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Interview


題名
英題
原題
ハングル
Interview
Interview
インタビュー
인터뷰
製作年 2000
時間 108
127(釜山映画祭版)
製作
配給
シネ2000
シネマ・サービス
監督 ピョン・ヒョク
出演 シム・ウナ
イ・ジョンジェ
チョ・ジェヒョン
クォン・ミンジュン
キム・ジョンヒョン
ヤン・ウニョン
イ・ドッチン
チャン・ホイル
日本版
Video
DVD
字幕版Video
吹替版Video
DVD

 ドキュメンタリー作品を製作する若者の話に実際のインタビュー場面を混ぜたドキュメンタリー&フィクションの実験作。ドキュメンタリーのインタビューを通して「真実」を捉えようとする映画監督志望生の話を描く。

 フランスで映画の勉強をしてきたチェ・ウンソク(イ・ジョンジェ)が、大勢の人達に「愛」についてインタビューをしている。その答えをまとめて愛に関するドキュメンタリー・フィルムを完成させるのが目的だ。ある日、プロデューサーのビョングォン(チョ・ジェヒョン)が経営するカフェでインタビューが行われ、映画俳優ミンジュン(クォン・ミンジュン)と彼女の友人で美容室で働くイ・ヨンヒ(シム・ウナ)がインタビューの対象になる。ビョングォンはミンジュンに関心を持つが、ウンソクはヨンヒの話が気になる。最初は彼女に対して客観的な関心を持っていたウンソクだが、それはいつしか個人的な感情に発展する。しかし、彼のカメラが捉えていたヨンヒは・・・

 実際にパソコン通信と手紙で大勢の人からラブ・ストーリーを公募し、その中から選んだ何名かにインタビューを敢行。他にも小説家イ・ウェス、俳優チュ・サンミ、紫雨林のキム・ユナら有名人も自らの恋愛体験談を披露するインタビューに応じた。

 フランス国立映画学校(FEMIS)出身のピョン・ヒョク監督の長編映画デビュー作。彼は短編映画『ホモ・ビデオクス』などで以前から注目を受けていた人物。脚本は監督のピョン・ヒョクとクォン・ヨングク、オ・ヒョルリ、チョン・ジヌァンの四人による共同執筆。製作者はイ・チュニョン。プロデューサーはイ・スンジェとイ・ミヨン。撮影はキム・ヒョング。照明はイ・ガンサン。シム・ウナが現代舞踊家役で出演しており、艶やかなダンスを披露しているが、彼女の踊りの振り付けをしたのは、高名な現代舞踏家アン・ウンミ。

 『トゥー・カップス3』の女刑事役でデビューしたクォン・ミンジュンがシム・ウナの友人の女優「クォン・ミンジュン」を演じている。『ハリウッド・キッドの生涯』で主人公の高校生時代を演じたキム・ジョンヒョンが助監督ミンス役で出演。彼は『俺の所へ来い』(1996)、『彼は私にチータを知っているかときいた』(1997)などにも出演している。015Bのメンバーとして有名な歌手のチャン・ホイルが、プロデューサーのジェヒョク役で出演しているほか、この映画の映像を編集して自分のバラード曲『告白』のミュージックビデオを製作して話題となった。パリで撮影したポスターが公開前から大人気となった。

 映画製作に関する誓い「ドグマ95」で有名なデンマークのドグマ財団が、この映画に「ドグマ映画」の認証書を授与し、アジア初のドグマ映画となった。ドグマ映画としては通算7本目となる。

 第1回(2000)全州国際映画祭「韓国映画長編」部門、第5回(2000)釜山国際映画祭「新しい波」部門、第25回(2001)香港国際映画祭出品作品。

 釜山国際映画祭で上映されたのは127分のインターナショナル・バージョン。日本では108分の韓国国内公開版が公開された。インターナショナル・バージョンと韓国国内公開版とではエンディングが大きく異なっている。ちなみに、韓国で発売されている本作のDVD(リージョンALLで日本語字幕付)は約125分なので、釜山国際映画祭で上映されたロングバージョンと思われる。

 第1回(2000)釜山映画評論家協会賞新人監督賞(ピョン・ヒョク)、第38回(2001)大鐘賞企画賞(イ・ミヨン)受賞作品。

初版:2000/4/15
最新版:2001/12/8



投稿者:SUMさん 投稿日:2002/3/10 00:01:57

 ドキュメンタリーとフィクションを対比させながら、登場人物の嘘と真実を対比させつつ、時間の前後も再構築して、対比されたものの「境界線」に迫っていく試みは成功している。ただ、「愛」を追いかけて野心的な割に、フィクションで描かれる愛の形がいささか類型的なのが残念。

 構成が緻密な割に素直に見られるわかりやすい映画というのは良いことでもあり、物足りない点でもあり。

【評価:★★★★】



投稿者:iwakoさん 投稿日:2002/3/22 12:10:25

 ここ数年でかなり気に入った映画の一本です。理由は二つあります。一つは主演のイ・ジョンジェ(姿形理想のオトコだ!)、もう一つは映画自体の良さ。四回みましたが、一番最初にみた時が一番よかったですね。当然、回を重ねると欠点もみえてくるから。

 愛を失って傷ついた女性と愛に懐疑的な男性(監督ウンソクのメンタリティはこうだと思います)が出会って、恋に落ちる。こういう話をどうやって映画で撮るか。いろいろなやり方が考えられると思いますが、ただ女と男が出会って、お互いの過去や現在の状況を説明し、お話が進んでゆくのだったら大しておもしろい映画にはならなかったのではないか。これをピョン・ヒョク監督は劇中でドキュメンタリー製作という現場を重ねて、時間を意図的に戻し、進めして二人の物語を語ってくれています。全く斬新という手法ではないと思いますが、私にはこのやり方がひどく気に入ってしまいました。

 ウンソクのパリでの映画撮影のシーンが、ヨンヒが死んだ恋人の墓に詣でるシーンと重なったりする所とか、特にラスト、編集室のすべてのモニター画面にヨンヒが踊る姿が映し出され、それをウンソクがみつめるシーン。すべてを知ったウンソクに過去の美しい記憶がよみがえる。いいですね。ヨンヒにウソをつかれていたとわかって、くやしまぎれにボードをたたいた時、大事なタルコフスキーの墓の写真が落ちる。それには「彼は真実を追究しているのだろうか」という書き込み。こんな所は「監督」がとても映画青年らしくほほえましい。この場合の「監督」は映画上でのウンソクとピョン・ヒョク監督の両方です。

 ドグマ95では音楽は使わないという項目がありますが、この映画ドグマ95といわれながら音楽が出てくるけれど。ジョルジュ・ブラッサンス作のあの歌は私好きです。私は「フランスに憧れる東洋人・・・」というのは意識しなかったです。

【評価:★★★★★】


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