新羅の月夜
画像提供:ケングルーヴ(以下、同じ)
題名 英題 ビデオ邦題 ハングル |
新羅の月夜 Kick the Moon 風林高 신라의 달밤 |
製作年 |
2001 |
時間 |
113 |
製作 投資・配給 共同投資 |
良い映画 シネマ・サービス 無限技術投資 Entersdaq |
監督 |
キム・サンジン |
出演 |
イ・ソンジェ チャ・スンウォン キム・ヘス イ・ジョンス イ・ウォンジョン チョ・サンゴン ソン・ジル ユ・ヘジン イ・ハンガル キム・ヨンジュン キム・ハッキュ キム・ソンジュン パク・ソヌ キム・ソンギョム(特別出演) カン・ソンジン(友情出演) キム・スロ(友情出演) チョン・スファン(友情出演) |
日本版 Video DVD |
字幕版Video 吹替版Video DVD |
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恋の三角関係を描いたコミカル・アクション。慶州オールロケ作品。『アタック・ザ・ガス・ステーション!』のキム・サンジン監督第五作。『アタック・ザ・ガス・ステーション!』の製作・出演陣がこの映画でも集結しており、『アタック・ザ・ガス・ステーション!』のパワーアップ地方ロケ版といった趣のドタバタ・コメディ。
高校の修学旅行の地、慶州で起こった大乱闘が原因で、運命が変わってしまった男二人が10年後に慶州で再会。エリート・ヤクザになったヨンジュン(イ・ソンジェ)、そして高校の体育教師になったギドン(チャ・スンウォン)は、ラーメン屋を切り盛りするミン・ジュラン(キム・ヘス)を愛するようになる。
企画はカン・ウソク。製作はキム・ミヒ。シナリオはパク・チョンウ。原案は、キム・ヨンホ、イ・ヘジュン、イ・ヘヨン。撮影はチョン・グァンソク。音楽はソン・ムヒョン。セットはオ・サンマン。扮装/ヘアーはユン・エリョン。当初、新人のキム・ヨンホ監督がシナリオを書いて演出する予定だったが、シナリオ完成稿を見たカン・ウソクが演出意思表示をし、製作社もシネマ・サービスに変更。『アタック・ザ・ガス・ステーション!』の作家パク・チョンウが脚色に参加。そして、監督がキム・サンジンに再度変更になり、最終的には『アタック・ザ・ガス・ステーション!』のスタッフによって作られることになった。
軍隊を満期除隊になったイ・ジョンスがこの作品でキム・ヘスの弟役を演じ、三年ぶりに芸能活動を再開。キム・サンジン監督の前作『アタック・ザ・ガス・ステーション!』に出演していたカン・ソンジン、キム・スロ、キム・ハッキュ、イ・ウォンジョン、ユ・ヘジン等がカメオ出演している。
事前予約なしで、インターネットを通じて1億5千万ウォン分の一般投資者を公募したところ、開始から10秒で締め切られるという史上最短記録を樹立し、話題となった。
第20回(2001)バンクーバー国際映画祭、2002年フィラデルフィア映画祭「ニュー・コリアン・シネマ」部門、2002年ニューヨーク・アジア映画祭、第4回(2002)Udine Far East Film Festival招待、第14回(2001)東京国際映画祭協賛企画コリアン・シネマ・ウィーク上映作品。
第25回(2002)黄金撮影賞人気男優賞(チャ・スンウォン)、第39回(2002)大鐘賞新人男優賞(イ・ジョンス)受賞作品。
日本では劇場公開が見送られ、『風林高』という邦題でビデオ&DVDがリリースされる。
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投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2001/7/18 16:10:36
他愛ないコメディーだが、妙に可愛らしい後味の残る作品。
この映画を観た人は「『友へ/チング』のパロディか?」と感じた向きの方も多いと思う。そのくらい両者はテーマ性が共通しているが、韓国の個性をアピールする上で、こういう「地方であること」が重要な作品はもっと作られるべきであろう。
キム・サンジン監督の前作『アタック・ザ・ガス・ステーション!』よりも毒気がないので、前作が好きな人には物足りない感もあるだろうが、その分、普遍的な作品に仕上がっている。この監督、意外に作家性志向が強いようなので、将来どういう形で円熟してゆくか、非常に興味をそそられた。
ケンカ、ヤクザ、乱闘、三角関係と、いかにも韓国のコメディーである。
【評価:★★★】
投稿者:Nobukaさん 投稿日:2001/9/20 20:04:37
『新羅の月夜』を見ようと思ったのは、単に時間が空いていたからでした。7月に韓国に行き、大好きな『NANTA』を見たあとも待ち合わせまで時間があったので、ポスターを観て興味をひかれた『新羅の月夜』を見ることにしたのでした。初めて韓国の映画館で見る韓国映画。つまらなければ寝ちゃえ、と思っていたのですが結果として、最後まで大喜びしっぱなしでした。
とにかく笑う。チャ・スンウォン演じる体育の先生、ギドンが最高に可笑しい。すっとぼけていて、でも豪快で情に厚い学校の先生。彼のような先生が担任だったらよかったのに、と思ってしまうくらいの熱血先生です。落ち込むと人間は「走る」か「寝る」か二つのタイプにわけられるというけれど、ギドンはまさに走るタイプ。友達と同じ人を好きになって悩みながらも、黙々と筋トレに励んでいる姿はどこか可笑しい。
一方、イ・ソンジェ演じるヤクザの若頭は正反対の優等生。現にこのニ人は高校の時の同級生だったけれど、当時から正反対だった。常に冷静でかっこいいけどキレると怖い。でも一番怖いのは、お酒を飲むと別人になるキム・ヘスだったりする(笑)。
小気味いい、というのが一番似つかわしい映画でした。こういう「小気味いい」映画が、今の日本映画にはない要素だと思うのです。これはぜひ、日本でも公開してほしい作品です。
たくさん元気をもらいました。
【評価:★★★★★】
投稿者:大西康雄さん 投稿日:2001/12/10 13:11:03
2001韓国映画プロジェクトIIで、観覧。
この映画の2大テーマは学歴社会への揶揄と男の友情である。
キム・サンジン監督の前作『アタック・ザ・ガス・ステーション!』で、給油所を襲撃する青年たちの潜在的動機として、学歴社会、競争社会からの落ちこぼれへのトラウマ、コンプレックスということが示唆されていたが、本作ではその部分がさらに拡大されプロットに深く絡み、笑いを呼ぶ源泉としてメインに据えられたといえる。
優等生が暴力団の幹部になり、腕力ばかりのやんちゃ生徒が高校の先生になるという逆転にはじまり、暴力団のボスが高校生たちに「子分になりたきゃ、高校の成績で10位以内になれ」と叱咤激励し、逆に先生が生徒に「勉強なんかするな」と説教して回る再逆転のシーンなどは、笑わされると同時に、韓国社会における学歴信仰の根深さを実感させられる場面である(因みに逆転に次ぐ逆転で笑わせるというのは前作から継承された監督の作風であろう)。
この学歴社会の揶揄が恋の鞘当と絡み、大いに笑わせるという構造であるが、揶揄は必ずしも学歴社会に対する正面切った批判にはつながらず、最後は「男の友情物語」ソースをまぶして大団円にして終わりにしているので、その意味では底が浅いという批判もありうるだろう。とはいえ良くも悪くも(「男の友情」をまぶして終わるところも含め)現代の韓国社会をよく象徴している映画であることは間違いないのでは?
この映画はまだ日本での配給が決まっていないらしいが、韓国映画プロジェクトの会場では結構観客にも受けていた。荒削りながらもアクション・コメディーの佳品といえる。ただ、国内では松竹が配給した『アタック・ザ・ガス・ステーション!』が劇場動員で今ひとつ盛り上がらなかったことを考えると、国内での行く末がちょっと心配である。
本作はもちろん前作よりもコメディのつくりとしての進歩が感じられるのであるが、本作のセールスポイントである学歴社会揶揄は、日本の場合「共通一次試験」世代までは実感を持てるかもしれないが、今の「センター試験」世代には実感が湧かない可能性がある。また「男の友情」ソース効果も、日本の最近の社会情勢や日本の劇場動員を引っ張る層が20代後半から30代前半女性であろうことを考えると、ウケが期待できない。やはり男の友情物語でもあった『JSA』が結構入ったのは配給のシネカノンが相当な仕掛を考えたからであろう。『JSA』の場合でも、「インターネットや雑誌で見なきゃ損と書かれていたので来たけど面白くなかった」と文句を言っていた女性観客の姿を私も実際に見ている。
「学歴社会への揶揄」と「男の友情」が効力をもたないとすると、この映画、単なるドタバタ・コメディーと見るしかないのだが・・・
ともあれ、本作は今の韓国社会を映像を通じて実感したいという人には必見であろう。
【評価:★★★★】
【追記】
『新羅の月夜』の韓国製DVDを入手してみました。
DVDは20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・コリア、2001年12月リリース。カタログ番号:21781。収録フォーマット:片面2層、スクイーズ16:9、ビスタ(1:1.85)サイズ。音声:韓国語、ドルビー5.1チャンネル。字幕:英語/韓国語。収録時間:本編119分。リージョンコード:3(とパッケージにはあるが、日本のプレイヤーでも再生可能なので実際には ALL と思われる)。
本ディスクは『セイ・イエス』同様、20世紀フォックスよりリリースされているが、やはり画質・音質の良さは特筆もの。プロジェクターを使って、是非80インチ以上のスクリーンに投影して見て欲しい。20世紀フォックスから出る韓国映画のタイトルは要注目。
投稿者:ほのか さん 投稿日:2002/7/16 21:21:28
韓国からの留学生に薦められ、たまたま見たのですが・・・ しっかり、きっちり、はまりました!
おもしろい! この一言につきます!
私の心のツボにしっかり、はまった! 見ている間、何も考えずにただ素直に映画に見入ったって感じ・・・ 余計な事を考えず、ただひたすら笑い楽しんだ映画です。メインの三人の配役もピッタリで、笑いと、胸キュンのバランスもgood!
早く日本で公開され、スクリーンで見たい作品です!
【評価:★★★★★】
投稿者:chinatu_siteさん 投稿日:2003/8/27 23:22:51
すっごく面白い映画でした。
ちょっと生活習慣がちがうので微妙に笑えなかったのですが、後ろにいた韓国人の方は大爆笑してました。字幕のせいもあるのかな??
でも、ほんとに面白かったのですよ。熱血先生と冷静沈着のヤクザ幹部とストーリーはわかりやすかったのでよかったです。
でもタイトルがね・・・ 『火山高』に引っかけなのかしら?? ほかのタイトルにしてほしかったと思います。
【評価:★★★★】
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