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投稿者:SUM さん 投稿日:2000年9月17日(日)21時05分10秒 韓国のタランティーノと言ってしまいましょう。 ブラックな映画。映像のリズム感も、まくし立てるような無意味なセリフも、笑えて、笑えて、ノックアウトされました。
【評価:★★★★★】 【ソチョンの鑑賞ノート】TOKYO FILMeX 2000 で字幕付きを鑑賞。2000年最後の韓国映画鑑賞となりましたが、面白かったです。今年見た作品の中では、大ベテラン、イム・グォンテクの『春香伝』、それに新人ポン・ジュノの『ほえる犬は噛まない』が出色の出来でしたが、この『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』の監督リュ・スンワンも「新しい才能の出現」を感じさせるものでした。そして、それは『メイド・イン・ホンコン』を見た後に感じたのと同レベルの物でした。 『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』は見る人によって評価が分かれるようで、私の知り合いでも「全然駄目!」と、けなす人が結構いるのですが、それはバイオレンス部分に拒否反応を示すか、アクションはジャッキー・チェンを、映画全体の雰囲気はタランティーノをそのまま踏襲しているだけ、すなわちオリジナリティがないとみなすかのどちらかのようです。 確かにそういう部分もあるのですが、そういった欠点を補って余りあるのが第三話の『現代人』。刑事とチンピラの格闘の合間に、二人へのインタビューが織り込まれるという斬新な手法で撮影されているのですが、このインタビュー部分での台詞は本当に考えさせられます。「夢なんてない。」 「ほどほどに生きるのが良いんだ。」 閉塞感漂う現代社会の中で出口を見つけることができない若者達の苦悩、一見韓国特有の社会状況を描写しているだけのように見えますが、実はどこの国の若者も似たり寄ったりの感覚を持っているはずで、この苦悩は万国共通。どの国の若者も共感できるだろうと思います。そして、行き場を失った若者のうち、一人は表の世界の刑事に、そしてもう一人は裏の世界のチンピラになる。しかし、結局彼らは、選択した道が異なるだけで、根っこに持っている悩みはすべて同じだという事実がインタビューを通じて明らかになる・・・ 最後に、監督のリュ・スンワンが映画祭のティーチ・インで述べた言葉をご紹介しましょう。
「私は20代後半なのですが、ロマンティックなことよりも現実的なことを考えて生きています。何かを変えたいのですが、どう変えていいのか分からない。どういう風に変えればいいのか、そのエネルギーがないので、このような映画になったのだと思います。」 2000年12月31日執筆 Copyright © 1998- Cinema Korea, All rights reserved. |