主演2俳優の演技も渋くて、見ごたえありそうですね。
- とても、興味深いストーリー、かつ2大スターの競演となるととても楽しみです。しかし、いつの間にこの作品を撮り終えたのでしょうか? 韓国の開放政策が、どんどん進んでいる証拠かもしれませんね。ちょっと突飛なお話かなって感じはしますが、是非観たい1本です。待ち遠しいです。
- NHKのハングル講座でこの映画を少し見る事が出来ました。公開が楽しみです。「チャン・ドンゴンさんにもっとちゃんと日本語を教えてあげればいいのにー」と思いました。
- チャン・ドンゴンが日本語で演技をしているとのこと。楽しみです。
- チャン・ドンゴンさんが、最高にカッコいいです。日本語もとても上手でびっくりしました。ラストに感動しました! 男の友情って感じで…… 『友へ/チング』とは、また違う感じで良かったです。内容的に、日本人に受け入れにくいと思われていたようですが一つの作品としてとても良かったです。
- 先日試写会が当たったので見てきました。伊藤博文暗殺失敗という架空の出来事から始まることで、その後のすべてが歴史的に事実と異なるということで、架空の歴史的事象も大胆に設定してしまっているあたりがすごいと思いました。まったくの別世界やアクションなど、エンターテイメントとして楽しめるものだと思います。チャン・ドンゴンの日本語は彼の韓国語のドラマを見たことがあるせいか、とても幼く聞こえました。でも、朝鮮系日本人という役柄としても言葉の習得にしても難しいであろう分野に、努力し新たな境地を築いている姿に好感が持てました。
- チャン・ドンゴンさんが日本語の台詞に挑戦! 仲村トオルさんと競演!!お話の筋もたいへん興味深く、公開をとても楽しみにしています。母が『イヴのすべて』に(今更ながら?)相当ハマってしまい、ユン理事様のチャン・ドンゴンさんに夢中ですので、映画が公開されたら母と一緒に観に行こうと思っています。プレゼントがもし!当たりましたら、母にプレゼントします(笑)。
- チャン・ドン・ゴンさんのファンです。岩手ではいつ上映されるのかわかりません。是非、映画館でみたいです!!
- ストーリーはよく判らない部分もあったが設定としては面白いと思う。またチャン・ドンゴン氏が一生懸命日本語を話している姿にハラハラドキドキしたり、ちょっと笑えてしまったり。でも言葉よりも仲村トオルさんとの表情や目の演技が何よりも訴えるものがあり感動した。また銃を構える姿がかっこいい!これから韓国の映画をたくさん見てみたい。
- 私はこのDVDを韓国語バージョンですが購入してもってます。韓国語でかかれたメーキングブックとともにもってます。この作品が日本でみられるようになるなんて夢のようです。内容もすごくいいですし仲村さんもドンゴンさんも素晴らしい演技をなさっていてすごくいい作品です。たくさんのかたに観てもらいたいと思います。私も大画面のスクリーンでこの映画をみれることを楽しみにしています。自分の地方ではやらないのですが少し遠くまで足を運んで見てこようと思ってます。
- 韓国に留学していたとき、ビデオを借りて見ました。当時は、韓国語がほとんどわからなくて、日本語の部分だけで理解したつもりになっていました。日本で公開されたら、ぜひもう一度見たいと思います。チャン・ドンゴンさんの日本語がかわいらしかったのが記憶にあります。
- 韓国版DVDで観たことがあります。奇想天外な仮定を元にしたストーリーなのに、なぜかリアリティーがあるな、と思いました。仲村トオルさんの和服姿が、本当に素敵です。新潟公開予定がないのが寂しいです。お隣の山形も福島もあるのに。残念。
- この作品は東京国際ファンタスティック映画祭で観ました。斬新な設定でとても興味深い作品です。とにかく主役の二人がかっこいい!! ドンゴンさんの日本語もかなり上手でした。
- 今でも十分問題がある日韓なのに、あのまま日本の統治が続いていたらとはショックな発想で、とても興味がある映画です。俳優も見た目と実力が備わった日韓の俳優を起用していて是非見たいと思っています。ものすごく期待してます。
- 『ブラザーフッド』に続いて、韓国の戦争映画は注目だ。独自の民族性、歴史に裏ずけられる映画だけに、軽薄ではないズシリ感を覚える。やはり歴史のせいか。早く観たい!
- デビュー当時からの仲村トオルさんのファンです。仲村さんの韓国映画出演を機にハングルや韓国にも興味を持つようになり、今ですっかりはまっています。映画の設定を知った時は日本人としてドキドキしましたが(歴史問題を考えると)、ぜひ見てみたいと思っていました。今年やっと日本でも公開されるということで、とても楽しみにしています。
- この作品、韓国で封切りになった時からずっと待ってました。こんなに日本で公開されるまでに時間がかかるとは思ってもいませんでした。いつもサイトで確認をして、今月下旬から封切りになると知ったときはほんとに嬉しかったです。東京まで観に行きます!
- 3月公開と知り、ず〜っと楽しみにしていたのに、大阪は7月公開との事で、ショックを受けています。大阪では『ブラザーフッド』の方が先に公開されることになるんですね…… 待ちきれません!!
- チャン・ドンゴン格好いいですね!! 話の発端である、もしも伊藤博文が暗殺されていなかったら…… には、驚きました。日本の歴史が過去について振り切りすぎているのでしょうか、SFの形をかりて何を描こうとしているのか、早くみたいです。札幌では5月に上映なので、心待ちにしているところです。
- 仲村トオルさんの演技がよかった。チャン・ドンゴン氏より光っていました。
- ドンゴンさんが出演しているので絶対観たいのですがなんせ田舎なもんで今だ上映予定がないのです。早く観たいのに、寂しい。
- 日韓合作の作品が、たくさん増えると嬉しいですね。これからも、日韓の歴史に、目をそむけることなく、うまく融合させて欲しいですね。
- 過去の政治背景を軸に、近未来へと繋がる、構成がとても面白いと思います。日韓のそれぞれの想いも忠実に描かれていると思います。チャン・ドンゴンさんの日本語の上手さには脱帽です。一生懸命さが、そのまま坂本の演技となっているかんじがしました。また見たいです!!!
- 去年のファンタで観ました。かっこよかった。やっとまたスクリーンで会えます。二回は観ます。
- 一足早くDVDで観ました。ドンゴンさんの日本語の美しさにはビックリ!! 今度は、大きなスクリーンで迫力を楽しみたいです。
- チャン・ドンゴン氏の日本語台詞思ったより聞き取りやすかったです。「もしも〜だったら」が韓国人は好きだと聞いていたので考えられない、ありえない内容だったらどうしようかと思ったのですがスンナリ見れました。関係者の方が気にするほど「統治下」「独立」「反日」と言う言葉は気になりませんでした。それは私が日本人だからでしょうか……
- 初日に見に行きました。変えてしまった歴史を戻すと言うSTORYは面白いと思いました。坂本と西郷の友情も男クサくてよかったと思います。ただ、銃撃戦でJBIの人たちがたくさんやられてしまい、「そんなに死んだら職員いなくなるよ〜」と思って見ていたのは私だけでしょうか…… でも、チャン・ドンゴン氏がステキだったので許しちゃいます!
- 1月に前売券は購入したのですが、実はまだ見に行ってないのです。色々な書き込みとかを読ませていただいて、早く見たい気持ちでいっぱいなんですが。会社の40代の男性も、「伊藤博文」がキーワードになっているようで、とても行きたがっております。韓国カルチャーに特に興味があるようではないのですが……(^^;;
- 伊藤博文が生きていたら…… という奇想天外な発想はとても面白くて、途中までは「そうかもしれない」 「こういうこともありえたかも」と楽しみながらも納得して見ていましたが、後半SFチックなストーリーになってしまってからは、どうしてもありえない中途半端な展開に思えて感情移入が出来ませんでした。全体の長さも少し長すぎる気がしました。
- 日本が舞台ということで、非常に期待しています。ドンゴンの日本語がちょっと不安ではありますが、公開されたら1番に見に行こうと思っています。韓国在住の人曰く、この顔合わせを見た時とっさに「日韓ビーバップ対決か??」と思ったそうです。
- 何といってもチャン・ドンゴン氏の頑張りがすごいと思います。日本語の台詞はさぞ大変だったと思います。この映画の想定も興味深いです。歴史に「もし」はナシですが、こうゆう状況もありえたということも考えると映画のストーリとは離れて日本人としての恥かしさを改めて感じます。多くの映画館で観れたらいいんですけど。とにかく、ドンゴンオッパカッコイイ〜!!
- 純愛だけが韓国映画・ドラマでは無いと思います。『冬のソナタ』から『ラブストーリー』を見て韓流ブームに染まってしまった方にも是非見てもらいたいです。チャン・ドンゴンの日本語は努力の賜物です。
- チャン・ドンゴンさんの大ファンです。とても感動した作品のひとつです。
- とてもよかったです。もっと日本の映画やドラマに出演してください!!!
- 興味深いテーマなので、とてもたのしみです。ドンゴンさんの日本語が聞けるというのも、楽しみのひとつです。あと、もっと上映場所をふやしてもらえませんでしょうか?
- 決して素晴らしい作品だとは、張東健の熱烈なファンである私も思いません。でも、この映画には、これからの日韓映画を象徴する「何か」が感じられます。とりあえず、ドンゴンシ、日本語の訓練、お疲れ様でした。
- 残念ながら岩手では上映しない様なので仙台へ絶対見に行きます!
- 関西ではまだ公開されていないので、HP等の予告で我慢しています! 早く見たい!!
- 私はチャン・ドンゴンさんが大好きです。なのでこの映画を見たいのですがまだ、新潟で公開されてないので見れません!! なので公開されたら必ず見ます。チャン・ドンゴンさんが映画で見せてくれた日本語を早く聞きたいし見たいです☆
- まだ見れないところにすんでいるけど絶対に見たい。チャン・ドンゴンの日本語が楽しみ。
- 本編はまだ見ていません。予告を見ただけですがチャン・ドンゴンの日本語のうまさには驚きました。
- ドンゴンの日本語は、やっぱり駄目だ。仲村トオルはいい役者になったなあー。
- 実はまだ見ていません。地方在住で映画館もありません。しかし、チャン・ドンゴンの大ファンなので是非見たいと思います。
- ストーリー展開がメチャクチャなのは仕方がないとして、チャン・ドンゴンをはじめとする韓国側俳優の日本語がひどすぎた(仲村トオルの韓国語もあまり……なのかもしれないけど)。あんだけ長く日本の植民地になっていたならもう少しきれいな言葉を喋れるような気がする。昨今『フレンズ』を皮切りに合作が出てきているけど、何も日韓合作に拘る必要はないと思う。製作するのなら違和感のないよう(あまり感じられないよう)に徹底してほしい。
- 仲村トオルさんが賞を獲られた作品なので、期待してます。
- ストーリーや設定がおもしろかった。
- チャン・ドンゴンの若さが光った映画でした。銃撃シーンの迫力は、韓国映画お得意の目を離せない展開。にくい道具立てや、最後のシーンの出会いもハートにキュンと響きました。動くチャン・ドンゴンは、ものすごくかっこいいですね。仲村トオルさんとかなり年齢の差を感じました。
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