ソウル・ガーディアンズ 退魔録
画像提供:ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭 (以下、同じ)
題名 英題 原題 ハングル |
ソウル・ガーディアンズ 退魔録 The Soul Guardians 退魔録 퇴마록 |
製作年 |
1998 |
時間 |
98 |
企画・製作 提供 |
ポリビジョン・ピクチャーズ イルシン創業投資 国民技術金融 |
監督 |
パク・クァンチュン |
出演 |
アン・ソンギ チュ・サンミ シン・ヒョンジュン オ・ヒョンチョル イ・ミンハ イム・ヒョドン イ・ボムス キム・レハ |
日本版 Video DVD |
字幕版Video 吹替版Video DVD |
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パソコン通信のHitelに連載されて話題沸騰。その後、シリーズ物の小説として出版されたイ・ウヒョク原作『退魔録』を映画化。実際に韓国で起きたカルト教団の集団自殺を題材にしており、人間世界を支配しようとする悪魔と、これに対抗して戦う三名の退魔士の対決を描く。メロ、アクション、スリラー、ファンタジーの4要素を併せ持ち、韓国映画史上最も多くのコンピュータグラフィック(CG)を使った作品(製作当時)。
ある日、狂信徒の集団自殺事件が発生する。スンヒ(チュ・サンミ)は、その事件で悪魔を呼び覚ますために生け贄にされた妊婦の死体から奇跡的に生まれた。出生の秘密を知らないまま成長した彼女は、20年後に、再び復活を目指す悪魔の標的となる。そして、悪魔の動きを察知したパク神父(アン・ソンギ)、退魔師ヒョナム(シン・ヒョンジュン)、ジュンフ少年(オ・ヒョンチョル)の三人は、スンヒを助けるべく立ち上がる。
アン・ソンギはエクソシズムを行った罪で教会を追放された元医者のパク神父役、シン・ヒョンジュンは若き退魔師ヒョナプ役で出演。『接続』で一躍有名になったチュ・サンミが悪魔の標的になる悲運の女性スンヒを演じる。なお、ソン・シヒョンが作詞作曲したロックバラード風の主題歌『必ずもう一度会おう』も彼女みずからがソン・シヒョンとデュエットで歌っている。不思議な力を持った少年ジュンフ役を演じるオ・ヒョンチョルは『パク・ポンゴン家出事件』にも出演している子役。
監督はニューヨーク大映画科で演出を専攻し『銀杏のベッド』で現場経験を積んだ新鋭パク・クァンチュン。音楽監督はイ・ドンジュン。
封切り日深夜0時からの公開が話題を呼び、初日だけでソウルで7万2千名の観客を動員。封切り初日の新記録を樹立した。続いて封切り9日で53万(ソウル28万)の観客を動員。韓国映画史上最短興行記録を樹立し大ヒット(「1998年韓国映画興行成績」)。
NEO KOREA 韓国新世代映画祭'99では『ザ・ソウルガーディアンズ−退魔録−』という題名で上映された。
第3回(1998)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門、第2回(1998)富川国際ファンタスティック映画祭「ファンタスティク韓国映画特別展」部門、第10回ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭 '99「ヤング・ファンタスティック・グランプリ」部門、第19回Fantasporto国際映画祭「アジア fantasia コンペ」部門、1999年ブリュッセル・ファンタスティック映画祭出品、第19回(1998)青龍賞技術賞受賞作品。
SFオンラインの添野知生氏の評論はこちら。
初版:1998/8
最新版:2000/12/22
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投稿者:SUM さん 投稿日:1998年9月7日(月)22時50分00秒
のっけから驚きました。こりゃハリウッド映画か、と。最初の10分だけで監督パク・クァンチュンの名前はもう忘れられません。
映画全体を公平に見るにSFXの技術の質としてはハリウッドに比べるべくもないものの、映像センスはハリウッドの傑作のそれを見事に受け継いでいます。特に冒頭とクライマックスのアクショナブルなシーンのそれは圧倒でした。いつの間に日本や香港は韓国に置いていかれてしまったような印象です。
(漫画や小説を原作とする日本の)設定SFオカルトものの映画には傑作はきわめて少ないと思っています。特に設定を設定として押し切ってしまっていて説得力が無くなっている場合が多いんですよね。香港だとそれを荒唐無稽で押し切ってしまったりもするんですが、そういった意味で、日本映画や香港映画のSFの血を引いている部分は多分に感じました。この『ソウル・ガーディアンズ 退魔録』、そういった点に関してはちょっとだれていたなぁという感じを拭えませんでした。何かというと「しがにおぷそよ(時間がない)」でストーリーを進めてしまう強引さは減点しなければ仕方がないでしょう。
それでも、シン・ヒョンジュン、チュ・サンミがハマリ役で十分にストーリーを引っ張っていて、迫力は満点。
【評価:★★★★】
【ソチョンの鑑賞ノート】
第19回青龍賞候補作上映祭にて1998年12月1日鑑賞。
通常、この手の作品って絶対見ないんですけど、韓国映画なので見ました。SFXの技術レベルは『KUMIHO/千年愛』から見れば格段に進歩してまして迫力満点のBGMも相俟ってなかなか楽しめました。上映後に一歩外に出た瞬間もうこの映画のことは脳みそから消えてしまいましたが、つまり何の余韻も残らなかったのですが、娯楽大作ってそんなもんですからこれでいいのでしょう。
ちょっと気になったのは、小説を読んでない人にはストーリーが分かり難くないか?ということ。一応あらすじだけ予習して見ましたが、何の予備知識もなく見るとちょっと苦しいかもしれません。それでも、映像と音がぐいぐい引っ張ってくれますけど。
アン・ソンギはミスキャストかなぁ。顔の線が太いシン・ヒョンジュンとチュ・サンミは濃厚なメークもあいまってはまり役。ラストでチュ・サンミがおぞましい(美しい?)姿に変身します。エンディングにチュ・サンミが歌う歌がかかってましたが、例によって例の如く途中でプチッときられてしまいました。
1998年12月7日執筆
投稿者:Kamibeppuさん 投稿日:1999年4月4日(日)20時46分16秒
わたしも、最初から、ハリウッド映画か?と同様に驚きました。見せる映像でした。日本でこうゆうのやると、うそ臭いんですが、韓国でこのレベルのが出来るとは、本当に驚きました。
原作の愛読者であった友達は、ストーリーに無理がありすぎると言っていましたが、私は単純に楽しめました。ただ、CGを使い過ぎか? もっと、いいCGなら良いんですが、『銀杏のベッド』もそうなんですが、使わなくてもいいCGを、使いすぎると安っぽく見えてしまうので。
最初の10分の緊張感と映像を以ってすれば、CGをこんなに使う必要はないと思うのですが。悪霊がスンヒを追い詰めていく状況は、本当、緊張感があります。娯楽作品としては、水準以上。
【評価:★★★★】
投稿者:イム・ボンジュさん 投稿日:2000年9月16日(土)01時45分33秒
いやー、良かったぁ! 筋はもちろん、荒唐無稽なB級オカルト・ホラーなんですがね。
進歩したとはいえ、CGだって知れたもの。でもね、『KUMIHO/千年愛』の時も、そう思いながら最後まで見て、じーんときちやったんですよ。「こんなんありかよー」が、「こんなのありだな・・・」に変って。どう見ても辻褄も合わない、矛盾だらけのストーリーを、俳優が熱演している。そうすると、あーら不思議、時空を超えた愛も、悪魔に犯された体も、真実に見えてくるから面白い!
それにしてもシン・ヒョンジュン(ご存知、『銀杏のベッド』のファン将軍)、あんたは偉い! 愛に飢えた異人をやらせたら、天下一品だわな!! それから、『接続』のウニ役だったチュ・サンミ(『つぼみ』にもチョイ役で出ていましたね)、初主演だったんだけれど、すごい熱演で、一気にファンになっちゃった(^^;;)。それにしても、アン・ソンギはよくもまあ、こんなエクソシスト神父まで引きうけたもんです。さすがに、ちと影は薄かったけれど、存在感はありましたね。子役の使い方もうまい。この、韓国の演技陣の懐の深さがたまらんのですわー。あーあ、はまった・・・
【評価:★★★★】
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