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海辺へ遊びに来たパソコン通信同好会会員8名が殺人鬼に襲われるというスプラッター・ホラー。2000年の夏、『ハーピー』，『友引忌 −ともびき−』に続いて公開された３作目のコリアン・ホラーで、韓国初の『13日の金曜日』，『スクリーム』型スプラッター映画。幽霊が出てこない初めてのコリアン・ホラーでもあり、ネットワーク社会における匿名の人間関係を題材にしているのが特徴。
パソコン通信の同好会「海を愛する同好会」に所属している会員8人に、海水浴場でオフライン・ミーティングをしようという一通の電子メールが届けられる。しかし、待ち合わせ場所の駅で列車を降りようとした時、会員のドヨン（キム・ミンソン）は何者かにナイフで刺殺される。彼女の死に気づかぬナムギョン（キム・ヒョンジョン），ウォニル（イ・ヒョンギュン），サンテ（イ・ジョンジン），ユナ（イ・スンチェ），ヨンウ（イ・セウン），ジェスン（ヤン・ドングン），ジョンミン（チン・テソン）の7人は別荘で初めて対面し、楽しい一時を過ごす。しかし、話題がハンドル名「サンドマン」の話に及ぶとメンバーの表情が一変する。サンドマンはチャット狂いの「海を愛する同好会」会員だったが、永久除名された上に自殺してしまった人物だ。その後、意気投合したユナとジョンミンは二人だけで森の中に消えていくが、直後に森から凄まじい悲鳴があがり、血の跡を発見した残りのメンバーは二人の死を予感する。そして、別荘に帰ってきたメンバー全員には殺人を予告するメールが届いていた。メールの差出人は「サンドマン」。ネットワーク社会から追放された「サンドマン」の残酷な復讐劇が始まったのだ。
慶熈大学英語英文学科を1995年に卒業した後、渡米し、ニューヨークのニュースクール・メディア学科で「映画製作および理論」を専攻し、1999年に学士をとって帰国したキム・インス監督デビュー作。1967年生まれの彼は、大学時代から映画団体で活動してきた映画マニアだが、帰国後最初に作ったのがこの『海辺へ行く』。
製作費は12億ウォン。『恋風恋歌』、『カル』を製作した Koo & C フィルムのク・ボナンが Koo & フィルムを設立して最初に製作した作品で、原案も彼。『カル』で培われた死体や血を映像化する技術がこの映画にも引き継がれている訳だ。脚本は、シム・ヘウォン，パク・ミヨン，ソン・グァンス，ペク・スンジェ，ノ・ジンスの５人による共同執筆。撮影監督は『少女たちの遺言』のキム・ユンス。音楽はチョ・ヨンウク。
新人俳優が大挙キャスティングされている。キム・ヒョンジョン（1979年3月29日生まれ）は、ベファ女子大学衣装デザイン学科在学中で、衣料ブランド「Storm」の第4期モデルとして芸能界デビュー。KBSドラマ『クァンキ』やMBCの『ジャンプ』に出演しており、映画はこれが初出演となる。イ・ヒョンギュン（1980年5月25日生まれ）は、壇国大学演劇映画科の学生で、『学校２』などのテレビ・ドラマに出演しており、映画は『愛のゴースト』に続き本作が２作品目となる。イ・スンチェ（1979年生まれ）は、ソウル芸術大学映画科の学生で、1996年にスーパーエリートモデル選抜大会でワールドツアー賞を受賞し、1998年にMBC27期でデビュー。ドラマ『薔薇と豆もやし』，『ジャンプ』などに出演し、この映画でスクリーン・デビュー。イ・ジョンジンもモデル出身で、『順風産婦人科』や『僕は彼女がいい』に出演経験がある。イ・セウン（1980年生まれ）はMBC28期で、ヤン・ドングンはTVドラマ『一つ屋根の三家族』，『学校』，『クァンキ』や映画『チャン』，『ダンスダンス』に出演している子役出身俳優。チン・テソンはダンスグループ「闘志」のメンバーで演技はこれが初めて。『少女たちの遺言』のキム・ミンソンが最初に殺されるドヨン役で友情出演しているほか、『秘花 〜スジョンの愛〜』のイ・ウンジュもラスト・シーンに出演している。
第18回(2002)アムステルダム・ファンタスティック国際映画祭招待作品。
初版：2000/8/15
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