1999年に記録的な大ヒットとなったアクション映画『シュリ』で悲劇のヒロインを演じた女優。韓国人女優には珍しい低音で響く情感のある声と自信あふれる態度が特徴。アメリカでの演技経験と英語力、そして知性美とセクシーさを兼備した本格的な女優で、『シュリ』が日本で大ヒットしてからは日本映画への出演オファーも殺到。2001年には『Newsweek』(2001年5月21日号)の表紙を飾った。
10歳の時アメリカに移民。米国の名門ニューヨーク芸術高等学校を卒業した後、ボストン大学の演劇学科に進学。シェークスピアを研究するためオックスフォード大学付属研究所のブリティッシュ・アメリカン・ドラマ・アカデミーで演技を専攻。その後、ニューヨークのブロードウェーで演劇俳優として活動する。アメリカではジョン・ウー監督の『フェイス/オフ』のオーディションも受けている。
アメリカでパク・チョルス監督やムン・ソングンと出会った後、1997年に韓国のテレビドラマ『華麗なる休暇』のニューヨーク・ロケに協力したのがきっかけとなって、同番組で韓国芸能界デビュー。そして帰国。テレビ・ドラマ『予感』と『ウェディングドレス』に出演し、知性美を備えたキャリアウーマン役などを演じる。
スクリーン・デビューは1997年の『殺す話』での端役。この映画では冒頭のシーンで女優役を演じている他、演技指導もしている。その他『スプリング・イン・ホームタウン』にも出演しているという情報があるがこちらは未確認。
本格的なスクリーン・デビューは1999年の『シュリ』。この作品は製作準備中から大きな話題となり、多くの女優がノーギャラで出演意思表明する中、新人でありながら映画のキーパーソンとなる女性役を任される。この映画での重量感ある演技は大絶賛され、第22回(1999)黄金撮影賞新人演技賞、第36回(1999)大鐘賞新人女優賞、第19回(1999)映画評論家協会賞新人女優賞を受賞。
1999年に設立された映画投資会社ユニコリア文芸投資(代表:ムン・ソングン)の俳優アカデミーに属し、後輩の演技指導を行った経験もある。
2000年の『燃ゆる月』では、『シュリ』の時の銃を弓矢に持ち替えて、愛する人を自らの手であやめてしまう悲劇の女性を熱演。
2001年に日本公開された日本映画『RUSH!』では、ひょんなことから逃避行をするうちに日本人男性(哀川翔)と恋に落ちる韓国人女性を演じている。なお、『RUSH!』の監督は、『KOKKURI・こっくりさん』(1997),『HYSTERIC』(2000)の瀬々敬久。『極道修行 決着(おとしまえ)』に製作協力したツインズが、この作品でも製作協力している。
2002年には藤原紀香と共に日韓国民交流年親善大使に任命された。そして、日本とアジアで同時発売されるカネボウ「T'ESTIMO」のイメージキャラクターにも藤原紀香と一緒に選ばれ、日本のお茶の間のCMにも登場。サッカーW杯が開催されているさなかの6月には、写真集『×○×○』もワニブックスより刊行された。
2002年には合計三本の映画に主演。ロスでロケがされた『アイアン・パーム』で、無類の焼酎好きの女性をコミカルに演じたほか、『イエスタデイ 沈黙の刻印』と『密愛』に出演している。そして、『密愛』の演技により第23回(2002)青龍賞で念願の主演女優賞を受賞する。
初版:1999
最新版:2002/10/4
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