1999年韓国映画興行成績
概要
データの出所は『韓国映画年鑑』(映画振興委員会)の2000年度版です。
1998年末に公開されヒットした『約束』,『陽が西から昇ったら』,『美術館の隣の動物園』の3作品は1999年にも上映が継続されましたので、1998年中の動員数も含んだ最終動員数を記しています。従いまして「1999年に公開された韓国映画」のランキングを見る場合は、これら3作品を除外してください。また、1999年末に公開された『ハッピーエンド』,『蜂の飛行』,『少女たちの遺言』の三作品は2000年にも上映が継続されています。
● シュリ
さて、1999年の大事件はなんといっても『シュリ』です。韓国における歴代最高興行記録をたたき出したこの作品は、観客の韓国映画に対する信頼感を取り戻したのに加え、投資者には「韓国映画は銭になる」という認識をもたらし、『シュリ』以降、韓国では「映画の企画の数」より「投資したいと申し出る人の数」のほうが多くなるという活況を呈するに至ります。そして、日本でもヒットした『シュリ』は、それまで極々マイナーな存在だった「韓国映画」を日本の映画ファンに認知させ、配給会社にも「韓国映画も商売になりうる存在」だということを気づかせます。
そして、近年目立ってきている、韓国映画の大型化、製作費の上昇、商業性の強化、合作などの国際化、外国へセールする際の価格の高騰といった現象は、(功罪とりまとめて)『シュリ』の影響が小さくありません。これから韓国映画がどのような展開を見せるかは分かりませんが、20世紀末に『シュリ』というとてつもない映画があったことは韓国映画史に深く刻み込まれるのは間違いありません。
● 大ヒット作
1999年は『シュリ』一本ではなく、『アタック・ザ・ガス・ステーション!』、『カル』、『NOWHERE 情け容赦無し』が観客動員50万のラインを突破。大ヒットしました。1997年には『接続』と『手紙』が、1998年には『女校怪談』と『約束』が50万をこえましたが、合計四本もの作品が50万以上の観客を動員したのは、1999年が初めてです。
● 日本公開作
1999年の作品では『シュリ』、『カル』、『美術館の隣の動物園』が日本公開済みで、『イエローヘア』がビデオ発売済み。映画祭で紹介された作品には『NOWHERE 情け容赦無し』、『ハッピーエンド』、『建築無限六面角体の秘密』、『我が心のオルガン』、『マヨネーズ』、『虹鱒』、『蜂の飛行』などがあります。そして、『アタック・ザ・ガス・ステーション!』、『ユリョン』、『怪獣大決戦ヤンガリー』は2001年公開予定作。これらの作品が日本でどの程度の成績をあげるのか、楽しみですね。
初版:2000/12/9
1999年韓国映画興行成績(ソウルのロードショー館基準)
順位 |
題名/下段は原題 |
監督 |
動員数 |
1 |
シュリ |
カン・ジェギュ |
2,448,399 |
2 |
アタック・ザ・ガス・ステーション! ガソリンスタンド襲撃事件 |
キム・サンジン |
905,500 |
3 |
約束 |
キム・ユジン |
704,600 |
4 |
カル tell me something |
チャン・ユニョン |
685,935 |
5 |
NOWHERE 情け容赦無し 人情事情お構いなし |
イ・ミョンセ |
664,861 |
6 |
ハッピーエンド |
チョン・ジウ |
413,998 |
7 |
美術館の隣の動物園 |
イ・ジョンヒャン |
412,472 |
8 |
愛のゴースト チャグィモ |
イ・グァンフン |
362,935 |
9 |
ユリョン 幽霊 |
ミン・ビョンチョン |
347,965 |
10 |
リング |
キム・ドンビン |
332,354 |
11 |
太陽はない |
キム・ソンス |
329,778 |
12 |
ヨンガリ → 怪獣大決戦ヤンガリー |
シム・ヒョンネ |
317,306 |
13 |
建築無限六面角体の秘密 |
ユ・サンウク |
177,729 |
14 |
SPY リー・チョルジン 北朝鮮から来た男 スパイ リ・チョルジン |
チャン・ジン |
172,474 |
15 |
我が心のオルガン |
イ・ヨンジェ |
148,494 |
16 |
陽が西から昇ったら |
イ・ウン |
145,752 |
17 |
ラブ 最愛の人 ラブ |
イ・ジャンス |
145,242 |
18 |
イエローヘア 黄色い髪 |
キム・ユミン |
117,941 |
19 |
新装開店 |
キム・ソンホン |
100,915 |
20 |
マヨネーズ |
ユン・イノ |
95,875 |
21 |
少女たちの遺言 女高怪談 二番目の物語 |
ミン・ギュドン キム・テヨン |
94,405 |
22 |
恋風恋歌 |
パク・テヨン |
92,574 |
23 |
ホワイトクリスマス 恋しくて、逢いたくて カラー |
ソン・ヘソン |
64,347 |
24 |
イ・ジェスの乱 |
パク・クァンス |
56,913 |
25 |
世紀末 |
ソン・ヌンハン |
39,636 |
26 |
ドクターK |
クァク・キョンテク |
30,843 |
27 |
ダンスダンス |
ムン・ソンウク |
27,920 |
28 |
ホワイト・バレンタイン |
ヤン・ユノ |
26,343 |
29 |
疾走 |
イ・サンイン |
17,355 |
30 |
北京飯店 |
キム・イソク |
15,847 |
31 |
山銭水銭 |
ク・イムソ |
15,844 |
32 |
鉄人四天王 |
キム・ヒョク |
9,315 |
33 |
虹鱒 |
パク・チョンウォン |
8,578 |
34 |
サミャン洞精肉店 |
シン・ジョンギュン |
6,823 |
35 |
A+生 |
チョン・ギルチェ |
6,173 |
36 |
ハウドゥン(夏雨燈) |
キム・シオン |
3,884 |
37 |
やくざ修業2 |
チョ・ソング |
3,683 |
38 |
蜂の飛行 蜂が飛ぶ |
ミン・ビョンフン ジャムシェド・ウスモノフ |
1,367 |
39 |
顔 |
シン・スンス |
1,089 |
40 |
成春香伝 |
Andy Kim(キム・ユン) |
985 |
41 |
カリスマ |
キム・ドゥヨン |
862 |
42 |
剽窃 |
ユン・サミュク |
483 |
43 |
ユリシーズ |
オ・ユノ |
472 |
44 |
ルート7 |
ソク・トウォン |
109 |
45 |
パパラッチ |
チェ・ヤソン |
98 |
【参考資料】
1999年に韓国で公開された外国映画は239作品(前年より公開継続された作品を含む)。外国映画の興行成績トップは『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』(1,114,916人)、第2位は『マトリックス』(897,882人)、第3位は『シックス・センス』(797,761人)、第4位は『ターザン』(726,542人)、第5位は『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』(746,654人)。
解禁後の日本映画の興行成績
公開日 |
題名 |
動員数 |
1998年12月5日 |
HANA-BI |
37,771 |
1998年12月12日 |
影武者 |
57,777 |
1999年5月1日 |
うなぎ |
52,994 |
1999年10月30日 |
楢山節考 |
42,510 |
1999年11月20日 |
Love Letter |
599,350 |
1999年12月11日 |
リング |
56,983 |
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