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第38回(2001)大鐘賞


概要

 韓国のアカデミー賞といわれる大鐘賞。2001年で38回を数える同賞ですが、今回は「映画人と観客が一緒に作る」をモットーに大幅リニューアル。既存の授賞式に加えて、ノミネート作品の上映会や各種イベントを追加し、映画祭形式で開催されました。日程は下記の通りです。

開催期間 2001年4月20日(金)〜25日(水)
開幕式 4月20日(金) ソウル劇場にて
 ※ オープニング作品は『パイラン』
候補作上映会 4月21日(土)〜24日(火) ソウル劇場にて
 ※ ティーチ・インつき
授賞式 4月25日(水) 世宗文化会館大講堂にて

 その他、今回の特徴としては次のような点があげられます。

  1. これまで事ある毎に対立していた守旧派の韓国映画人協会と若手革新派の映画人会議が共同主催。昨年まで韓国映画人協会が主催していた既存の「大鐘賞授賞式」と、昨年から映画人会議が始めた「韓国映画祝祭」(韓国映画を上映する映画祭)をドッキングさせ、映画祭形式で開催。
  2. 審査委員も韓国映画人協会と映画人会議から5名ずつ選定。
  3. 映画上映会では障害者や外国人のために、ハングル字幕や英語字幕がついたプリントでの上映も行われた。
  4. 例年、予備審議を通過した一部の作品のみを本審議で審査していたため、審査の公平性に疑問符が投げかけられていたが、今回は、全出品作を同じテーブルにあげて受賞作を決める「単独審議制」に変更し、審査の透明性を高めた。
  5. 出品作品は、長編37本、短編5本、ドキュメンタリー4本、アニメーション5本の合計51作品。
 大鐘賞のホームページはこちら


受賞作品/人物

【賞名】 【作品名/人物】 括弧内は対象作品名
作品賞 『JSA』
審査委員特別賞 『エンジェル・スノー』
監督賞 ハン・ジスン(『エンジェル・スノー』)
主演男優賞 ソン・ガンホ(『JSA』)
主演女優賞 コ・ソヨン(『エンジェル・スノー』)
助演男優賞 チョン・ウンピョ(『キリマンジャロ』
助演女優賞 ユン・ソジョン(『エンジェル・スノー』)
新人監督賞 イム・サンス『ティアーズ』
新人男優賞 リュ・スンボム『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』
新人女優賞 イ・ウンジュ『秘花 〜スジョンの愛〜』
脚本賞 コ・ウンニム(『バンジージャンプする』
撮影賞 ソ・ジョンミン(『リベラ・メ』
照明賞 シン・ジュナ(『リベラ・メ』)
編集賞 パク・スンドク(『リベラ・メ』)
音楽賞 ファン・サンジュン(『燃ゆる月』
美術賞 キム・サンマン(『JSA』)
音響賞 キム・ソグォン(『JSA』)
特殊効果賞 チョン・ドアン(『リベラ・メ』)
企画賞 イ・ミヨン(『Interview』
衣装賞 キム・ミニ(『アウトライブ −飛天舞−』
新人技術賞 イ・フゴン(撮影,『バンジージャンプする』)
短編映画賞 『理髪店の異氏』
ドキュメンタリー賞 『パンジーと蔦』
アニメーション賞 『パパと私と』
映画発展功労賞 ユ・ジェヒョン(撮影)
マ・ヨンチョン(照明)
人気賞 イ・ビョンホン
シム・ウナ
審査委員
委員長チョン・ジヌ(映画監督)
委員ピョン・ジャンホ(映画監督)
イ・チョリョク(映画音楽協会会長)
アン・サンイル(撮影監督協会会長)
マ・ヨンチョン(照明監督協会会長)
ハン・サンジュン(釜山国際映画祭韓国映画プログラマー)
イ・ミョンイン(映画評論家)
ファン・チョルミン(世宗大学映画芸術学科教授)
ヤン・ユンモ(映画評論家)
キム・ハジョン(SBSコンテンツ事業本部映画チーム次長)
 「韓国のアカデミー賞」と呼ばれる第38回大鐘賞の授賞式が、4月25日、ソウルの世宗文化会館大講堂にて開催されました。

 授賞式は、大鐘賞の広報大使であるアン・ソンギチョン・ドヨンの挨拶に始まり、ユ・ジョンヒョン、チョン・ジヨン両アナウンサーの司会のもと、SBSで全国中継されました。

 作品賞を受賞したのは、2001年5月26日より東宝洋画系で全国公開される『JSA』。昨年記録的な大ヒットとなり、年末の青龍賞では、最優秀作品賞など五冠を達成した本作は、大鐘賞でも作品賞に加え、主演男優賞(ソン・ガンホ)・美術賞・音響賞を受賞し、四冠を独占しました。また、この作品で主役を演じたイ・ビョンホンは、ファンの投票によって選出される人気賞を受賞。ソン・ガンホとイ・ビョンホン、日本ではどちらがより人気者になるでしょうか?

 なお、主演男優賞はソン・ガンホのほか、イ・ビョンホン、そして大鐘賞開催期間中に『シュリ』や『JSA』を上回るペースで大ヒットを続けていた『友へ/チング』ユ・オソンチャン・ドンゴン等の争いになりましたが、まずはソン・ガンホの貫禄勝ちといったところでしょうか。ちなみに、当のソン・ガンホですが、主演男優賞受賞の弁で「トロフィーの半分は映画で共演したイ・ビョンホンのものだ」と発言し、客席に降りてイ・ビョンホンの手を両手で握り締めたそうです。映画の中でも、そして私生活でも義理堅く、兄貴肌のソン・ガンホらしいエピソードですね。

 さて、準グランプリとも言える審査委員特別賞を受賞したのは、出産後たった一日しか生きられない赤ん坊を宿した夫婦の愛と葛藤を描いた『エンジェル・スノー』。この作品は、韓国で今年1月に公開され、そこそこヒットしたメロ・ドラマですが、大鐘賞では監督賞(ハン・ジスン)・主演女優賞(コ・ソヨン)・助演女優賞(ユン・ソジョン)といった主要四部門で受賞。大変な成果を上げました。監督のハン・ジスンは、これが3作目ですが、心地よく笑わせ、最後にはしっとりと泣かせてくれる分かりやすいドラマを得意とする若手監督です。ちなみに、ハン・ジスン監督ですが、大鐘賞での受賞と前後してシンガーソング・ライターのノ・ヨンシム(盧英心)との結婚を発表し、まさしくおめでた続き。これまでは、どちらかというと大衆には支持されても、評論家筋からは評価されない監督でしたが、監督賞も受賞し、今後の活躍が期待されます。

 『エンジェル・スノー』の演技で主演女優賞を受賞したコ・ソヨンは、韓国ではシム・ウナチョン・ドヨンと並び称されるビッグ・ネームですが、これまではなぜか映画賞に縁のなかった女優。今年、米アカデミー賞では、ジュリア・ロバーツが3度目のノミネートでついに栄冠を手にしましたが、韓国ではコ・ソヨンが念願の主演女優賞を受賞。似たような現象は続くものですね。ちなみに、コ・ソヨンは『JSA』にもブロマイドでほんのちょっぴり出演しています。お楽しみに。

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2001でプレミア上映され、そのド派手な火災シーンが話題となったディザスター・ムービー『リベラ・メ』は、撮影賞・照明賞・編集賞・特殊効果賞と技術系四部門を独占。この作品は大鐘賞に先立って開催された第37回(2001)百想芸術大賞でもグランプリを獲得しており、2000年を代表する韓国映画の一つとなりました。

 新人部門では、日本公開作『ディナーの後に』でデビューしたイム・サンスが第二作の『ティアーズ』で新人監督賞を受賞。また、新人女優賞は第13回(2000)東京国際映画祭で上映された『秘花 〜スジョンの愛〜(映画祭上映時のタイトルは『オー! スジョン』)』のイ・ウンジュが、新人男優賞は『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』のリュ・スンボムが受賞しました。ちなみに、リュ・スンボムは『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』の監督であり主演のリュ・スンワンの実の弟で、劇中でもリュ・スンワンの弟役を演じています。

 ファンの投票によって選ばれる人気賞ですが、男優は前述の通り『JSA』と『バンジージャンプする』で主役をはったナイス・ガイ、イ・ビョンホンが、女優は最近仕事を全く入れないため結婚引退説がささやかれているシム・ウナが受賞しました。

 一方、韓国で『シュリ』,『JSA』を上回るペースで大ヒット中の『友へ/チング』は意外にも無冠。また、2001年上半期の秀作として挙げられる『バンジージャンプする』も脚本賞と新人技術賞を受賞するにとどまりました。

 さて、華やかに幕を閉じた大鐘賞ですが、今回も運営上の問題が噴出。特に新人監督賞のイム・サンス、男女助演賞のチョン・ウンピョとユン・ソジョン、人気賞のシム・ウナなど受賞者が欠席したのはなんとも残念。主催者側の説明では「審査の公平性のため、授賞式の現場で誰が受賞するのかを決定/発表した、つまり事前に受賞者に連絡ができなかったために、このような事になってしまった」とのことですが、逆に言うと、映画人なら誰もが参加するのが当たり前の映画賞になっていないという事実を露呈した格好になりました。他にも授賞式当日の進行の段取りが悪いなど、問題山積。是非、来年には解決してもらいたいところです。


第38回大鐘賞受賞作、日本公開スケジュール(2001/5/5現在)
作品名 公開予定
『JSA』 2001年5月26日より東宝洋画系にて全国公開
『エンジェル・スノー』 第15回福岡アジア映画祭2001にて
 『ハル(一日)』という題名で上映
『アウトライブ −飛天舞−』 日本公開予定作
『リベラ・メ』
『燃ゆる月』
『Interview』
『秘花 〜スジョンの愛〜』 第13回(2000)東京国際映画祭にて
 『オー! スジョン』という題名で上映
『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』 TOKYO FILMeX 2000にて上映
『バンジージャンプする』  
『キリマンジャロ』  
『ティアーズ』  


【付記】

 本文で「運営上の問題が噴出」と書きましたが、今回最大の問題とされたのは授賞結果です。具体的に言うと、韓国のマスコミや映画ファンが疑問視したのは、大ヒット中で『JSA』と各賞を競い合うだろうと思われていた『友へ/チング』が無冠に終わり、公開時は評壇からそれほど高い評価を得られず、かつそこそこのヒットにしかならなかった『エンジェル・スノー』が主要四部門を独占したということ。また、授賞式前日までは『友へ/チング』のユ・オソンが圧倒的な票差でトップだった人気賞が、当日には『JSA』のイ・ビョンホンに授賞されたことや、審査委員長が審査中にチョン・ジヌ監督からピョン・ジャンホ監督へ変わったことにたいする説明がなかったことなども、明確な問題点として指摘されました。

 そして、授賞式終了後の5月には、審査結果が論議の的となり権威失墜につながった責任をとり、共同主催の映画人会議が執行部の総辞職を発表。もう一方の韓国映画人協会理事も辞任を匂わせるなど、荒れ模様が続いています。そもそも今回の大鐘賞の最大の特徴は、「これまで事ある毎に対立していた守旧派の韓国映画人協会と若手革新派の映画人会議が共同主催」し、両団体の和解を促進させたことだったわけですが、なにやらそれも雲行きが怪しくなってきました。

 ただ、いかにマスコミや映画ファンから叩かれたからといって、自らの代表として選出した審査委員が一定のルールの中で決定した結果が「間違いであった」と認定するような行動を取るのはいかがなものかとも思います。映画賞には主催団体のポリシーが反映されてしかるべくで、それが世論と多少の違いはあってもなんら問題はないと思うのですが・・・

 とまれ、それだけ大きな注目を浴びている大鐘賞。来年はよりよい形での開催を望みます。

初版:2001/4/27
最新版:2001/5/8


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