永遠なる帝国
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『われらの歪んだ英雄』で一躍世界的注目を集めたパク・チョンウォンが李仁和(イ・インファ)の大ベストセラー長編歴史推理小説『永遠なる帝国』を映画化。18世紀の朝鮮王朝22代国王、正祖(アン・ソンギ)の時代を背景に、改革を推し進めようとする革新派とそれを阻止しようと暗躍する守旧派の宮中闘争、そしてそれにまきこまれる官吏イ・インモン(チョ・ジェヒョン)と彼の元妻サンア(キム・ヘス)を描く。
数々の謎めいた事件を通しての人間の心理描写は、さすがパク・チョンウォンとうならざるを得ないが、当時の歴史的背景を知らない我々外国人には少々理解が難しいストーリー展開というのも事実。台詞の少なさも手伝って少々催眠系の映画か?
特筆すべきは美しい宮中衣装と建築物。見るものの目を奪うことは間違いない。革新派と守旧派の衣装を色で区別する、画面的な映えを考えて建築物を実際より高めに作成するなど、細かい時代考証をすると必ずしも歴史的に正しいものではないが、見るものにとっては分かりやすくて(見やすくて)良い。黒澤の『乱』的映像といったところ。
脚本は、監督のパク・チョンウォンのほか、イム・サンス、パク・ソンジョ、ノ・ヒョジョンの4人による共同執筆。
第8回(1995)東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション、ハワイ国際映画祭、フライブルグ国際映画祭出品作品。1995年度映画振興公社選定「良い映画(上半期)」、第33回(1995)大鐘賞最優秀作品賞・監督賞(パク・チョンウォン)・撮影賞(チョン・ジョミョン)・照明賞(パク・ヒョヌォン)・編集賞(イ・ギョンジャ)・美術賞・音響技術賞(イ・スンチョル、カン・デソン)助演男優賞(チェ・ジョンウォン)、第15回(1995)映画評論家協会賞最優秀作品賞・男子演技賞(アン・ソンギ)・音楽賞(ファン・ビョンギ)・撮影賞(チョン・ジョミョン)、第31回(1995)百想芸術大賞技術賞(チョン・ジョミョン:撮影,ファン・ビョンギ:音楽)・女子人気賞(キム・ヘス)受賞作品。
『スキャンダル 〜永遠なる帝国〜』という邦題でDVDが日本発売されている。
初版:1998/4/28
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投稿者:SUM さん 投稿日:1998年8月7日(金)09時40分00秒
集中力が続くならスリルを味わえるだろう。
【評価:★★★】
投稿者:ともともともーんさん 投稿日:1998年10月5日(月)16時20分44秒
確かにその通りです。
それと事前に歴史の勉強をしてからみるのがいいかも
しかし勉強しなくてもこの映像の凄さは堪能できるでしょう。
【評価:★★★★】
投稿者:Kamibeppuさん 投稿日:1999年4月4日(日)16時53分00秒
壮大なストーリー。
時間も長いが、原作を生かすには、もっと長くてもいいくらい。とは私の友人談。
時代設定など、背景がわかると更に、面白い。私は、日本語字幕がないのをみたので、少々きつかったが、判らないところは、友達が解説してくれたので、最後まで、緊張感をもって、ストーリーを追うことができた。
セット、衣装はすばらしいの一言。韓国に興味のない人でも、楽しめるのでは?
【評価:★★★★】
投稿者:サンヂョンプンニョムさん 投稿日:2003/6/29 01:16:02
私は卒論でちょうどこの時代のことを研究していたので政治的・社会的背景はよくわかっていたつもりで、映画として十分に楽しめました。
まあ、私のようなケースは日本人では少数であって、大多数の人は理解しづらい点が多いと思われますが、当の韓国人にすれば一般常識なのでしょうね(いや、日本人もこのぐらいは隣国の歴史として知っておいたほうがいいと思う。個人的意見)。
ただ、この物語は推理ものですから、歴史を知っているとかえってそれが制約となってしまい、事件の仕掛け人を見誤ってしまう恐れがあります。私は三回観てようやく謎解きできました。
【評価:★★★★】
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