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殺す話


題名
英題
ハングル
殺す話
Killer Story
죽이는 이야기
製作年 1997
時間 98
製作 韓脈エンターテイメント
監督 ヨ・ギュンドン
出演 ムン・ソングン
ファン・シネ
イ・ギョンヨン
チョン・イダ
コグマ
チェ・ヨンミン
チョン・チョシン
ファン・ギョンウク
キム・ビョンホ
イ・インチョル
キム・ユンジン
キム・スジン
チェ・ミンス(特別出演)
日本版
Video
DVD
なし

 映画『301・302』で同じみ、ファン・シネ主演の世相風刺コメディ。初のコメディ映画に挑戦するファン・シネに注目! 脇を固めるのは、ムン・ソングンとイ・ギョンヨン。

 題名の『チュギヌン イヤギ』は、劇中ムン・ソングン演じる映画監督が製作する映画の題名で、英題の"Killer Story"にあわせて『殺す話』と訳してあるが、実際には「イケテル話」、「いかした話」、「かっこいい話」といった意味。日本語でも「死ぬほど嬉しい」といった表現があるが、韓国語にもまったく同じような表現方法があり、ここでは「死ぬほど良いお話し」といった意味になる。そんな映画を作りたいと監督は思っているのだが、実際には俳優・製作会社のワガママで逆に「死ぬほど」辛い思いをする物語、という一種の掛け言葉にもなっている。

 うれないヘボ監督ク・イド(ムン・ソングン)が、エロ映画専門女優マリ(ファン・シネ)と盛りを過ぎたアクション俳優ハビ(イ・ギョンヨン)を映画会社から無理矢理押し付けられ、自分の理想の映画を作ろうとするけれど、うまくいかないというストーリー。ヘボ監督は『ニューシネマ・パラダイス』のような作品を作ることを夢見、エロ女優は『風と共に去りぬ』のビビアン・リーのような女主人公を演じたがり、男優は『ミッション・インポッシブル』のようなアクション映画を夢見るという支離滅裂な状況で起るハプニングを描く。

 劇中有名な作品のテーマ・ソングをふんだんに使うなど、監督のヨ・ギュンドンは他の有名映画音楽をコミカルに使用。「劇中劇」ならぬ「映画中映画」的効果を出しており、映画ファンにはカルト的楽しみのある作品にしあがっている。ファン・シネのコメディ演技も高評価。

 『シュリ』のキム・ユンジンが端役出演しているほか、演技指導を担当している。

 脚本は監督のヨ・ギュンドンとイ・サンウ。撮影監督はキム・ソンボク。照明監督はイム・ジェヨン。美術はオ・サンマン。CGはゼロワン・ピクチャーズ。

 第3回(1998)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門出品作品。

初版:1998/8/19
最新版:2002/9/21



投稿者:SUM さん 投稿日:1998年9月1日(火)19時34分00秒

【評価:★★★】


【ソチョンの鑑賞ノート】

 第3回(1998)釜山国際映画祭にて英語字幕付きで鑑賞。上映後、監督を交えてのティーチ・インあり。

 どこがどう悪いのか語るのも嫌になる程どうしようもない映画。こんな映画を作るほうも作るほうだが、映画祭に選ぶほうも選ぶほうだ。ファン・シネ、ムン・ソングン、イ・ギョンヨン。あらゆる役者の持ち味を全て殺している。だから『殺す話』なのだろうか? パロディ映画のつもりなのだろうが、そのパロディも今一つ冴えてない。映画のところどころ、ファン・シネが劇中劇で俳優を演じる場面があり、「はっ」と見る者の目を奪うのが唯一の救い。逆にそれがなければ星一つだ。

1998年11月17日執筆


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