うら若き女性四人が偶然銃を手にしたことによって起こる数々の出来事を描く「プリティー・アクション・ロードムービー」。女性版『アタック・ザ・ガス・ステーション!』といった趣の作品で、銃がその人の人生を変えるという意味では『ガンマン』に通じる部分もある。劇中、女性四人の行動は多くの人の知るところとなり、インターネットにはファン・クラブまでできてしまう。そして、そのファン・クラブの名前が題名の「アフリカ」。ちなみに「アフリカ」は "Adoring Four Revolutionary Idols in Korea Area"(韓国の四人の革命的なアイドルを支持する)の頭文字を取って作られた造語。
落第点をくらいアルバイトも解雇されてしまった女子大生イ・ジウォン(イ・ヨウォン)と、指導教授に侮辱された俳優志望のキム・ソヒョン(キム・ミンソン)は、気分転換のために一緒に旅行をする。ところが、ソヒョンのボーイフレンドから借りた車の中から二挺の拳銃が出てきて、さぁ大変。この拳銃は、刑事キム班長(ソン・ジル)と暴力団のボス=ナルチ(イ・ジェラク)が博打の借金のカタにとられたものだった! やがて、自分の容貌にコンプレックスを持つ喫茶店従業員チョ・ヨンミ(チョ・ウンジ)と、昔の男に対する復讐に燃える洋品店の女性ユン・ジナ(イ・ヨンジン)も彼女たちに合流するが、四人の行動はなぜか思わぬ方向へ。全国で銀行、コンビニ、ブティックなどを片っ端から強盗する彼女たちの行動は全国に報道され、インターネットには「アフリカ」というファン倶楽部まで出来てしまう。しかし、四人を女ギャングと勘違いした軍警察と、拳銃をなくした刑事と暴力団のボスの追跡は続き、次第に彼女たちは追い詰められていく。
『アタック・ザ・ガス・ステーション!』、『子猫をお願い』のイ・ヨウォン(22)、『少女たちの遺言』でデビューしたキム・ミンソン(23)とイ・ヨンジン(21)、『ティアーズ』のチョ・ウンジ(21)という若手女優が集結。タフな女子大生ジウォン(イ・ヨウォン)、その友人ソヒョン(キム・ミンソン)、おっちょこちょいのキャラクター、ヨンミ(チョ・ウンジ)、ミステリアスな女性ジナ(イ・ヨンジン)を演じた。
脇役陣では、『アタック・ザ・ガス・ステーション!』で自分のガソリンスタンドを襲撃される店長を演じていたパク・ヨンギュが、この映画でも女性四人組にガソリンスタンドを襲撃される店長を演じ、持ち味の哀れな演技(笑)を披露。観客の爆笑を誘った。また、暴力団のボスを演じたイ・ジェラクのコミカルな演技も話題に。彼は『灼熱の屋上』、『リアル・フィクション』などに出演している個性派俳優で、1997年から四年ほどは香港・日本などを転々とした経歴を持つ。
『アタック・ザ・ガス・ステーション!』、『新羅の月夜』、『金を持って高飛びしろ』、『花嫁はギャングスター』などのパロディっぽい内容だが、作品のクオリティはこれらの作品には遠く及ばず、「なんのために有望な若手女優を起用したのか?」と評価は散々。また、興行的にも大失敗だった。
監督はシン・スンス。ハ・ソンナンの原作『夏休み』をソン・ミノが脚本化し、キム・ソンシル、コ・ヒョンチャンが脚色。撮影はチャン・ジュニョン。編集はコ・イムピョ。音楽はアン・ソンジュン。
初版:2002/1
最新版:2002/2/17
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