太陽はない
画像提供:CINECLICK ASIA(以下、同じ)
題名 英題 ハングル |
太陽はない City of the Rising Sun Our Sunny Days 태양은 없다 |
製作年 |
1998 |
時間 |
108 |
提供 製作 |
三星ピクチャーズ ウノ・フィルム |
監督 |
キム・ソンス |
出演 |
チョン・ウソン イ・ジョンジェ ハン・ゴウン イ・ボムス イ・ギヨル パク・チフン リュ・ヒョンギョン キム・ヨンホ ユン・ジノ クォン・テウォン キム・ジョンス イ・ボンギュ ハン・サンミ キム・テファン チェ・ソンジュン ムン・ソヨン キム・ヨンミン |
日本版 Video DVD |
なし |
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パンチ・ドランカーになってしまった三流ボクサーと、口からでまかせばかりのダメ男。社会の底辺で、明るい未来「太陽」を求めてもがき続ける若者の夢と挫折を描く。
一時はチャンピオンも期待された有望株ボクサーのドチョル(チョン・ウソン)だが、彼はパンチ・ドランカー症になってからは連戦連敗の三流ボクサーに落ちぶれてしまう。そしてボクシングをあきらめた彼は、新しい職を得ようと訪ねた興信所で、同年代のホンギ(イ・ジョンジェ)と出会う。ホンギは今に30億ウォンのビルを建てると大言壮語するが、夢を実現するためには競馬場に通うしかない。おまけに、借金の追い立てを苦にして詐欺をしたり、宝石商強盗をしようとしたりする半端者。ドチョルはこんなホンギにあきれながらも、二人は何時しかかたい友情を結ぶようになる。ホンギの部屋に同居するようになったドチョルは、ホンギがスターに育てるというモデルのミミ(ハン・ゴウン)と出会い、好感を持つが、彼女もオーディションで毎回落選する人生の敗北者。挑戦と失敗、そしてまた挑戦。若者たちの苦悩は続く。
アクション映画を得意とするキム・ソンス監督の第三作。監督の前作『ビート』と同じ製作陣で作られており、社会のメインストリームに入ることができなかった人物を描く点からも、『ビート』の延長線上にある作品といえる。ただし、チョン・ウソンの『ビート』、イ・ジョンジェの『若い男』が悲劇的な結末を迎えるのに対し、この映画のラストには「明日への希望」を感じることができる点が異なる。
人気男優チョン・ウソンとイ・ジョンジェのアクション対決が見物。撮影中は、あまりの激しい演技で負傷することも日常茶飯事。病院に駆け込むこともたびたびだったとか。
ヒロイン役のミミを演じるハン・ゴウンは、1977年3月10日生まれのモデル出身タレント。米国LAのファッション・インスティテュートFIDM卒で、1995年にスーパー・エリート・モデルに当選した美女。本作出演後は、『メディカル・センター』(2001,SBS)など主にテレビ・ドラマや番組MCとして活躍している。
後に日韓合作『夜を賭けて』に出演するユ・ヒョンギョン(柳賢慶:1983年11月11日生まれ)が、「リュ・ヒョンギョン」として、ホンギの母の娘役で出演している。全く知られていないが彼女のスクリーン・デビュー作は本作。この後、『深い悲しみ』、『マヨネーズ』(チェ・ジンシル演じるヒロインの中学生時代役)、『アウトライブ −飛天舞−』と出演し、『夜を賭けて』でヒロインを演じ日本でも名前を知られるようになる。
韓国では初めて映画広報用ミュージック・ビデオがこの映画で制作された。高速撮影(スローモーション)を多用した迫力満点のボクシング・シーンをはじめ、モンタージュやジャンプ・カットが生み出す斬新で洗練された映像、そしてバックに流れる1960年代ロックンロールと1990年代のテクノ音楽にも注目。
製作会社のウノ・フィルムは現サイダス。製作はチャ・スンジェ。脚本はシム・サンと監督のキム・ソンス。撮影はキム・ヒョング。照明監督はイ・ガンサンとチョン・ヨンミン。音楽はパク・ヨンとキム・ジェウォン。編集はキム・ヒョン。武術監督はチョン・ドゥホン。特殊効果はチョン・ドアン。
『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督、『ディナーの後に』のイム・サンス監督、『女校怪談』のパク・キヒョン監督、そして『イルマーレ』のイ・ヒョンスン監督、『KUMIHO/千年愛』のパク・ホンス監督がちょい役出演しているのが面白い。
1999年1月1日に封切られ、封切り後わずか10日でソウル20万人、全国50万人の観客を動員し大ヒット。最終的にはソウルで30万人以上を動員するヒットとなった(→「1999年韓国映画興行成績」)。この映画が製作された1998年当時は、韓国ではメロ映画が主流だったが、そんな時勢の中にあって、「男性映画」に男性が興味を示した結果か、通常の観客分布は男性3:女性7のところ、この映画は男性5:女性5の比率だったとか。
第7回(1999)春史映画芸術賞技術賞(キム・ヒョン:編集)、第22回(1999)黄金撮影賞銅賞(キム・ヒョング)・特別扮装賞(イ・ギョンジャ)、第35回(1999)百想芸術大賞シナリオ賞・人気賞(イ・ジョンジェ)、第19回(1999)映画評論家協会賞男子演技賞(イ・ジョンジェ)、第20回(1999)青龍賞男優主演賞(イ・ジョンジェ)受賞作品。
第2回(1998)富川国際ファンタスティック映画祭「ワールド・ファンタスティク・シネマ」部門、シネマコリア2003招待作品。
初版:1999/1
最新版:2003/3/30
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投稿者:あもんさん 投稿日:1999年5月30日(日)17時45分06秒
韓国を代表する二枚目俳優の二人が、三枚目的な役柄で登場する、笑いあり、アクションありの楽しい映画でした。
アクション映画というと、主人公の死や別れ、あるいは宿敵を打ち破ってのハッピーエンディングなど、誰もが極端な結末を予想しがちですが、この映画は主役の三人がやりきれない敗北感の中で平凡な日常生活に回帰する結末で、そこがかえって一般大衆に共感できる内容に仕上がっていると思います。
この映画のもう一つの功績は、女優ハン・ゴウンの発掘でしょう。彼女の美貌は韓国のそうそうたるタレント陣の中でもトップの座を争うに違いありません(主観ですが)。今後が楽しみです。
【評価:★★★】
投稿者:ことさん 投稿日:2003/3/31 14:20:46
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この映画を観て最初の感想は「格好良い!!」でした。音楽も良いし、テンポも良い。男性の観客数が多かったというのが分かるような気がします。
主演の二人の役柄は「パンチ・ドランカー症でボクシングが出来なくなり自暴自棄になってしまっている若者と、ど〜しようもなく情けないチンピラ」。どう見たって格好悪い二人なのに・・・ ダラダラと続いていく日常をなんとかしようともがく若者達。仕事を見つけても長続きせず、借金取りに追い掛け回され、格好悪いのに・・・ なぜ格好良いと感じてしまうのか。やっぱり主演の二人の演技力によるところが大きいと思います。
チョン・ウソンさんは『ユリョン』では正義を貫くヒーローでスマートだったのに、この映画ではとても素直で、まっすぐで、夢やぶれた捨て猫みたいで、すっごい可愛いかった。今の自分がどうしようもなく嫌いで、でも悪人にはなりきれない真面目な面との葛藤のようなものをうまく表現されていました。
そして、イ・ジョンジェさんはどうしようもない半端者。真面目にもなれないし、ホントのやくざにもなれない、毎日ブラブラ。母親にお金をせびりに行く息子。ホントはお金が欲しくて行くんじゃないのに・・・ 「ごめんよ」って言いたいのに「なにやってるんだ、自分!」という表情。
感情表現をとてもうまくできる俳優二人。プライベートでもお仕事でも息ピッタリの二人のコンビ最高でした!
毎回韓国映画を観て思うことは、韓国の俳優はホントに良い意味で私たちファンを裏切ってくれますね。私の韓国映画熱はまだまだ冷めそうにありません。
【評価:★★★★★】
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投稿者:ラブラブキムチさん 投稿日:2003/8/10 21:44:51
待ちに待った名古屋でのシネマコリア2003に今年初めて行ってきました。
『ラスト・プレゼント』でイ・ジョンジェさんの演技とあの輝く笑顔を見て以来、彼にはまってしまって最近では韓国語の勉強も始めてしまったという私です・・・ なんで今回はとにかくジョンジェさんにスクリーン上でもいいから会いたかったんで、今はとっても満足な気持ちでいっぱいです。
感想は、ラストがよかったのでそれまでのジョンジェさん扮するチンピラ?!のこれでもかっていうほどの情けない素行も丸く収まっちゃいました。ジョンジェさんはこういうちょっとダメ役をきっちり演ずる事ができるいい役者だと思います。
類トモの友情もここまで深くなるとカンドウしちゃいました。
【評価:★★★★】
投稿者:桔梗さん 投稿日:2003/8/11 18:36:30
チョン・ウソン氏にヤラれました(笑)。
『ユリョン』の凛々しい青年将校も素敵だったけど、やさぐれて焦燥感いっぱいで、不器用にしか生きられない・・・ そんな等身大の若者の役もよかったです。
1998年当時、私はソウルで生活してたこともあって、映画の中のBGM(オム・ジョンファの『背反のバラ』等)にもグググっと引きこまれてしまいました。
【評価:★★★★】
投稿者:たびこさん 投稿日:2003/8/14 15:48:54
ストーリーだけ読むと重苦しい感じがしますが、音楽とテンポのよさが、それを感じさせません。主役の二人は文句なくかっこいい!!
特にイ・ジョンジェさんはどうしようもなく薄っぺらなのに憎めない、そんな役どころを軽快に演じていて、並みいるビッグネームを抑えての主演男優賞は素直に頷けます。
先日初めてソウルにいったので、ごちゃごちゃした町並みも、その空気まで伝わってくるようでした。
【評価:★★★★】
投稿者:なくちさん 投稿日:2003/8/31 13:44:04
ジョンジェ命!の私が面白くない訳ないですね(笑)。
たとえジョンジェ・ファン、ウソン・ファンでなくても、あれだけのいい男が二人もいっぺんに観れるのですから、まさに★5つの「これを見ずに死ねるか!」がピッタリです。
ストーリーは見ていて辛くなるほどのダメ男を、見ていて切なくなるほどのイイ男(ジョンジェ)が演じることで更に深みを増していますね。
誰もが経験する「挫折」にぶち当たって落ち込んだ時、この映画を観て「自分だけじゃないんだ!」という勇気を貰える、本当に素敵な映画です。
【評価:★★★★★】
投稿者:kaoriさん 投稿日:2003/9/2 21:52:10
私が初めて観た韓国映画は『イルマーレ』でした。そして、実はイ・ジョンジェさんがあまり好きではありませんでした。なのに、何でこのイベント(=シネマコリア2003)に?・・・と思われるかと思います。
そんな私が、韓国映画をたくさん観るようになったきっかけはウォンビンさんでした。ウォンビンさんを知ってから、ドラマや映画、音楽など、いろいろな韓国の文化に触れて来ました。
そして、今回のシネマコリアで四作品を観たのですが、どの作品も甲乙つけがたい傑作でした。なかでも、私の中のイ・ジョンジェさんのイメージを一転して好印象にさせた『太陽はない』は、観てない方々にオススメしたいです。
『ラスト・プレゼント』でお笑い芸人役をやっても「いい所のボンボン風で自分を捨てられない感」を抱いていたのですが、この作品のイ・ジョンジェさんは役者です。これから、先入観なく、違った目で彼の活躍を見ることができそうです。ありがとうございました!
【評価:★★★★★】
投稿者:クマ太郎さん 投稿日:2003/9/1 00:04:48
大好きなチョン・ウソン、イ・ジョンジェが見れました。
楽しい二人の会話に、海でのじゃれあい。楽しめる作品でした。
これからもよろしくお願いします。
【評価:★★★★】
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