自他共に認める超生真面目な完璧主義者。肩に力の入った演技を身上としており、得意の恋愛映画でも怒涛のオーバー・アクションを披露するが、それが彼の最大の魅力でもある。
1992年大学卒業後、東国大大学院演劇映画科に進学するが、その後休学し、モスクワのシェーフキン演劇大学とロシアのシューキン演劇大学へ留学。演技の勉強を続け、1993年の『愛したい女、結婚したい女』に出版社の職員という端役で出演した。映画への本格デビューはカンヌ国際映画祭「国際批評家週間」に招待された『ユリ』。この映画への出演は、留学中、同期生のヤン・ユノ監督に映画の原作となる『死に関する一つの研究』を紹介されたのがきっかけ。パク・シニャンは、この本を数回読み出演のため帰国したという。『ユリ』ではオールヌードの演技を披露し、第17回(1996)青龍賞新人男優賞と第33回(1997)百想芸術大賞新人演技賞を受賞したが、興行的には失敗。再びロシアに戻ろうとした彼に、テレビ・ドラマ『りんごの花の香り』と映画『プワゾン』の仕事が入り、そのまま韓国にとどまることとなった。
第ニ作の『プワゾン』と第三作の『モーテルカクタス』も興行的に失敗だったが、第四作の『手紙』は大ヒット。この作品では思いやりのある暖かいキャラクターの前半と死に向かう悲壮感漂う後半とを見事に演じ分け、第18回(1998)映画評論家協会賞新人男優賞、第34回(1998)百想芸術大賞人気賞、第21回(1998)黄金撮影賞最高人気俳優賞を受賞。一躍トップ・スターの座を獲得した。
配役のキャラクターを100%把握することを第一としており、一旦撮影が始まると役に没入する。そして、場合によってはシナリオを変更したり、満足がいかなければ再撮影をも要求する完璧主義者として知られる。また、香港明星黎明(レオン・ライ)と一緒に歌を歌ったり(SBSテレビ・ドラマ・スペシャル『私の心を奪ってみて』のCD)、自身の主演作である『キリマンジャロ』でエンディングのタイトル曲を歌うなど歌に対する思い入れも相当なもの。
第五作『約束』では、やくざの親分でありながら繊細な感性を持ち、愛情表現に不慣れな男を演じた。『手紙』に引き続いての「つくす男」演技はこの映画でも炸裂しており、第19回(1998)青龍賞では男優主演賞と人気スター賞を、第7回(1999)春史映画芸術賞では男子演技賞を受賞。そして、第六作の『ホワイト・バレンタイン』ではギャラが2億ウォンに急騰。デビュー作『ユリ』のギャラが1千万ウォンだったことを考えるとものすごい出世。ただしメロドラマが三作続いたのが災いしたか、『ホワイト・バレンタイン』は出来は悪くないにもかかわらず興行的に失敗し、映画評壇でも全く評価されなかった。
2000年には、『キリマンジャロ』で性格の全く異なる双子の兄弟を一人二役で演じた。また、2001年の法廷メロドラマ『インディアン・サマー』では弁護士を熱演。完璧主義者の彼らしく撮影にあたっては半年ほど弁護士の勉強をしたという。
2002年10月13日に、13歳年下の女子大生と結婚。
初版:1998
最新版:2002/9/11
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