社会の巨悪に立ち向かう一人の男を描いたアクション映画。1990年代前半はラブ&コメで名を馳せたチェ・ミンスだが、この作品のアクション演技で、主演男優賞を総なめにし、アクション俳優として高い評価を受けた。そして、本作での彼のカリスマ演技は、日本でも公開された『ユリョン』、『リベラ・メ』、『ソウル』へと繋がっていく。
ソウルに上京した二人の兄弟。孤児だった彼らは警察官になる夢を持って成長する。そして、兄のオ・サヒョン(イ・ギョンヨン)はソウル警察庁で出世街道まっしぐら。一方、弟のオ・スヒョン(チェ・ミンス)も警察大学を首席で卒業する。前途洋々に見えた二人だが、スヒョンの最初の勤務地で事件が発生。過剰防衛とみなされたスヒョンは懲役刑を宣告される。三年の刑期を終えて出所してきたスヒョンだが、今度は友人サンチョル(ホ・ジュノ)が犯罪組織に巻き込まれて死んでしまう。夢も友人も失ったスヒョンは暗黒街のボス、イム・テホ(トッコ・ヨンジェ)に復讐するために、そして歪んだ世の中そのものに復讐するためテロリストに変身する。
『カル』でシム・ウナの女友達を演じていたヨム・ジョンアや、『アダダ』、『九老アリラン』、『ホワイト・バッジ』などその主演作が日本でも公開されているイ・ギョンヨンが出演しているほか、後に『友へ/チング』で大ブレイクするユ・オソン、今や名バイ・プレーヤーとなったチョン・ジニョン等も脇役出演している。
チェ・ミンスの子供時代をキム・ジョンウが、イ・ギョンヨンの子供時代をキム・ソッテが演じている。
有名な漫画家イ・ヒョンセの原作漫画『カロンの夜明け』(1988)を、『キムの戦争』(1992)のキム・ヨンビン監督自らが脚色して映画化した。
1995年の興行成績ベスト3にランクイン(「1995年韓国映画興行成績」)。1997年には『テロリスト2』(チョ・ミョンファ監督)が製作されている。
SKY PerfecTV!の衛星劇場では、『暗黒街の帝王・ブラザーコップ』という題名で放映された。
1995年度映画振興公社選定「良い映画(上半期)」、第34回(1996)大鐘賞主演男優賞(チェ・ミンス)・撮影賞(シン・オッキョン)・照明賞(イム・ジェヨン)・編集賞(パク・スンドク)、第16回(1995)青龍賞男優主演賞(チェ・ミンス)・男優助演賞(ホ・ジュノ)、第19回(1996)黄金撮影賞銀賞(シン・オッキョン)・照明賞(イム・ジェヨン)受賞作品。
初版:1999/8/20
最新版:2002/3/21
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