ケ・ヨンムク(桂鎔黙)の有名な小説『白痴のアダダ』を映画化した作品。聾唖であるがために社会の偏見の目にさらされている薄幸の美少女アダダの愛と悲劇の物語。
1920年代、日本統治下にある韓国の片田舎。名門両班(ヤンバン)の娘アダダ(シン・ヘス)は純粋で気立ての良い少女だったが、聾唖であるために嫁ぎ先が決まらないでいた。やっと没落両班ヨンファン(ハン・ジイル)との縁談がまとまり、アダダは田畑を持参して彼の元に嫁ぐ。しかし、遊びを覚えたヨンファンは町に出て商売を始め、成功して妾を連れて帰ってくる。成り金になった夫とその妾、それに物欲に負けた義理の両親に家を追い払われたアダダは、実家に戻ることも許されず途方に暮れる。そんな時、幼なじみのスリョン(イ・ギョンヨン)が彼女を優しく迎え入れ、二人は貧しいながらも幸せな毎日を送る。しかし、蓄えが貯まるにつれてスリョンもまた金の亡者になっていくのだった。
シン・ヘスとイ・ギョンヨンのデビュー作。ユン・サミュクが脚色を担当。撮影はチョン・イルソン。キム・ヨンビンが助監督をしている。
第39回ベルリン国際映画祭、第42回カンヌ国際映画祭、第4回(1991)東京国際映画祭「アジア秀作映画週間」出品、第26回(1987)大鐘賞編集賞・新人演技賞(シン・ヘス)、第24回(1988)百想芸術大賞大賞・技術賞(チョン・イルソン:撮影)・新人演技賞(シン・ヘス)、第12回黄金撮影賞特別賞・新人顔部門(シン・ヘス)、第12回(1988)モントリオール世界映画祭最優秀女優賞(シン・ヘス)受賞作品。
初版:1999/8/20
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