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ムッチマ・ファミリー


画像提供:Film it Suda(以下、同じ)


題名
英題
ハングル
ムッチマ・ファミリー
No Comment
묻지마 패밀리
製作年 2002
時間 99
提供
 
製作
配給
Film it Suda
青於藍(チョンオラム)
Film it Suda
青於藍(チョンオラム)
監督 パク・サンウォン
パク・クァンヒョン
イ・ヒョンジョン
出演 シン・ハギュン
イム・ウォニ
チョン・ジェヨン
リュ・スンボム
パク・ソニョン
キム・イルン
リュ・ドックァン
ユン・ジュサン
イム・ハリョン
キム・ジング
イ・ヨンイ
チョン・ギュス
パン・ウンジン
イ・ムンシク
チョ・ドッキョン
イム・スンデ
パク・サンウク
イ・チョルミン
キム・ジナ
キム・デリョン
ク・ヘジュ
パク・ミスク
イ・ジェヨン
チャン・シニョン
日本版
Video
DVD
なし

 クスッと笑い、最後にはちょっぴりホロリとさせられる、素敵な短編オムニバス・コメディ。第一話『四方に敵』、第二話『僕のナイキ』、第三話『教会のヌナ −年上の彼女−』の三本の短編で構成されている。

 『SPY リー・チョルジン 北朝鮮から来た男』『ガン&トークス』チャン・ジン監督が企画・プロデュース。監督三人はいずれも新人だが、脚本をチャン・ジンが担当しており、彼ならではの作風・台詞の妙が全編ににじみ出ている。出演陣は、これまた『ガン&トークス』で主演をはっているシン・ハギュン、チョン・ジェヨンをはじめ、チャン・ジンが運営する会社"Film it Suda"に所属する演劇出身の有名どころがずらりと勢ぞろい。また、音楽も『ガン&トークス』のハン・ジェグォン。というわけで、これ、チャン・ジンとその気の合う仲間達が作った映画なのだ。題名の「ムッチマ」は韓国語で「聞かないで」という意味。韓国では不倫旅行のことを、「その関係を聞かないで」という意味で「ムッチマ旅行」と呼んでいるが、それに習えばこの映画の題名『ムッチマ・ファミリー』は「三本の短編がどんなファミリー関係にあるのか聞かないで」ということを意味すると考えられる。ちなみに、その答えは言うまでもなく「チャン・ジン ファミリー」だ。

第一話『四方に敵』(The Lodgers)
 監督:パク・サンウォン
 脚本:チャン・ジン
 とある安ホテルの四部屋。810号室には眠りについた自分の彼女を殺そうとする男(チョン・ジェヨン)が一人。801号室には親分(ユン・ジュサン)と、彼を狙う殺し屋に怒りをぶつける子分達がいる。そして802号室にはプロの殺し屋が。一方、813号室にはキス魔の妻(パン・ウンジン)とその不倫相手の男(シン・ハギュン)。そこへ妻の夫(イム・ウォニ)と警察(イ・チョルミン)が踏み入る。そして、おまぬけなホテルの従業員(リュ・スンボム)の存在が、四部屋入り乱れてのバトルに火をつける。

第二話『僕のナイキ』(Fourteen Years Old)
 監督・原作:パク・クァンヒョン
 脚本:チャン・ジン、パク・クァンヒョン
 チョン・ドゥファン(全斗換)軍事政権下の1980年代初頭。映画は中学生ミョンジン(リュ・ドックァン)のナレーションで始まる。個人タクシーの運転手になるのが夢の父(イム・ハリョン)、同じく個人タクシー運転手の妻になるのが夢の母(イ・ヨンイ)、学校で成績一番になるのが夢の長兄(イム・ウォニ)、学校一の番長になるのが夢の次兄(リュ・スンボム)、可愛くなるのが夢の姉(キム・ジナ)、早く死にたいと願う祖母(キム・ジング)。そんな家族と一緒に住むミョンジンの夢は・・・ ナイキの運動靴を履くことだった。ささやかな、しかしでっかい彼らの夢はかなうのか?

第三話『教会のヌナ −年上の彼女−』(Last Confession)
 監督:イ・ヒョンジョン
 シナリオ:チャン・ジン、チョ・ジョンファ
 兵役に就いていたヨンイル(キム・イルン)は、休暇の最後の日、ジュヒ(パク・ソニョン)と会うことにする。ヨンイルにとっては年上になるジュヒ。彼は彼女のことがいまだ忘れられなかったのだ・・・ 題名にある「ヌナ」は直訳すれば「お姉さん」で、年下の男性が親しい年上の女性に対して使う言葉。最近変わってきたとはいえ、韓国では日本と違い年上の女性との恋愛がタブー視されている面があるので、「ヌナ」と呼ぶ関係からなかなか「恋人」の関係に進めないことが多い。なお、年上の女性との恋を描いたラブ・コメに『チム 〜あこがれの人〜』がある。

 出演は、シン・ハギュン、リュ・スンボム、イム・ウォニ、チョン・ジェヨンなど"Film it Suda"に所属している有名俳優のほか、パン・ウンジン、ユン・ジュサンといったベテラン勢も。SBSテレビ・ドラマ『華麗なる時代』でお茶の間のスターとなったパク・ソニョン(26)も第三話『教会のヌナ −年上の彼女−』でヒロインを演じる。

 『四方に敵』の監督パク・サンウォン(1972年生まれ)はミシガン大学で映画演出を専攻した人物。チャン・ジンとは高校の同窓生で、『四方に敵』に殺し屋役で出演しているパク・サンウクの実弟でもある。『僕のナイキ』の監督パク・クァンヒョン(朴光鉉:1969年生まれ)は弘益大学視覚デザイン科を卒業し、現在CM監督として活躍中。マクドナルドのシリーズ物CMでシン・ハギュン、イム・ウォニとは既に一緒に仕事をしている仲。そして、『教会のヌナ −年上の彼女−』の監督イ・ヒョンジョン(1975年生まれ)はソウル芸大映画科と国民大学映画科の出身で、Baby Voxなどのミュージック・ビデオの監督をしている新鋭。第1回大韓民国映像対戦短編部門で本賞を受賞したほか、映画振興委員会事前製作支援作『crazy zoon being』の演出、nkino創立インターネット・ムーヴィー『happy bus day』の撮影を担当した経験がある。

 『四方に敵』の撮影監督パク・ヨンスは、『ガン&トークス』撮影部ファースト。本作の後に長編『嫉妬は我が力』の撮影監督を担当した。『僕のナイキ』の撮影監督チェ・サンホは、『燃ゆる月』『パイラン』の撮影部ファーストを担当した人物。『教会のヌナ −年上の彼女−』の撮影監督ペク・ドンヒョンは『リベラ・メ』『ジャスティス〜これが法だ〜』の撮影部ファースト。

 チャン・ジン監督が企画・プロデュース・脚本を担当。音楽は『ガン&トークス』のハン・ジェグォン。ハン・ジェグォン作詞・作曲によるエンディング・テーマ・ソング『また出会えるなら』は、日本デビューも予定されているバラードの女王イ・スヨンが歌う。編集はキム・サンボムとキム・ジェボム。

 韓国初の劇場公開用短編オムニバスとして、2002年5月に公開され、低予算映画ながら公開第一週にはBoxofficeトップをゲット。最終的にはソウルで20万人を動員するスマッシュ・ヒットとなった。ちなみに、"Film it Suda"は、2000年にも三人の有名監督がデジタル・ビデオを使って撮影するという短編プロジェクトを企画しているが(キム・ジウンの『カミングアウト』、チャン・ジンの『極端な一日』、リュ・スンワンの『たちまわLee』)、今回は劇場公開作品で、全員新人監督を起用しているのが異なる。

 平均製作費が30億ウォンという昨今の韓国映画界にあって、本作は純製作費3億ウォン前後。俳優・スタッフらはほとんどノーギャラだったという。予算投入型の大作映画が雲霞のごとく企画される中にあって、仲間達と低予算で小品を製作。無名の監督・撮影監督にチャンスを与え、なおかつそれを劇場公開して成功に結びつるチャン・ジンの企画力、そして彼を支える"Film it Suda"のマン・パワーに改めて驚かされる。

 2002年サンディエゴ・アジア映画祭、シネマコリア2003招待作品。また、『教会のヌナ −年上の彼女−』は、2003年のAsian American International Film Festivalに短編映画として正式招待されている。

初版:2003/3/23
最新版:2003/6/7


■ Q&Aセッション

 シネマコリア2003で開催された、『ムッチマ・ファミリー』Q&Aセッションの模様はこちら



『ムッチマ・ファミリー』の俳優達

 『ムッチマ・ファミリー』には、シン・ハギュン、チョン・ジェヨンをはじめ、チャン・ジンが運営する会社"Film it Suda"に所属する演劇出身の有名どころがずらりと勢ぞろい。三話のあちこちに出演していて楽しめます。ちなみに、出演者の多くは『ガン&トークス』と被ってますので、両作品ともご覧になると「あ、あの俳優、こんなとこにも出てるよ、クスクス」と楽しめること請け合い!


第一話『四方に敵』


左からイ・チョルミン、イム・ウォニ、シン・ハギュン、パン・ウンジン

チョン・ジェヨン:恋人を殺そうとする男
    → 『ガン&トークス』のジェヨン
チャン・シニョン:男の恋人
パン・ウンジン:キス魔の人妻
シン・ハギュン:人妻の情夫
    → 『ガン&トークス』のジョンウ
イム・ウォニ:人妻の夫
    → 『ガン&トークス』のオープニングでジェヨンが懺悔する神父
イ・チョルミン:警察
ユン・ジュサン:親分
    → 『ガン&トークス』のチュおじさん
イム・スンデ:ドライバーで突かれた子分
    → 『ガン&トークス』のファイの夫
チョ・ドッキョン:中国と台湾を同じ国だと思っている子分
    → 『ガン&トークス』のタク・ムンベの腹心
キム・イルン:もう一人の子分
    → 『ガン&トークス』の車の料金所で撃たれる男
パク・サンウク:殺し屋
リュ・スンボム:ホテルの従業員


『四方に敵』のリュ・スンボム


第二話『僕のナイキ』


『僕のナイキ』で名演を見せたリュ・ドックァン

リュ・ドックァン:主人公の中学生ミョンジン
イム・ハリョン:ミョンジンの父
イ・ヨンイ:ミョンジンの母
イム・ウォニ:ミョンジンの長兄
    → 『ガン&トークス』のオープニングでジェヨンが懺悔する神父
リュ・スンボム:ミョンジンの次兄
キム・ジナ:ミョンジンの姉
キム・ジング:ミョンジンの祖母
シン・ハギュン:ミョンジンをカツアゲする高校生1
    → 『ガン&トークス』のジョンウ
チョン・ジェヨン:ミョンジンをカツアゲする高校生2
    → 『ガン&トークス』のジェヨン
イ・ムンシク:美術の先生
チョン・ギュス:国史の先生
    → 『ガン&トークス』のチョ検事の相棒キム班長
キム・イルン:次兄の助太刀学生1
    → 『ガン&トークス』の車の料金所で撃たれる男
イム・スンデ:次兄の助太刀学生2
    → 『ガン&トークス』のファイの夫
イ・チョルミン:次兄の助太刀学生3
ユン・ジュサン:父親のタクシーの乗客
    → 『ガン&トークス』のチュおじさん
チョ・ドッキョン:ミョンジンの学生主任の先生
    → 『ガン&トークス』のタク・ムンベの腹心
キム・デリョン:数学の先生
ク・ヘジュ:教育実習に来た女性
ウォン・ミョンジン:大人になったミョンジン


第三話『教会のヌナ −年上の彼女−』


『教会のヌナ −年上の彼女−』のキム・イルン

パク・ソニョン:ジュヒ
キム・イルン:ヨンイル
    → 『ガン&トークス』の車の料金所で撃たれる男
イム・ウォニ:大統領候補ポスターに載っている候補者&映画館の中で勉強している男
    → 『ガン&トークス』のオープニングでジェヨンが懺悔する神父
チョ・ドッキョン:大統領候補ポスターに載っている候補者
    → 『ガン&トークス』のタク・ムンベの腹心
チョン・ギュス:大統領候補ポスターに載っている候補者
    → 『ガン&トークス』のチョ検事の相棒キム班長
リュ・スンボム:二人が一緒に見る映画の中の俳優
イム・スンデ:二人が一緒に見る映画の中の俳優
    → 『ガン&トークス』のファイの夫
リュ・ドックァン:ナイキのバス広告の中に登場
イ・ムンシク:アナウンスをする駅員



投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/9/24 14:59:30

 韓国製VTRにて鑑賞。

 意外な事に、感動的で素敵なオムニバス作品である。異なった三話のエピソードに、共通のキャスティングというのが企画のミソで、プロデューサーを担当した映画監督チャン・ジンの作家性が色濃く反映しているのも特徴だ。彼の監督作『ガン&トークス』が好きな方々なら、一層楽しめる出来となっている。

第一話『四方に敵』
 郊外の安ホテルに泊まったヤクザ、不倫のカップル、警察官、殺し屋など、相異なる客同士が繰り広げる一騒動を描く。どこかで観たような内容で、三編中、一番出来が悪い作品だが、主な出演陣(シン・ハギュン、イム・ウォニ、リュ・スンボム、チョン・ジェヨン)が派手に活躍するので、彼らのファンにとっては一番楽しい一編でもある。また、この手のホテルを良く利用する方々には、色々と心当たりがあって共感出来る内容だろう。


『四方に敵』

第二話『僕のナイキ』
 「逸品」という形容が相応しい秀作。1980年代を舞台に、ナイキに憧れる少年を描いた内容で、『友へ/チング』などより、遥かに高レベルの完成度である。韓国でも急速に失われつつある家族の暖かさが丁寧に描写され、発色を抑えたシャープな映像も素晴らしい。主演の中学生を演じるリュ・ドックァンの演技と存在感が抜群で、国こそ違えど彼に共感する日本人は大勢いるだろう。チョン・ジェヨンとシン・ハギュンが、ガクラン姿の不良高校生役で出演しているのもご愛敬だ。時代考証もツボを押さえた内容で、次兄(リュ・スンボム)がブルース・リーかぶれだったり、タクシー運転手を営む父親の車が、ヒュンダイ(現代)のポニーだったりと、憎い部分で抜かりがない。


『僕のナイキ』

第三話『教会のヌナ −年上の彼女−』
 休暇で故郷に帰った若い兵隊(キム・イルン)は、かつての恋人(パク・ソニョン)とデートをするが、彼女には彼に言えない秘密があった・・・ 青春の一番いい時期を、兵役で過ごさなければならない韓国の二十代にとっては、笑いと涙なしには観られないであろう好編。徴兵制のある国では、よく見受けられる話だが、決して湿っぽくはなく、青春の苦い一瞬を現実的に見事にとらえているし、あえて奇をてらわない率直な作り方も好感が持てる。最後は大きくひっくり返るオチが付いているが、現実味溢れる皮肉なオチであり悪くない。


『教会のヌナ −年上の彼女−』

 普通、オムニバス作品というと、古今東西にかかわらず、しょぼいか、やたらと実験的過ぎて、普遍性とは程遠い作品であることが一般的だ。だが、この『ムッチマ・ファミリー』は、楽屋オチ的な企画ながらも、商業性と作家性を見事両立させた映画に仕上がっている。

 短編オムニバスという形態ゆえ、日本における一般興行は難しい作品だが、映画祭・上映会で是非とも公開してほしい映画である。

【評価:★★★★】



投稿者:NOBさん 投稿日:2003/4/13 16:18:53

 笑いながら泣いて、泣いているのにいつのまにか笑い出してしまいました。あっという間の1時間40分。

 韓国をとっても感じる映画でした。

【評価:★★★★】



投稿者:桔梗さん 投稿日:2003/8/11 18:44:53

 短編映画って、こんなに面白いんだなって再度実感しました。

 1本1本は独立してるのに、ちょこちょこ色んな俳優さんが顔出しては消える・・・ 細かいとこまでしっかり楽しませてもらえました。1粒で2度美味しいじゃないけど、とっても得した気分です。ホンマ、くすくすなったりげらげら笑ったり、忙しい映画でした。

 個人的には『僕のナイキ』がスキです。夢をかなえるための「僕」が可愛くて・・・ それとは対照的な不良高校生のチョン・ジェヨンとシン・ハギュンが意地悪でヨカッタ(笑)。「僕」の貯めたお金でちゃんと「ナイキ」を不良が購入する辺りも可愛らしく思いました。

 韓国の短編映画ってはじめて見ましたが、とてもとてもヨカッタです★

【評価:★★★★★】



投稿者:森岡由紀子さん 投稿日:2003/8/12 01:51:57

 昨日の「シネマコリア in 名古屋」開催していただきありがとうございます。ソチョンさまのお話を直接うかがうこともできて良かったです。

 さて、『ムッチマ・ファミリー』大変面白かったです。

 この企画・プロデュース・脚本をされた方が『ガン&トークス』チャン・ジン監督さんだというソチョンさんのご説明に、モヤモヤしていたものが晴れました。『ムッチマ・ファミリー』を観てから『ガン&トークス』を観れば非常に面白かっただろうな・・・と思いました。

 『ガン&トークス』の予告編を『猟奇的な彼女』上映の際に観たのですが、このときの印象をフィルム・ノアールというか、シリアスな暗躍モノのような作品と思ってしまいましたので(思い込みが強いんですかね?)、実際にこの作品を見ている間中、納得できないような首を傾げてばかりいるような、ボタンの掛け違えのような感覚だったのです。

 確かに面白い場面が続くのですけれど、このあと残酷シーンかバイオレンスが始まって、殺しあったりするんだろうな・・・なんて予測してしまい、最後まで「ウソーッ? こんなんでいいの?」「エーッ? なんで逮捕しないのさー」なんてつぶやいておりました。私の王子様のウォンビンが出演しているっちゅうのに。

 で、『ムッチマ・ファミリー』を観て、この謎が解けたのです。三つのオムニバス作品に共通する笑いの感覚の延長線上に『ガン&トークス』があるんですね。キャラクターを形作る過程や、シナリオの構成の方法などもなぜか垣間見えるような気がしました。三作品とも完成度が高く、各々が個別に成立しているのに、全体で日本映画ならさしずめ「○○組」と言われるような、「チャン・ジン組」のカラーや味付けや遊びが随所に見受けられ、嬉しくなりました。泥臭いドタバタ喜劇ではなく、『ガン&トークス』のコピーに用いられていた「スタイリッシュな」という言葉が生きている喜劇ですね。

 リアルに創りこむ、練り上げて最後にひっくり返す。笑わせるためには泣かすより骨が折れるらしいことが、この映画でも感じられます。丁寧に作りこんだ手法が映画に対する信頼感となります。

 二作目の『僕のナイキ』、ナイキの本家からクレームはつかなかったでしょうか? 「良い子は真似をしないように」とか。でも、ナイキに憧れた少年の気持ちを痛々しくも感じ、家族が、あるいは韓国という国が、ナイキに象徴される豊かな暮らしを必死で目指した時代を、朝鮮戦争特需で経済復興を遂げたといわれる国の住民として、多少の後ろめたさを感じつつ、痛々しく、笑ったあとでほろ苦くも感じました。

 この『ムッチマ・ファミリー』を観たおかげで、私の韓国映画の間口はずいぶん広がったような気がします。その機会を作ってくださったことを感謝します。

【評価:★★★★★】



投稿者:たびこさん 投稿日:2003/8/14 15:55:45

 シネマコリア2003の中であまり期待していたかった分、実は一番気に入った作品です。

 三話ともすごく面白かったし、「この人達本当に映画が好きなんだなー」っとこちらまでうれしくなります。

 中でも私の一番のお気に入りは『僕のナイキ』。あんなに熱烈に欲しかったナイキなのに、意外にしょぼい代償行為で大満足できる、小市民的幸福観が素晴らしい!

 第三話の『教会のヌナ −年上の彼女−』も胸をしめつけられた分、最後のオチには思いっきり笑わされました。

【評価:★★★★】



投稿者:peketさん 投稿日:2003/8/20 20:36:04

 (シネマコリア2003で)今回上映の作品、それぞれ良かったのですが、私はこの作品が楽しくて一番良かったです。大学のサークルの乗りのように出演者も楽しんでいるふうで。

 『僕のナイキ』に郷愁を感じました(コリアに行ったこともないのに)。最後に駅のホームに皆が集まるシーンに何とも言えず心温かくなりました。

【評価:★★★★】



投稿者:kunikoさん 投稿日:2003/8/31 21:00:12

 今回の(シネマコリア2003で上映された)四作品はよくぞ趣きの違う佳作を集めたものと感心しております。特に『ムッチマ・ファミリー』は1つ1つのエピソードとそれらのオチが抜群に素晴らしく、第二話『僕のナイキ』のラストはさすがコピー王国韓国の面目躍如で主人公の少年は将来、梨泰院の社長さん?って感じで大笑いしました。人生に金や名誉より大切なもの・・・を最後まで聞けないのもすごくおかしい。

 しかし私的にツボにはまったのは第三話『教会のヌナ −年上の彼女−』です。『ラスト・プレゼント』でも泣けなかった私が後半何故か涙ウルウルになってしまって、イヤにすいた電車だな?って思っていながらも二人の今まで抑えていた心情吐露の演技がとても巧みなので、ガーンと落とされてだまされちゃいました。

 でも笑ったあとでやはり思い出すと切ないものがこみあげます。二等兵役の男優さん、ヤクザとか『ガン&トークス』で料金所で撃たれる人とかで見ましたがあんなに純な雰囲気を出せる人なんですね。ヌナ役の女優さんも『純愛中毒』とは同一人物とは思えない程しっとりとしてよかったです。

 切れのある脚本と優れた演出力・演技者が融合した、忘れがたく、楽しくて切ない映画でした。

【評価:★★★★★】



投稿者:kaoriさん 投稿日:2003/9/2 22:03:04

 チャン・ジン監督にまたお会いできたことが嬉しかったです。

 以前、新宿武蔵野館での『ガン&トークス』舞台挨拶の際にお見かけしましたが、すぐに帰られてしまって残念でしたが、今回はサインまでいただくことができ、本当に嬉しかったです(以前、怪我をされていたとのことでしたが、お元気そうな姿を見ることができて、安心しました)。

 この作品に関しては、チャン・ジン監督は企画ということでしたが、作品の端々に「チャン・ジン」カラーを見ることができたような気がします。

 最初、「企画」ということだったので、実験的な作品に仕上がっているかと思っていましたが、クオリティーの高い完成度には、ただただ、感動でした。個人的には、劇中の音楽が全編とおしてオススメです。

 日本版のDVDを発売して欲しい・・・と思った一作品でした。また観たいです。そして、チャン・ジン監督主演で、パク・クァンヒョン監督が監督で一作品・・・という作品を作っていただきたいのですが、いかがでしょうか?

【評価:★★★★】


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