『ホワイト・バッジ2 戦場の青き狼たち(原題:青い袖)』,『コーヒー・コピー・鼻血』のキム・ユミン監督作品で、1998年下半期映画振興公社3億ウォン版権担保融資作品。崩壊した家庭から家出し、ナイトクラブなどを転々としていた二人の女子高校卒業生が歓楽街で出会った青年とセックスに明け暮れる様を描く。頼るもののない現実においてセックスで意志疎通する若者達を通じ、現代の道徳的厳肅主義を批判するというのが監督の意図。また、三人の主人公の日常と本能的愛を通じ、人々が夢見る脱出と自由への意志を込めた作品でもある。2001年には第二弾の『イエローヘア2』が製作された。
幼い頃に父親から受けた性的虐待がトラウマとなって家出したユナ(イ・ジェウン)。貧乏が嫌で家出してきたサンヒ(キム・ギヨン)。2人はウブに見えるという理由で髪を金髪に染める。ある日、彼女たちはロック・クラブで失業中の男ヨンギュ(キム・ヒョンチョル)と出会う。証券会社で事件を起こし自暴自棄になっていた彼に一目ぼれするユナ。そして3人は淫らな同棲生活を始める。しかし、ある日、ヨンギュは昔の職場の同僚であるウンミを訪れ恋に落ちる。それを知ったユナは、ヨンギュに捨てられるのではないかと恐れ、サンヒと一緒にウンミを殺してしまう。
男性主人公役のキム・ヒョンチョルは、グループ「新村ブルース」のボーカルで、映画『雨のように音楽のように』(1992)でも主演している。二人の女性主人公は、現在同徳女子大放送演芸科在学中でTVドラマ『土地』,『天使のキス』,『龍の涙』,『学校』などに出演したタレントのイ・ジェウン(19)と、シネ・アカデミー出身で『産婦人科』,『オクスタン』に出演したキム・ギヨン。まだ幼さが残っているイ・ジェウンだが、この映画での妖艶な演技が好評。
1996年10月4日に憲法裁判所が公演倫理委員会の審議に対して違憲決定を下し、その後設立された韓国公演芸術振興協議会がスタートした1997年10月以降、韓国映画としては初めて等級附与保留判定を受けた(1999年3月)。理由は「女性二人と男性一人の三人による動物的セックス場面が問題」とのこと。等級保留期間3ヶ月が経過した後、問題の箇所を一部削除、または光学処理してから再審議を申請し、18歳未満観覧不可の等級で無事公開にこぎつけた。公開前の騒ぎはテレビ番組でも報道され、それがいい宣伝となったのか、公開直後は満席の状態が続いた。
製作はヨ・ハング。彼は、この作品の後も『サミャン洞精肉店』,『愛人 もうひとりのわたし』,『7人の夜明け』とB級低予算映画ばかりを製作している。
第37回(2000)大鐘賞新人女優賞(イ・ジェウン)、第20回(1999)青龍賞新人女優賞(イ・ジェウン)受賞作品。
第3回(1999)富川国際ファンタスティック映画祭「ファンタスティック韓国映画特別展」部門、第13回(2000)ヘルシンキ国際映画祭Asia Meets Europe部門出品作品。
初版:1999/6
最新版:2001/7/28
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