第35回(1997)大鐘賞
概要
韓国のアカデミー賞といわれる大鐘賞。97年は、出品作公募(9/1〜6)、予選(9/19〜25)、本選(9/27〜10/2)、10/4(土) 18:00〜20:00 受賞式という日程で開かれました。場所は、ソウルではなくて、サンバンウルが開発した「茂朱リゾート」(全羅北道茂朱郡茂朱邑)。ちなみに、スポンサーは三星からサンバンウルに変わり、正式名称も「大鐘賞映画祭」から「大鐘賞映画祝祭」に変わりました。
対象作品は、「定められた期間に製作されて法定審議機構の審査が完了し、8大都市(ソウル・釜山・大邱・大田・光州・全州・仁川・水原)のどこかで1週間以上公開された作品」。また、関連行事として全州のピカデリー劇場にて「韓国映画回顧展」が開かれました。
|本選進出作|
受賞作品/人物|
【賞名】 | 【受賞作品名/人物】 括弧内は対象作品名 |
最優秀作品賞 | 『接続』 |
審査委員特別賞 | 『グリーンフィッシュ』 |
監督賞 | チョン・ジヨン(『ブラックジャック』) |
主演男優賞 | ハン・ソッキュ(『グリーンフィッシュ』) |
主演女優賞 | シム・ヘジン(『グリーンフィッシュ』) |
助演男優賞 | イム・チャンジョン(『ビート』) |
助演女優賞 | チョン・ギョンスン(『娼』) |
新人監督賞 | チャン・ユニョン(『接続』) |
新人男優賞 | ソン・ガンホ(『ナンバー・スリー』) |
新人女優賞 | チョン・ドヨン(『接続』) |
脚本賞 | イ・チャンドン(『グリーンフィッシュ』) |
撮影賞 | ソ・ジョンミン(『ピアノマン』) |
照明賞 | イム・ジェヨン(『接続』) |
編集賞 | パク・コッチ(『接続』) |
脚色賞 | キム・ウンジョン(『接続』) |
音楽賞 | イ・ドンジュン(『グリーンフィッシュ』) |
美術賞 | キム・ユジュン(『娼』) |
音響技術賞 | キム・ボムス(『娼』) |
衣装賞 | クォン・ユジン(『娼』) |
新人技術賞 | イ・ソッキョン(『ブラックジャック』:撮影) |
企画賞 | コ・ドンフン(『父』) |
映画発展功労賞 | ファン・ムンピョン(音楽) |
特別技術賞 | アン・ゴノ(扮装) イ・テソン(スチール) |
特別演技賞(男) | チュ・ソギャン(演技) |
特別演技賞(女) | イム・エシム(演技) |
男子人気賞 | ハン・ソッキュ |
女子人気賞 | シム・ヘジン |
本選審査委員 |
委員長 | ユ・ヒョンモク(監督) |
委員 | キム・スンウ(韓国日報論説委員) |
アン・ビョンソプ(壇国大教授) |
チェ・ミン(韓国芸術総合学校映像院長) |
イ・ドゥヨン(監督協会長) |
ペン・ギョンムン(撮影監督) |
オ・テソク(演劇演出家) |
ユ・ジナ(映画評論家) |
ユン・イルボン(映画俳優) |
パソ通恋愛のお話『接続』が今年の最優秀作品賞。新人監督のデビュー作が受賞するのはかなり珍しいことです。『接続』は合計6部門を独占。審査委員長をつとめたユ・ヒョンモク監督によると、「出品作は全般的に感覚的なものばかりで、深みのある作品がなかったのが残念。クールなメディアであるコンピュータを媒介とした恋愛を描いた『接続』は独特な題材と描写に優れているという評を受けた。」そうです。
『グリーンフィッシュ』は、審査委員特別賞と男女主演賞・脚本賞など重要部門を5つゲット。今年は、『接続』と『グリーンフィッシュ』の二人勝ちです。
イム・グォンテク監督の『娼』は、最重要部門ではないものの4部門を受賞してなんとか体面を保ち、チョン・ジヨン監督の『ブラックジャック』は監督賞と新人技術賞を受賞。その一方で、合計14部門の候補にあがったイ・ミョンセ監督の『激しい恋』は一つも賞を受けられず惨敗。1997年上半期最大の入場者を記録した韓国映画であり、12部門の候補にあがっていたキム・ソンス監督の『ビート』も助演男優賞を受賞したのみ。
シム・ヘジンは1993年『結婚物語』と1996年の『銀杏のベッド』に続いての女優主演賞受賞。大女優の貫禄ですね。
受賞式には、ソン・テホ文化体育部長官をはじめ、ユ・チョングン全北知事、国会議員ユ・ジェゴン等6名、イ・ヘソン富川市長、パク・キュチェ映画振興公社社長、チョン・ホンテク映像資料院理事長、映画俳優アン・ソンギ、ナムグン・ウォン、カン・スヨン、チョン・ソンギョン等が参加。R.ef,D.J.DOC,H.O.T,キム・ゴンモら人気歌手の舞台と共ににぎにぎしく執り行われたそうです。
文責:ソチョン 1997/10/4
Copyright © 1998-
Cinema Korea, All rights reserved.
|