チャン・ソヌ
名前 漢字 ハングル |
チャン・ソヌ 張善宇 장선우 |
性別 |
男 |
監督作品 |
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1952年3月20日、ソウル生まれ。本名はチャン・マンチョル(張萬鐵)。社会批判的話題作を次々と発表する異色の監督として知られる。1971年ソウル大学に入学し、考古人類学を専攻。大学時代から約10年間マダン劇などの民衆文化運動に携わる。映画監督を目指したのはイ・ジャンホ監督の『風吹く良き日』(1980年)を見て、光州民主化運動を映画化してみようと思ったのがきっかけ。1981年に同監督の『彼らは太陽を撃った』のシナリオを書き、映画製作に携わり始める。光州事件(1980年)が起るなど政治的激動期であった1980年から1981年にかけては、民衆文化運動をしていたため当局からマークされ、その間ペンネームで映画評論を発表。
監督デビューはソヌ・ワン(鮮干浣)との共作『ソウルのイエス』。この作品は子供の目を通して欲望と虚勢の渦巻くソウルを風刺したものだが、その内容のため韓国ではお蔵入りになった。その後、TVの脚本を書いていたが、『成功時代』で監督復帰。資本主義に対する批判をしたこの作品が彼の出世作となる。その作品群は常に社会の現実と矛盾を鋭く突いており、最近作の『つぼみ(原題:花びら)』は光州事件で精神的ダメージを受けた少女を、『バッドムービー』はソウルの街角にたむろする不良少年達を描いている。
国際的な活動・評価も顕著で、コ・ウン(高銀)の小説を映画化した『華厳経』は1994年ベルリン国際映画祭でアルフレッド・バウアー賞を受賞。その他の作品『ウムッペミの愛』,『競馬場へ行く道』,『私からあなたへ(原題:あなたに私を送る)』,『つぼみ』,『バッドムービー』,『LIES/嘘』などはいずれも日本をはじめ世界各国の映画祭に出品されている。また、1995年には British Film Institute が各国の代表監督に依頼して製作した第48回カンヌ国際映画祭「映画誕生100周年記念ドキュメンタリー」の韓国版『シッキム(Cinema On the Road)』を手がけている。
『私からあなたへ』ではポルノグラフィー的世界を展開し社会的反響を呼び起こしたが、最新作『LIES/嘘』も同じ傾向の作品。1996年に出版され法廷で淫乱書籍との判決を受けて話題となったチャン・ジョンイルの小説『私に嘘をついてみて』を映画化したこの作品は、世界三大映画祭の一つであるヴェネチア映画祭のコンペ部門に韓国映画としては12年ぶりに進出し話題となった。
最新作は『リザレクション』。
次回作として、キム・スヒョン監督の『かわいい』に出演する。
なお、2001年には、アジア映画の権威として知られるイギリスの映画評論家トニー・レインズが、チャン・ソヌの映画世界と人生を描いたドキュメンタリー『チャン・ソヌ変奏曲』を製作。この作品は、日本でもイメージフォーラム・フェスティバル2001で上映された。
初版:1998
最新版:2001/12/1
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