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太陽を射て!/韓国映画人が熱く燃えた日


題名
英題
原題
ハングル
太陽を射て!/韓国映画人が熱く燃えた日
Shoot the Sun by Lyric - The Fight for the Screen Quota in Korea
歌で太陽を撃つ−スクリーン・クォーター死守闘争の記録
노래로 태양을 쏘다 - 스크린쿼터 사수투쟁의 가록
製作年 1999
時間 90
製作 ユニコリア
ソウル映像集団
スクリーン・クォーター監視団
ドリーム・ベンチャー・キャピタル
監督 チョ・ジェホン
出演 韓国映画人が多数出演
日本版
Video
DVD
なし

 1998年から1999年にかけて繰り広げられた(そして今も続いている)「スクリーン・クォーター制度死守運動」のドキュメンタリー。

 韓国には、国内映画産業保護のため映画館に1年のうち一定の日数以上、韓国映画の上映を義務づけるスクリーン・クォーター制度という一種の規制があるのだが、これに対してアメリカが韓国国内にシネコンを作るかわりに制度の緩和を求め、韓国政府の意見が「廃止だ、いや制度温存だ」と分かれるに至って、痺れを切らせた韓国映画人が制度(=韓国映画)死守のため立ち上がった。1998年12月に1,200人もの映画人が自分の遺影を胸に抱いた俳優を先頭にソウルで街頭デモをしたり、1999年6月に監督を中心とした韓国映画人100人余りが全員丸坊主になったりした様子は日本でも報道されたが、あの運動のドキュメンタリー。

 韓国映画界の制度や、韓国映画人の心意気・団結力・映画にかけるハートの熱さを感じることができると同時に、監督・俳優・スタッフなど韓国映画人総出演の作品で、普段は見られない監督・俳優の生の姿を見られるという意味でも極めて貴重な作品と言える。発言をしている著名人は、ミョン・ゲナムイム・グォンテクチョン・ジヨンアン・ソンギムン・ソングンハン・ソッキュシム・ヘジンキム・ヘスチョン・ドヨンシム・ウナカン・スヨンなど。ナレーションはアン・ソンギ。

 原題の『歌で太陽を撃つ』は、韓国古代史を記した『三国遺事』の「空に二つの太陽が現れ人々が苦しんでいた時、月明法師が歌を歌うと片方の太陽が消え去り、平和が戻った」という逸話から来ている。

 監督は1960年生まれのチョ・ジェホン。彼は、1984年に映画誌の記者として映画人生活を始め、チョン・ジヨン、イ・ジャンホの下で助監督をつとめる一方で、1989年には映画評論家としてもデビュー。更に、『銀馬将軍は来なかった』の脚本を監督のチャン・ギルスと共に共同執筆するなど多彩な活動をしている人物。

 1999年の釜山国際映画祭でワールド・プレミア上映され、映画祭のメイン会場である釜山劇場前では、開催期間中ずっとスクリーン・クォーター死守のための署名運動がされていた。

 1998年から1999年にかけての「スクリーン・クォーター制度死守運動」については、日本語文献では

門間貴志「韓国映画人がとても燃えている」,『フィルム・ゴア』(NO.5,1999年,pp.38-39)
が詳しい。

 第4回(1999)釜山国際映画祭ワイド・アングル部門、第50回(2000)ベルリン国際映画祭ヤング・フォーラム部門、第14回(2000)福岡アジア映画祭、第4回(2000)富川国際ファンタスティック映画祭メイド・イン・コリア部門出品作品。

初版:2000/6/25



投稿者:SUM さん 投稿日:2000年9月17日(日)21時05分10秒

 楽しむ映画ではないけれども、非常に興味深い映画。価値のある映画。

【評価:★★★】


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