演劇では主に知識人の役をこなし、映画界に入ってからはチンピラ役の脇役出演が多かった個性派俳優。大学卒業後、劇団「漢江」の創立メンバーとして多数の演劇に出演。ルポライターとしての活動歴もある。
映画は、独立映画集団チャンサンコンメの『閉じられた校門を開けて』(1992)に教師役でデビュー。イ・ジサン監督のインディーズ映画『ローザのために』(1994)にも出演し、一時は「高学歴運動圏俳優」と呼ばれる。日本でも公開された『グリーンフィッシュ』では、ハン・ソッキュと一緒に車でパトカー追跡劇を演じる3番目の兄を演じている。また、この映画では演出部にも参加している。というより、元々『グリーンフィッシュ』には、シナリオと演出の勉強のために参加したのだが、イ・チャンドン監督の提案により急遽出演が決定。以後の活躍に繋がるという幸運を得る。
役者としては全く無名だった彼にとって転機になったのは1998年の大ヒット・メロドラマ『約束』。この映画で義理人情に厚いやくざのオム・ギタクをポニー・テールで好演し、第19回(1998)青龍賞男優助演賞、第36回(1999)大鐘賞助演男優賞を受賞。一躍時の人となる。そして、1999年の『リング』で、初めて主演に抜擢される。この作品では、日本版『リング』の真田広之の配役を演じた。
最近では、大作武侠メロ映画『アウトライブ −飛天舞−』、奇想天外なサッカー映画『ミラクル・サッカー』、コミカル・アクション『ガン&トークス』、坊さんコメディ『達磨よ、遊ぼう!』などに出演。独特の味のある演技を披露している。
次回作はキム・ユジン監督の『ワイルド・カード』と、イ・ジュニク監督の『黄山ヶ原』。
イ・ジサン監督のインディペンデント映画『彼女の話』にも出演しているが、こちらは公開のめどが立っていない。
初版:1998
最新版:2001/11/13
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