マヨネーズ
題名 英題 ハングル |
マヨネーズ Mayonnaise 마요네즈 |
製作年 |
1999 |
時間 |
114 |
製作 製作投資 配給 |
シネ2000 シネマ・サービス シネマ・サービス |
監督 |
ユン・イノ |
出演 |
チェ・ジンシル キム・ヘジャ キム・ソンギョム クォン・ウナ ウォン・ミウォン キム・ユソク ムン・ヒウォン リュ・ヒョンギョン |
日本版 Video DVD |
なし |
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第2回文学村新人作家賞を受賞したチョン・ヘソンの長編ベストセラー小説の映画化。母娘の葛藤と和解を描いた作品で、監督は『バリケード』のユン・イノ。題名の「マヨネーズ」は、それが母親にとっては養毛剤であるのに、娘にとっては食品であるという母娘の考え方・価値観の違いを表している。
釜山で一人暮らしをしていた母親(キム・ヘジャ)が、ソウルに住んでいる娘アジョン(チェ・ジンシル)のアパートに突然やってくる。身重の体で夫と幼い息子の世話をしながら、保険勧誘員の自伝を代筆しているアジョン。多忙な娘は、糖尿病と高血圧で薬を飲んでばかりいる母親を哀れに思う一方で、子供のように甘えて不満ばかり言う母をうるさく感じ、彼女に対する幻滅感を思い出す。母親は夫(キム・ソンギョム)から愛を受けたことがなく、娘はそんな彼女に同情していた。しかし、夫が臨終の時、マヨネーズを頭に塗りたくって悪臭を放った母親の姿を見た瞬間、同情は幻滅に変わったのだった。その時から母親と娘の間にはしこりが残っており、娘は自分が母親になった今も自分の母親を理解できないでいた。
キム・ヘジャとチェ・ジンシルの母娘役での共演は、1998年のヒット・ドラマ『君と僕』に続いて2回目。母娘間の微妙な心理描写がメインなだけに、チェ・ジンシルはキム・ヘジャ宅に通って演技練習。高校生から30代の女性までを演じる。一方のキム・ヘジャは1981年の『晩秋』以来の映画出演だが、円熟の演技を披露。個人教授まで雇ってマスターしたという釜山なまりや、感情の起伏を表す「目の演技」が一級品。
「家族」を描いた地味な作品で、同日封切りの大ヒット映画『シュリ』の陰に隠れて目立たなかったが、中年女性観客を中心に興行的にもなかなか健闘した。
第9回アジアフォーカス・福岡映画祭 '99出品、第5回(2000)ケーララ国際映画祭最優秀観客賞、第35回(1999)百想芸術大賞人気賞(チェ・ジンシル)受賞作品。
初版:1999
最新版:2000/4/15
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【ソチョンの鑑賞ノート】
1999年3月31日、ソウルのイス劇場で鑑賞。
この映画は見事に玉砕しました。あまりに台詞が聞き取れないので、見終わった後は「またまた韓国語のヒアリング能力が落ちてしまったぁ」とボーゼンとしてしまいました。基本的に早口で、母親役のキム・ヘジャが釜山なまりで聞き取りにくいというのもあるのですが、それよりもなによりもこの映画は演劇によくある二人芝居の形式を取っていて、舞台は一部の回想シーンを除いてほとんどアパートの中。とにかく直接台詞を拾えないと、どういうストーリーなのか全然分からないというのが決定的でした。逆に言えば、普段如何に映像から台詞の内容を類推しているかを思い知らされる映画でした。という訳でこの映画についてはちょっと何も書けませんね。ただ、全然聞き取れていないのにこんな事を書くのは変ですが。台詞が分かったら実はすごくいい映画じゃないか?という予感はします。かなり単調な映像の割には最後まで飽きることなく見ていましたから。
この映画でチェ・ジンシルは実年齢相応の子持ちの奥さんを演じているのですが、すごく普段着の演技で好感を持ちました。ちなみに『手紙』では女子大生を演じていましたが、この映画では回想シーンでお下げ姿の高校生にもチャレンジしてます。そこから更に若い役(中学生くらい)はサスガに別の役者が演じてましたが。
1999年5月8日執筆
【追記】
第9回アジアフォーカス・福岡映画祭 '99で日本語字幕付きを鑑賞。
母娘の心の葛藤を描くというテーマ、そして演劇でしばしば見受けられる二人芝居の形式の映像と、どこまでも地味な作品。しかし、キム・ヘジャ演じる母親の言動に自分の母親の姿をシンクロさせられた者には静かな感動を呼び起こす作品でもある。
1999年9月20日執筆
投稿者:SUMさん 投稿日:1999年11月8日(月)18時23分32秒
韓国でも『父』や『A+生』など父を描いていて成功した映画はあるが、「母」はどうだろう。案外「母性愛」だけでない「母」と「娘」を描いた映画は世界でもそんなに多くはないような気がする。タイプはまるで違うけれども、『秋のソナタ』以来、久々に「こういうタイプの映画は少ないかも知れない」、そう思った。素直に感動できた。
【評価:★★★★】
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