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ブラザーフッド

邦題/英題/原題/한글 スタッフ 製作・配給 俳優 (配役)
ブラザーフッド
TAEGUKGI
太極旗を翻して
태극기 휘날리며
監督・脚本・企画:カン・ジェギュ
共同脚本:ハン・ジフン
共同脚本:キム・サンドン
撮影:ホン・ギョンピョ
照明:ユ・ヨンジョン
プロダクション・デザイナー:シン・ボギョン
アートディレクター:イ・ミギョン
アートディレクター:イ・デフン
同時録音:イ・テギュ(B.O.B)
特殊効果スーパーバイザー:チョン・ドアン(デモリション)
武術:チョン・ドゥホン(ソウル・アクション・スクール)
武術:キム・ミンス(ソウル・アクション・スクール)
編集:パク・コッチ
編集:チョン・ジニ
音楽:イ・ドンジュン

製作:姜帝圭フィルム
提供:ショーボックス・メディアプレックス
提供:姜帝圭フィルム
共同提供:OCN
共同提供:ベンチャープラス
共同提供:KTBネットワーク
共同提供:KDメディア
共同提供:SBS
共同提供:プライム・ベンチャー・キャピタル
共同提供:ジェウ・メガ映像投資組合
共同提供:ハングルとコンピュータ
共同提供:ライン・ホールディングス
配給:ショーボックス・メディアプレックス

チャン・ドンゴン(ジンテ)
ウォンビン(ジンソク)
イ・ウンジュ(ヨンシン)
チョ・ユニ(ユジン)
コン・ヒョンジン(ヨンマン)
イ・ヨンナン(母親)
チャン・ミノ(老人のジンソク)
アン・ギルガン(ホ中士)
パク・キルス(ヤン・ジュサ)
チョン・ジン(イム・イルビョン)
チェ・ミンシク(人民軍大佐:友情出演)
キム・スロ(青年団長:友情出演)
チョン・ドゥホン(大佐参謀:友情出演)
キム・ヘゴン(新任大隊長:友情出演)
チョン・ホビン(人民軍将校:友情出演)
パク・トンビン(人民軍小隊長:友情出演)
チョン・ジェヒョン(靴磨き)
オム・ソンモ(スンチョル)

<基本データ>
製作年: 2004年
ジャンル: 戦争ドラマ
上映時間: 148分
音響: SRD,SR
サイズ: CINEMA SCOPE
年齢制限: 15歳以上鑑賞可(韓国)/制限なし(日本)

<公開データ>
韓国公開: 2004年2月5日
日本公開: 2004年6月26日、日比谷スカラ座1ほか全国ロードショー
配給:UIP配給/ユニバーサル映画
宣伝:シナジー
日本版公式サイト:http://www.brotherhood-movie.jp/
韓国版公式サイト:http://www.taegukgi2004.com/

<DVD&Video>
DVD: スタンダード・エディション \2,500(2006年1月25日)
 発売:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 販売:ジェネオンエンタテインメント
プレミアム・エディション \4,179(2004年11月5日)
 発売:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 販売:ジェネオンエンタテインメント
コレクターズBOX \12,600(2004年12月22日)
 発売:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 販売:ジェネオンエンタテインメント
Video: 字幕版&吹替版 \16,800(2004年11月5日) 発売&販売:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン



● 解説

 朝鮮戦争を背景に、歴史に翻弄される兄弟の運命を描いたヒューマン戦争ドラマ。『銀杏のベッド』『シュリ』のカン・ジェギュ監督が5年ぶりにメガホンを取り、韓国映画としては史上最大規模の純製作費147億ウォンを投入して製作した超大作。カン・ジェギュは、2000年にテレビで放送されたドキュメンタリー、その内容は、朝鮮戦争に従軍した夫の帰りを待ち続けた老婆が、50年ぶりに発見された夫の遺骸を前にして泣き崩れる、というものだったが、その放送を見てこの映画の製作を思いたったという。チャン・ドンゴンが兄のジンテを、ウォンビンが弟のジンソクを演じ、ジンテのフィアンセ、ヨンシンを『秘花 〜スジョンの愛〜』『バンジージャンプする』のイ・ウンジュが演じる。チャン・ドンゴンとウォンビンのキャスティングは当初からアジア市場を意識してのもの。チャン・ドンゴンの部隊の同僚を演じたコン・ヒョンジンは、1991年にSBS公開採用タレントとしてデビュー、それ以降10年ほど無名時代を送った苦労人。2001年の『パイラン』から注目されるようになり、2002年には『恋する婚活プランナー』で第3回(2002)釜山映画評論家協会賞助演男優賞を受賞、MBCテレビ・ドラマ『恋人たち』でも人気を博した若手名脇役。日本公開作では『ラスト・プレゼント』イ・ジョンジェの相棒を演じている。イ・スヨンのミュージック・ビデオで顔を知られるようになり、SBSテレビのシトコム『オレンジ』で人気を博した新世代スターのチョ・ユニも出演。


● ストーリー


● 国際映画祭


● 受賞歴

第40回(2004)百想芸術大賞作品賞
第27回(2004)黄金撮影賞新人男優賞(ウォンビン)
第27回(2004)黄金撮影賞審査委員特別賞(カン・ジェギュ)
第41回(2004)大鐘賞撮影賞(ホン・ギョンピョ)
第41回(2004)大鐘賞美術賞(シン・ボギョン、カン・チャンギル、カン・ボギル)
第41回(2004)大鐘賞音響技術賞(イ・テギュ、キム・ソグォン)
第24回(2004)映画評論家協会賞撮影賞(ホン・ギョンピョ)
第24回(2004)映画評論家協会賞技術賞(チョン・ドアン)
第12回(2004)春史羅雲奎映画芸術祭審査委員特別賞
第12回(2004)春史羅雲奎映画芸術祭男子新人俳優賞(ウォンビン)
第12回(2004)春史羅雲奎映画芸術祭技術賞(CG:カン・ジョンイク)
第25回(2004)青龍賞男優主演賞(チャン・ドンゴン)
第25回(2004)青龍賞撮影賞(ホン・ギョンピョ)
第25回(2004)青龍賞技術賞(特殊効果:チョン・ドアン)
第25回(2004)青龍賞韓国映画最高興行賞
第3回(2004)大韓民国映画大賞撮影賞(ホン・ギョンピョ)
第3回(2004)大韓民国映画大賞視覚効果賞(特殊効果:チョン・ドアン)
第3回(2004)大韓民国映画大賞音響賞(キム・ソグォン)


● 関連記事

映画の中の南と北 −『ブラザーフッド』と『シルミド/SILMIDO』−
『ブラザーフッド』 コン・ヒョンジン インタビュー
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投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2004/2/19 17:16:36

 古今東西、朝鮮戦争を描いた映画は数多くあるが、この『ブラザーフッド』は最もリアリティに満ちた一本である。特に重要なのは、軍事政権終焉後の韓国において、韓国人自身の手で製作された大作である、という事だ。だから、我々外国人も「朝鮮戦争の映画」ではなく、あえて「六・二五動乱の映画」と形容すべき映画なのかもしれない。

 軍事マニアがそれなりに納得できる時代考証の丁寧さや正確さは勿論のこと、この戦争がいかに急激に進展していったかという様子が、一般市民の視線に立って実によく描かれている。それゆえ、話の展開が目まぐるしく、ポンポンと話が飛んでいってしまっている部分もあるが、これはこれで当時の空気をよく醸し出していると思う。

 美術やVFXは、韓国ならではの弱い部分も見受けられるが、決して映画の出来を阻害していないし、韓国の業界人が総力を挙げて作り上げた内容であることは間違いない。

 さて、この映画には、そういった表面上評価すべき点と共に、もう一つ大きな特色がある。それは、韓国人自身がこの戦争において「自らも加害者であった」という意見がはっきりと含まれていることである。特に、民間治安組織による同胞狩りや、韓国軍による報復処刑などに、そういった姿勢がよく出ているといえるだろう。

 朝鮮戦争を、韓国人がドラマで語るとき、特に外国人に対しては「いかに自分たちが被害者であったか」と主張するのが今までの通例であった。それは、建て前論的な部分も大きいが、どうしても反共的なプロパガンダを含まざるを得なかった結果、作品は「正義の韓国軍 vs. 悪の北朝鮮軍」の反共アクションか「生き別れした家族の悲劇」を描くメロドラマになってしまい、「兵隊=市民」という視点で描くことは、困難な事だった。

 金泳三政権以降、自らの戦いに対し冷徹に見つめていこうという姿勢を持った作品が出て来るようになってはいたものの、朝鮮戦争をそういった視点で真っ正面から描くには、戦いのスケールと、そういう映画に客が入るのか?という市場性ゆえ、それまでの韓国映画界にとっては非常に危険な博打だった事は想像に難くない。それを、1999年の『シュリ』によって、韓国映画界に大転換をもたらしたカン・ジェギュが手がけ、成功させたことは、なんと運命的な必然だろうか。

 今回、物語の中心は、あくまでも二人の兄弟である。

 能動的な兄ジンテ(チャン・ドンゴン)と、受動的な弟ジンソク(ウォンビン)の絆は気持ち悪い程強く、今の日本の感覚からいえば違和感を感じるくらいだ。だが、第二次世界大戦の前後に、一家の大黒柱を失い、母子で社会の混乱期を生き抜いていかなければならなかった事を思えば、この兄弟の関係は納得出来るものだし、それだからこそ、あの壮絶なラストを描く事が出来たのだとも言える。

 甘えん坊で気弱な弟ジンソクが戦火の中で逞しく成長していく姿、頼りがいのある兄ジンテが戦火の狂気で悪鬼に変貌していく姿は、主演二人の個性がうまくシンクロした好キャスティングだ。特にウォンビンは、役作りに励んだ結果か、今までのイメージとはかなり異なる風体ですらある。

 一番残念な事は、映画の進行上、女性たちや、その他市井の人々の描き方がかなりおざなりな点だ。ジンテの婚約者ヨンシン役のイ・ウンジュも、母親役のイ・ヨンナンも、添え物程度の出演になってしまっており、家族ドラマとしての深みにかなり欠けてしまっているし、銃後の悲劇を描く点でも同様だ(ちなみに処刑の指揮を取る青年団長をキム・スロが演じており、北朝鮮高級将校役のチェ・ミンシクを含め、この映画はちょっとした『シュリ』の同窓会的な遊びの趣がある)。

 カン・ジェギュの作品は『銀杏のベッド』にしても『シュリ』にしても、スピード感重視のためか、物語の説明を省く傾向がある。だから、この『ブラザーフッド』でも、ドラマを楽しむには、裏側に潜むものを読み取る注意が必要だ。ご覧になる前に、朝鮮戦争およびその前後の歴史について記された書籍を一読することを是非お勧めしたい。そうすれば、より物語の理解が深まることだろう。

 最後に、この作品もディレクターズ完全版を望みたいと思う。あと一時間長ければ、より傑作の領域に近づいたのではないだろうか。まさに、今という時代の韓国だからこそ生まれた映画である。

【評価:★★★★★】



投稿者:Ikuko 投稿日:2004/3/15 0:03:00

 今、『ブラザーフッド』が韓国で上映されていますが、私も先日ソウルに行った際、友人である韓国の映画監督と観覧してきました。個人的に、この映画には非常に感銘し、衝撃を受けて帰ってきました。すごくいい映画だと思いますし、作品的にもおもしろく(というと語弊があるかも知れませんが)、南北の戦争について、兄弟愛についてが描かれていた映画だと思って見ました。

 ところで、一緒に見に行ったその監督に、

「きみは、この映画を見た韓国人が、心の奥の深いところで日本に対する憎しみを持つことをわかるか…」

 そう言われました。

 日本が支配下に置かなければ南北に分かれることもなく、このような悲劇は、悲惨な戦争は起こらなかったということ、もちろん、この映画を見て、そのことだけを感じる人などいないだろうけれど、南北の戦争、南北分断の深い深い原因は、日本の統治にあること、そういうことを言いたかったようでした。私は、もちろん、そういうことには考えも及ばなかったし、ただ映画自体を鑑賞したまででした。おそらく日本で公開されても、この映画を見てそのようなことを感じたり考える人は、ほとんどいないだろうと思います。

 文化は文化で、ただ楽しみたい気持ちも私の中にはとてもあるため、その友人の言葉はとても重く、ものすごく痛い思いをしました。でも、実は、私達がもっと知らなければいけないことなのだろうと思います。もちろん、この事は、この映画だけではなく、いろんな場面で私達日本人が遭遇する出来事です。だけど、この映画の中にも、そのようなことも含まれているということを忘れてはいけないと思ったのです。だったら、『シュリ』『JSA』だってそうだ、と言われるかもしれないし、カン・ジェギュ監督はそんな意図は全くないとおっしゃるかもしれません。

 全然映画と関係ないかもしれないけれど、でもこの映画を通して、そう感じた韓国の人がいるということも事実です。そのことをわかってほしいという、友人の気持ちはとても重く、『ブラザーフッド』が日本で公開されたとき(『シルミド/SILMIDO』も公開になると思いますが)、私達が、そういう立場でも少しでも見ることができれば、と思います。

 その友人が望んだことも、韓国の人たちが望むことも、私達日本人が、きちんと事実を「知ること」なのだと思います。たったそれだけのことなのだと思います。それすらできていなかった私には、徹底的に壮絶なこの映画が、別の意味でものすごく重いものになっています。



投稿者:尾島実 投稿日:2004/8/4 00:42:04

 この映画は朝鮮戦争の映画というよりも、あくまで兄弟愛の映画なのである。この映画が背負っている「大作」とか「世界公開」というもののためにそうならざるをえなかったのかもしれない…と思ったりしているけど、単にカン・ジェギュの趣味なのかもしれない。とにかく比較的わかりやすく、万人を感動させ、涙を流させなければならないというのがこの映画の使命であって、そのために朝鮮半島の中心で兄弟愛を叫ばなくてはならない。

 戦場シーンは前評判通り『プライベート・ライアン』を彷彿とさせるもので、過酷さと凄惨さを強調する。特に同じ民族が疑い合い、殺し合うという悲惨さは、この戦争独特のものなんだと思うし、それが伝わって来ないことはないんだけど、やはりなんか物足りない気がする。朝鮮戦争の映画ならば、ここをもっと描かなくちゃと思うんだけど。

 その戦闘シーンの合間合間に入れられるエピソード。このエピソードが「兄弟愛」を盛り上げる小道具になっている。戦争開始前、仲の良い兄弟を描写するシーン、貧しくても夢をもって幸せにくらしているんだよということをことさらに強調する。兄弟は1本のアイスキャンデーを分け合い、はしゃぎすぎである。戦争開始後の状況との対比をことさら明確にするための、演出なんだなと最初からちょっと引いてしまった。

 弟を除隊させようと、成果を上げようとするあまりに残虐な行為も厭わなくなっていく兄。それに反発する弟。それを演出するために、死んでいく仲間や婚約者。そして、弟が死んだと思い込み兄が取る行動から最後の結末まで、すべては兄弟愛を引き立てるために用意されたアイテムなのだ。

 兄弟愛自体を批判しているのではない。確かに日本人から見れば大げさに見えないことはないけれど、兄弟愛が理解できないというのではなく、兄弟愛をクローズアップさせようとすることにストーリーが傾きすぎている。それですべてが予定調和的に見えてしまってしょうがない。

 あぁそうか、「予定調和的」。これこそがハリウッド大作の条件ではないか! 偉大なビジネスマンであるカン・ジェギュが制作した偉大な商業映画であることはまちがいない。

【評価:★★】


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