チンピラと演劇女優の激しい恋。濃厚なベッド・シーンが多いが、虚無的で美しいその映像はなかなかのもの。「カップルや女性でも見られる官能映画」的性格を持った韓国映画としては、『寵愛』などが日本公開されているが、本作はその嚆矢ともいえる作品。
チンピラのキム・ミンス(チェ・ミンス)は、ある日、演劇公演場に借金の取りたてに行き、そこで劇団員のチョン・スンヘ(パク・ヨンソン)と運命的に出会う。二人は恋に落ち、中毒のようにセックスをし続ける。それを愛と信じて。しかしスンヘは、国立劇場で上演される『私の愛、広島』の女性主人公役というチャンスをつかみ、彼女の愛は徐々に冷めていく。一方、金貸し業のチャン社長(チョン・ムソン)に追われる身分になってしまったミンス。二人の間に亀裂が入り始め、スンヘはミンスとの関係を清算しようとするのだが・・・
主演は、『ユリョン』、『リベラ・メ』、『ソウル』のチェ・ミンス。主演以外の配役は、シヌ(パン・ウニ)、チョルミン(チェ・ヨンソク)、団長(ソン・スク)、キム・ミョングン(イ・ホジェ)、シン監督(ユン・ムンシク)、チョンジャ(キム・ブソン)となっている。『反則王』でソン・ガンホの銀行の同僚を演じていたチョン・ウンインも脇役で出演。
脚本は監督のカン・ジョンス。撮影はシン・オッキョン。照明はイム・ジェヨン。音楽はソン・ビョンジュン。編集はパク・スンドク。メーキャップはユン・エリョン。
1996年韓国映画興行成績では七位にランクイン。
SKY PerfecTV!では、『ダブルフェイス』という題名で放映された。
初版:1999/8/31
最新版:2002/4/1
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