無気力感漂う青春映画。24歳の若者の愛と別れといった日常生活を描く。
24歳のジュニ(キム・ヒョンソン)は、役所で公益勤務要員として勤務するかたわら、クリーニング屋でバイトをしている若者。公益軍務はあと一ヶ月で終わるが、その後何をやるかは何も決まっていない。そして、同じ役所で働く年上の人妻(パン・ウンジン)とは不倫の関係にある。ある日、パスポートを取得しにきた昔の彼女ウンジ(ピョン・ウンジョン)と再会したことをきっかけに、人妻に別れを切り出すが、なかなか関係を清算できない。そうこうしているうちに、ひょんなことからウンジの妹ヒョンジ(キム・ミンソン)と出会ったジュニは、屈託のない性格の彼女に心惹かれるようになる。一方、ジュニが働いているクリーニング屋の主人(ミョン・ゲナム)は店の前に張られた絵画展のポスターをじっと見つめていた。彼には昔、絵の心得があったようなのだが・・・
「公益勤務要員」とは、何らかの理由で兵役に就けない韓国人男性が、兵役の替わりに役所などで一定期間働く制度。ちなみに、イ・ビョンホンもいわゆる兵役は経験しておらず、公益勤務要員だった。
主役のジュニを演じるキム・ヒョンソンは、1976年生まれで現在ソウル芸術大学映画科を休学中。1996年に『三人友達』で主演の「無所属」役に抜擢された若手男優で、軍役を終えた後、八つの映画会社が共同で行った「チャレンジ2000−史上最大のオーディション」で本作のジュニ役を射止めた。『二十四』の撮影終了後にはチャン・ソヌ監督の『リザレクション』に出演している。『少女たちの遺言』でスクリーン・デビューし、テレビ・ドラマ『新世代報告:大人達は知らない』、『学校』、『メディカル・センター』などにも出演しているキム・ミンソンが、ヒョンジを演じる。トップ・モデルであるピョン・ジョンスの妹ピョン・ウンジョンがこの映画でスクリーン・デビュー。1976年生まれの彼女は姉の影響でモデルを始め、キム・ヒョンソンと同じく「チャレンジ2000−史上最大のオーディション」を通じてウンジ役にキャスティングされた。
1958年6月11日(陽暦)生まれのイム・ジョンジェ(林鐘宰)監督は、韓国映画アカデミーの一期生で、チャン・ソヌ、チャン・ギルス監督の下で助監督を経験し、1996年に『彼らだけの世界』で監督デビューした人物。本作は第二作となる。企画はパク・チョルス。脚本はチェ・ホンソク。撮影と照明は、『プライベートレッスン 青い体験』と同じく、ハム・スノ撮影監督とヨム・ヒョサン照明監督のコンビ。音楽は『彼らだけの世界』、『三人友達』、『マリといた夏』のイ・ビョンウ。編集はパク・コッチ。
本作は、製作会社である朴哲洙フィルムがある大田で撮影された。
第46回(2001)アジア太平洋映画祭審査委員特別賞・新人監督賞(イム・ジョンジェ)受賞、第25回(2001)モントリオール世界映画祭Cinema of Tomorrow: New Trends部門招待作品。映画振興委員会劇映画製作支援作。1999年朴哲洙フィルム・シナリオ公募当選作。
初版:2002/3/18
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