チャン
題名 英題 ハングル |
チャン ZZANG 짱 |
製作年 |
1998 |
時間 |
107 |
製作 |
アンダーソン・カンパニー サンブ・ファイナンス 20世紀フォックス・コリア |
監督 |
ヤン・ユノ |
出演 |
チャ・インピョ ホン・ギョンイン ソン・ユナ チャン・ヒョク イ・ヨンジュン キム・ジュニ パク・ウネ ヤン・ドングン パク・ソジョン チョン・ユミ イ・ウニョン カン・レヨン ホン・ウニョン ホン・ジュヒ ソ・テファ チョ・ハンジュン |
日本版 Video DVD |
なし |
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教師と問題児学生の触れ合い、そして若者同士の愛・友情・希望などを、音楽とアクションを加味してコメディタッチで描いた青春映画。
成績によるクラス分けなど入試教育に没頭する高校。受験戦争から脱落した問題児がうようよいるこの学校に、熱血音楽教師ファン・ギプン(チャ・インピョ)が転勤してくる。彼は教育実習では落第点だったのだが、「問題児には問題教師で対抗する」というアイディアから、問題児の集まったクラスを任される。子供たちと一緒になって問題をおこすギプンに学校はいい顔をしないが、彼は学生達に全国学生音楽大会への参加を提案。彼らは既存のバンド演奏を捨て、自分の体と小道具、そして声だけでラップ・ミュージックを作り、学校とチンピラの妨害を跳ね除けコンクールに出場する。
人気タレントのソン・ユナが女性教師役で出演。また、ホン・ギョンインがシンナーを吸ったり留置場のお世話になったりする問題児ギチャンを演じる。多くの新人俳優がこの映画でデビューするが、チャン・ヒョクは絶対音感を持っているものの片方の耳をケガしてから暴力を振るう不良に転落したチャンを、歌手のキム・ジュニは熱血少女サンミを、パク・ウネは自分を守ろうとして耳をケガしたチャンに対する罪責感を持つ少女を、ヤン・ドングンはレゲエ頭の個性派学生ジョングを演じる。女子高生役女優陣の制服ファッションも話題に。
題名の「チャン」は若者が使う俗語で「最高,親分」などの意。MTVスタイルの劇場予告編も話題となった。1970年代のハイティーン映画ブーム、そして1980年代のイ・ギュヒョン監督をはじめとする青春物の人気に続く十代映画ブームが来るか?と話題になったが、ヒットするには至らなかった。ちなみに、公開前の等級審議では「悪口と暴力が行き過ぎ、不良学生を美化しすぎている」という理由で「18才未満不可」判定を受け公開日延期に。そして再審議では問題の暴力シーンを一部自主削除することで「15才未満不可」判定を受け、主要ターゲットである高校生が見られる形での公開にたどり着いた。
なお、1998年は韓国映画が外国会社の配給網で公開された最初の年となったが、この作品もそう。『男の香り』、『失楽園』に続いて三作品目となる。
初版:1998/12/7
最新版:2001/1/7
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【ソチョンの鑑賞ノート】
1998年11月30日、ソウル・シネマにて鑑賞。
1997年の大ヒットTVドラマ『星に願いを』で同じみチャ・インピョの映画界進出第1号作品。彼は『アルバトロス』には出てますが、あれは軍の広報映画でしたから純粋な商業映画としてはこれが初出演という訳。インピョ・ファンの皆様お待たせしました!と言いたいところですが、この映画の彼はイマイチ存在感がなかったです。落ちこぼれ学生を率いて彼らに夢を与える教師役で主役だったんですけどね。
落ちこぼれが集まったとあるクラスに熱血先生ギプンが担任として着任します。彼は型破りな先生で、生徒と一緒になってラップを踊ったりキーボード演奏したり。そして、無目的に生きている生徒に全国学生音楽大会への参加を提案。様々な苦労を乗り越えて、メデタシメデタシのラストへ。という訳で韓国版『天使にラブ・ソングを2』ですね。『天使に〜』ではウーピーの存在感が圧倒的でしたが『チャン』では教師役のチャ・インピョの印象が薄いです。クラスのボス生徒を演じるホン・ギョンインもイマイチ。じゃ誰が目立ってるかというと、絶対音感を持っているものの片方の耳をケガしてから暴力を振るう不良学生に転落したチャンを演じるチャン・ヒョクですね。彼は当初からギプンに反抗する役なので相当目立ちます。アクション、ラブシーン、演奏など様々な演技をするのは彼だけということもあって主役3人(チャ・インピョ,ホン・ギョンイン,ソン・ユナ)を食ってます。顔付きもなかなか精悍でした。
映画としては普通の出来で特にいいとも悪いとも思いませんでした。ただ、全編を通してラップのリズムが刻まれてますので、韓国ラップ・ミュージックを映画を通して体験したい人にはオススメ。韓国語って日本語よりラップ向きなので結構聞いてて楽しめます。
ちょっと気になったのは、観客の反応。ラストシーン。音楽大会の舞台で演奏を終え、アンコールの嵐の中「僕らに歌を歌うことの素晴らしさを教えてくれたギプン先生に感謝します」というような台詞と同時にステージの全学生が「チャン!」と親指を立てるのですが、ここで場内からクスクス笑う音が。あれは一体何? 映画が盛り上がるシーンで、絶対笑う場面じゃないのにあぁいう反応があると興ざめ。テレ笑いで笑ってるんだったら止めて欲しい。と、ここに書いてもしょうがないか。
監督のヤン・ユノは超前衛映画『ユリ』で衝撃的な監督デビューしたけれど、第2作ではラブ&コメ『ミスター・コンドーム』を作った人。そして次回作はパク・シニャン主演のメロ・ドラマ『ホワイト・バレンタイン』。どうもこの監督、一貫性がなくて何考えてるのかよく分かりません。いい映画作ってくれるのなら文句はないですけれど、一作毎に「話題」という意味でのパワーは落ちているように感じます。
1998年12月7日執筆
投稿者:SUMさん 投稿日:1999年2月23日(火)22時51分13秒
TVドラマ風な学園ストーリーが元気に綴られる。韓国版GTOという石坂浩一氏の表現も判る。チャ・インピョもハマリ役で、素晴らしい高校生役をこれだけ集めたのもたいしたもの。『GTO』や『天使にラブソングを』シリーズよりもいい出来かも知れない。
「お約束学園TVドラマ」の枠を大きく越えるものではないが、『ミスター・コンドーム』より幾分もちなおした感があるヤン・ユノ監督はやはりやりたいことはやらないと気が済まないらしい。
本編は予告編ほどにHipHopな映画ではないが、HipHop系音楽の使い方はなかなかで、聞いているだけで楽しめる。
【評価:★★★】
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