テクノ歌手として大人気のイ・ジョンヒョンが主演するハイ・スクール・ホラー。2000年の夏に大挙公開されたコリアン・ホラーの中の一作。題名の「ハーピー」は、ギリシャ神話に出てくる女の顔と体に鳥の翼と爪を持った残忍な性格の怪物の名前であり、かつ映画の中で高校生達が作る短編ホラー映画の題名でもある。
高校の映画サークル「ムービー・テン(movieten)」に所属しているスヨン(イ・ジョンヒョン)は同じサークルのヒョヌ(キム・レウォン)が好きなのだが、彼はエリム(キム・コッチ)と付き合っている。ところが、ヒョヌがスヨンに関心を持ち始めると、エリムはスヨンに嫌がらせを始め、3人は三角関係に陥る。スヨンは『ハーピー』という題名の短編ホラー映画のシナリオを完成させ、その撮影が始まるが、不思議なことにシナリオの内容が現実のものとなり、人里離れた山荘でムービー・テンのメンバーは一人また一人と死んで行く。
状況説明をするナレーションが頻繁に入り、それがカルト的なユーモアを持っているため、観客の「悲鳴」ではなく「笑い」を誘ってしまうという不思議なコメディ・ホラー。ホラー、青春映画、そしてコメディーを融合した新しいジャンルに挑戦している訳だが、このナレーションを気に入るかどうかが評価の分かれ目か?
主題歌はイ・ジョンヒョンのアルバム第2集に収録されている『タ』。イ・ジョンヒョンの相手役は、中央大学演劇映画学科在学中で、183cm 73kgの体格と親近感わく笑顔が魅力の新世代俳優キム・レウォン。1981年3月19日生まれの彼は1997年にMBCのドラマ『私』でデビューし、KBSの『大人達は知らない』、『学校2』、『伝説の故郷』、SBSの『順風産婦人科』、『片割れ』、『泥棒の娘』、MBCの『甘い新婦』などに出演しており、映画では『男の香り』でキム・スンウの子供時代を演じている。エリム役のキム・コッチ(1980年生まれ,中央大学映画科2年)は、6歳の時に自らの名前をタイトルにした『コッチ(花知)』(1986,監督は実の父親キム・ウォンドゥ)でデビューし、『バッドムービー』に非行少女アルポン役で出演した他、『リング』にも出演している女優。
映画界で長い下積み生活を送ったラ・ホボム監督デビュー作で、ミラシン・コリア製作第5作。ラ・ホボムは、清州大学演劇映画科を卒業した後、宇進フィルムの企画室に勤務し、イ・ヒョンピョ監督、ムン・ヨソン監督、イ・ヒョクス監督等の助監督や、TVドラマ『悲劇はない』などの製作にタッチしていた人物。撮影はソン・ヘンギ。編集はコ・イムピョ。大ヒットTVドラマ『ホ・ジュン』の音楽を担当したイ・シウが音楽を担当している。
初版:2000/7/24
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