女性死刑囚と男性弁護士の愛を描く法廷メロドラマ。題名の「インディアン・サマー」は、晩秋に突然訪れる真夏のような天気のことで、一生の中で突然現れた「恋」を表わすタイトル。『手紙』、『約束』など、メロドラマを得意とするパク・シニャンと、2000年にメロドラマ『魚座』の演技で第21回(2000)青龍賞女優主演賞を受賞したイ・ミヨンが、『モーテルカクタス』以来、四年ぶりに共演した。
夫の殺人嫌疑をかけられ死刑宣告を受けた被告人イ・シニョン(イ・ミヨン)。弁護士のソ・ジュナ(パク・シニャン)は、出世街道に乗るための海外研修を待つ間、彼女の控訴審の国選弁護人を担当することになる。しかし、シニョンは裁判を拒否。シニョンは死にたいのか? 本当は夫殺しなどしていないのでは? 彼女の他の被告人とは違う態度や立居振舞を見て気になったジュナは、事件の詳細を調べるために東奔西走。挙句の果てには他の担当事件と海外研修までもキャンセルしてしまう。そして、そんなジュナの姿を見たシニョンは少しずつ彼に心を開き始める。
内容からは法廷ドラマ&ミステリーを予想させるが実際は感傷的なメロドラマの要素が強い。ただし、一審−控訴審−上告審が一通り描かれており、韓国の司法制度や裁判に対するイメージをつかむにはよい材料。
1961年生まれで、シナリオ作家出身のノ・ヒョジョン監督デビュー作。ノ監督は、韓国映画アカデミー2期を卒業し、裁判ドラマ『あなたが女というだけで』(1990)の脚本で第29回(1991)大鐘賞脚本賞を受賞したほか、『歩いて空まで』(1992)の演出部、『われらの歪んだ英雄』と『101回目のプロポーズ』の脚色、『1990年の自由夫人』と『永遠なる帝国』の脚本を担当している。本作の脚本は、監督のノ・ヒョジョン、キム・ジヘ、イム・サンスの三人。
製作はチャ・スンジェ。『手紙』と『約束』の製作に参加したキム・ムリョンがプロデューサーをつとめる。セットはオ・サンマン。また、著名なCMディレクターであるチェ・ウンソクがこの映画の予告編を製作した。
『約束』の主題歌を歌った Jessica が、この映画の主題歌"Lost Without Your Love"を歌う。
ソウルで30万人を越える観客を動員しヒットした。
第5回(2001)富川国際ファンタスティック映画祭メイド・イン・コリア部門招待作品。大阪韓国映画祭2002上映作品(英語字幕による上映)。
第39回(2002)大鐘賞音楽賞(Michael Staudacher)受賞作品。
初版:2001/5
最新版:2001/9/15
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