レイプ事件にまつわる裁判劇。実際に起った事件をもとに映画化された。キム・ユジン監督の出世作。
夫と飲食店を営むイム・ジョンヒ(ウォン・ミギョン)は、ある晩二人の青年に襲われ、無理矢理キスしようとしてきた男(キム・ミンジョン)の舌をかみ切ってしまう。その男は、彼女が誘惑してきたと偽り傷害罪で告訴。対抗上彼女も強姦未遂罪と傷害罪で告訴せざるを得なくなる。しかし、判決は両者有罪。自らを辱める裁判で世間の好奇の目にさらされ、心身ともにぼろぼろとなったジョンヒだが、新たに現れた有能な女性弁護士チョ・ミョンソン(ソン・スク)の勧め、そして自分を愛してくれている夫と子供のために控訴を決意する。
当時なかなか表沙汰にならなかったレイプという問題に対する社会的関心を喚起した問題作。女性蔑視・女性差別の問題を真摯に取り上げ、国内外で高い評価を受けた。企画はシンシネ。撮影監督はユ・ヨンギル。
イ・ユンテクの原作を、イ・ソンス,ノ・ヒョジョン,イ・ユンテクの3人が脚本化しているが、ノ・ヒョジョンは後に法廷メロ・ドラマ『インディアン・サマー』で女性監督としてデビューする。
第29回(1991)大鐘賞優秀作品賞・女優主演賞(ウォン・ミギョン)・男優主演賞(イ・ヨンハ)・脚本賞(イ・ソンス,ノ・ヒョジョン,イ・ユンテク)・特別部門賞(スチール:チェ・ジェホ)・特別演技賞(男優:チェ・ジェホ)、第11回(1990)青龍賞女優主演賞・女優助演賞(ソン・スク)、第11回(1991)映画評論家協会賞演技賞(イ・ヨンハ)受賞、第41回ベルリン国際映画祭、第17回モスクワ国際映画祭、第15回モントリオール世界映画祭、第36回アジア太平洋映画祭出品作品。
初版:1998/11/7
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