猫を思わせる目が印象的で、映画・ドラマ・演劇とマルチにこなす女優。ラジオ「チュ・サンミの映画音楽」でDJの経験もある。高名な演劇俳優である故チュ・ソンウン(秋松雄)の一人娘。大学四年生の1994年に演劇『ロリータ』でデビュー。『風が吹く扉を開けろ』で1996年の百想芸術大賞の演劇部門新人賞を受賞する。
映画は1996年の『つぼみ』がデビュー作。この作品では主人公の少女を探す若者四人の内の一人で完全なちょい役だったが、1997年に大ヒットした『接続』ではハン・ソッキュを愛するラジオ放送局作家を演じ、各種映画賞で助演女優賞候補としてノミネートされる。また、助演だったにも拘わらず女優人気調査でトップ10入りするまでになり一躍スターダムにのし上がった。その後、一年間で幾つものテレビ・ドラマに出演して人気を不動のものにし、単独のCM出演料で1億ウォンを提示されるなど話題を振り撒いた(単独で1億ウォンというのは、当時ハン・ソッキュ、ペ・ヨンジュン、チェ・ジンシルなどスーパースターにのみ許された出演料)。
1998年のヒット作『ソウル・ガーディアンズ 退魔録』では、映画初主演。悪魔の標的になる悲運の女性スンヒ役を巧みな心理描写で演じ「最高のキャスティング」との評価を得る。また、この映画の主題歌『必ずもう一度会おう』も彼女みずからが歌う。
1998年末頃に、日本の生理用品「ウィスパー」のCMに出演。2000年の『Interview』には、ドキュメンタリーでインタビューされる女優として出演した。
2001年に、高名な演劇俳優だった父、故チュ・ソンウンを追悼して記念小劇場「テアトル・チュ」を弘益大学近くにオープン。また、「テアトル・チュ」と同じ建物の中に「ギャラリー・チュ」も開設し、オフの時には、チュ・サンミ自らギャラリーでお客さんの相手をするという。なお「テアトル・チュ」は2002年1月4日に会員制芸術映画専門映画館「シネマテーク テアトル・チュ」として再オープンしている。
第5回(2001)富川国際ファンタスティック映画祭の特別上映部門では、チュ・サンミの父チュ・ソンウンを回顧するプログラムが組まれた。このプログラムでは、チュ・ソンウンが主演した『ピョンテの感激時代』(1975)が上映されたほか、チュ・ソンウンの舞台を映画化した『赤いピーターの告白』(2001)と、ドキュメンタリーの『チュ・ソンウンを追憶して』(2001)も上映。ちなみに、『赤いピーターの告白』のプロデューサー、チュ・サンウクと、監督・脚本・編集・音楽を担当したチュ・サンノクは二人ともチュ・サンミの兄。そして『チュ・ソンウンを追憶して』の共同監督の一人はチュ・サンミ。
同じく2001年には三年ぶりにスリラー『セイ・イエス』に出演。殺人鬼の標的にされる夫婦の妻を演じ、全裸演技も披露した。そして翌2002年にはホン・サンス監督の『気まぐれな唇』に出演。大学教授の妻を演じ、ここでもホン・サンス流の乾いたベッド・シーンをこなしている。
"Yahoo! KOREA" の「チュ・サンミのホームページ一覧表」(韓国語)はこちら。
初版:1998
最新版:2002/3/25
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