日本では『ユリョン』の副艦長役や『リベラ・メ』の消防士役、そして日韓合作『ソウル』での刑事部長役でその名前を知られる男優。独特のカリスマを持ち、あらゆるキャラクターを自己流に作り上げていくことでも知られる。
往年の名優で前国会議員の故チェ・ムリョンの息子として生まれ、1986年の『神の息子』で映画デビュー。1990年の問題作『南部軍 愛と幻想のパルチザン』の演技で第11回(1990)青龍賞男優助演賞を受賞する。
初期主演作品の中で有名なのは、なんといっても『結婚物語』と『ミスター・マンマ』。新世代の若者達の結婚観や新婚生活などをハイ・センスなストーリーで描いてヒットした両作品で、チェ・ミンスは等身大の平凡な男性を演じ、若者の大きな支持を得た。
その後、韓国で社会現象にもなったテレビ・ドラマ『砂時計』のパク・テス役をはじめとし、同じくテレビ・ドラマの『白夜3.98』、映画『テロリスト 哀しき男に捧げる挽歌』、『インシャラ』などで、タフガイ・イメージが強い強烈なキャラクターを演じ、『テロリスト 哀しき男に捧げる挽歌』では第34回(1996)大鐘賞主演男優賞・第16回(1995)青龍賞男優主演賞を受賞する。そのアクション演技は、韓国の武術指導監督として有名なチョン・ドゥホン監督が「本当の武術の実力ではなく、アクション演技としてはチェ・ミンスが一番」と評するほど。
1997年と1998年は出演作がヒットせず、あまり目立たない存在だったが、1999年の『ユリョン』では民族主義者の潜水艦副艦長を好演。独特のカリスマ性を発揮し、第37回(2000)大鐘賞男優主演賞を受賞した。
シナリオを見て自ら出演を志願した2000年の『チュ・ノミョンのベーカリー』では、コミカルでちょっとオーバーな演技を披露している。
2000年の『リベラ・メ』では、放火魔を追うカリスマあふれる消防隊員をスタントなしで熱演し、第37回(2001)百想芸術大賞最優秀男子演技賞を受賞。また、2002年に公開された日韓合作『ソウル』では、TOKIOの長瀬智也と共演している。
近年日本公開された『ユリョン』、『リベラ・メ』、『ソウル』の三本では、いずれも怖いイメージの役を演じているが、素顔は冗談もばんばん飛ばすおちゃめなおじ様。ラブコメで名を馳せた時期もあるので、そろそろ柔らかいチェ・ミンスを見られる作品も公開して欲しいところだ。
余談だが、1991年に友情出演した『自転車に乗ってきた女性』では主題歌も歌っている。
最新作は『イエスタデイ 沈黙の刻印』。次回作はキム・イソク監督の『清風明月』。
初版:1998
最新版:2002/2/15
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