演劇やテレビ・ドラマで名を馳せてから、華麗にスクリーン・デビューする俳優が多い昨今の韓国映画界にあって、12年の長きにわたって端役、助演、主演と着実にステップアップしてきた、たたきあげの苦労人。端役であってもその存在感はピカイチで、各作品ごとになくてはならない配役を独特の雰囲気で演じる個性派男優。一言で言って「何をやらせてもウマイ俳優」。
大学二年生のときに演劇『ハムレット』のハムレット役で舞台にたつ。その後、大学の四年間でコメディ、悲劇、ミュージカルなどありとあらゆるタイプの演劇23作品あまりに出演したのが、彼の演技力の礎。大学三年生の1990年には『そう、たまには空を見よう』でスクリーン・デビューも果たす。
大学卒業後の1992年冬に徴兵で軍隊へ行き、1995年初めに除隊。なんのコネもない状態から再スタートし、『灼熱の屋上』、『銀杏のベッド』などの端役をこなす。端役時代の演技で日本人にも馴染み深いのは、『接続』でチョン・ドヨンへ配達物を返しに来る配達員役・・・と言えば、「あぁ、あの男優!」とイメージできる方も多いだろう。
その後も数多くの端役を確実にこなし、1998年の『陽が西から昇ったら』では、ついに助演と呼びうる配役をゲット。続いて出演した『太陽はない』ではイ・ジョンジェを追い掛け回す高利貸の取立て屋ビョングクを演じ、強烈な印象を残す。そして、この作品での演技が話題となり、以降は助演または主演級の配役でキャスティングされるようになる。
2000年の『アナーキスト』では初めて主演級の配役を手中にし、チャン・ドンゴン、キム・サンジュンと肩を並べる演技を披露。抜群の存在感を示した。また、同年の『なせば成る』では、爆笑コミカル演技を披露。この作品の演技により第21回(2000)青龍賞の男優助演賞にノミネートされた。
東京国際ファンタスティック映画祭2001で上映された『バンジージャンプする』では、イ・ビョンホンの大学生時代の友人役で友情出演し、ここでもコミカルな演技で会場の笑いを誘った。
2002年には『ジャングル・ジュース』でチャン・ヒョクと共演。初の主演で得意のゴロツキ演技を披露している。また同年公開された『ひとまず走れ!』では新米刑事を、『夢精期』では教育実習生の女性の憧れの的となる中学校の先生役を抜群の存在感で演じている。
2003年11月30日に、大学時代の同級生とめでたく結婚。
初版:2002/3/24
最新版:2002/9/17
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