HOME団体概要support シネマコリア!メルマガ登録サイトマッププライバシー・ポリシーお問合せ



サイト内検索 >> powered by Google

■日本で観る
-上映&放映情報
-日本公開作リスト
-DVDリリース予定
-日本発売DVDリスト
■韓国で観る
-上映情報
-週末興行成績
-韓国で映画鑑賞
■その他
-リンク集
-レビュー&リポート
■データベース
-映画の紹介
-監督などの紹介
-俳優の紹介
-興行成績
-大鐘賞
-青龍賞
-その他の映画賞


映画俳優イ・ジョンジェ

Text by 月原万貴子(月子)
2002/12/3受領



 俳優には二種類のタイプがあるという。

 自分から役柄に近づいていくタイプと、役柄を自分に引き寄せるタイプだ。前者は役柄ごとに体重を変えたり、歯を抜いたりと自らの肉体を改造し、役柄へと入り込んでいく。ロバート・デ・ニーロがこのタイプの典型だろう。一方、後者は自分の中の役柄に近い部分を膨らませることで、外見的にはあまり変化させずとも、その役を自分の中に取り込んで、まるで「地」で演じているかのように演じる。韓国の国民的俳優アン・ソンギなどがまさにこのタイプだといえよう。そして、私が大好きなイ・ジョンジェも後者タイプの俳優だと思うのだ。


『情事』

 彼はこれまでに数々の映画に出演、作品ごとに違った印象を与えてくれている。私が最初に見た彼の出演作は『太陽はない』だったのだが、ここでの彼は、だらしなくていいかげんで情けないけど愛嬌のある男だった。次に見た『情事』では年上の人妻との不倫に身を焦がす情熱的な男を、また日本初登場の『イルマーレ』では実の父との確執から孤独に生きる建築家を演じていたのだが、どれもが「もしかして、この人って本当にこういう人?」と思わせるほど自然だった。が、こんなにも違う人格が、すべて「地でやっただけ」のはずがない。つまりは、それだけ演技力のある人なのだということを、しみじみと実感させられたのだった。


『イルマーレ』

 この12月7日に公開される『ラスト・プレゼント』での彼は「才能はあるのに売れないコメディアン」である。優しくてとっても良い人だけど精神的にもろいところがあって、病に冒された妻が「この人を残しては死んでも死にきれない」と思ってしまうような頼りない男を、イ・ジョンジェは非常に繊細に演じている。役作りのためにパントマイムの特訓も受けたそうで、なるほど劇中での彼は、その表情といい身のこなしといい、コメディアンとしてもやっていけるのではないかと思うほど、可笑しみを醸し出すことに成功している。

 この冬は『ラスト・プレゼント』以外にもキネカ大森での特集上映「韓国映画特選2002」で『純愛譜−じゅんあいふ−』『イルマーレ』『情事』『Interview』が、そして『ラスト・プレゼント』サポーターズ・クラブ主催の上映会で劇場未公開作の『若い男』『イ・ジェスの乱』が上映される。

 ひとりの俳優の作品がこんなにもまとめて上映されるのはめずらしいことだと思う。映画俳優イ・ジョンジェのファンはもちろん、どんな人なのか興味を持った方は、これを機会に彼の実力を発見/再確認して欲しい。特に『若い男』は本当に若いイ・ジョンジェ(満21歳!)の初主演映画で、野心に燃える新人CMモデルを熱演。数々の新人賞を受賞した記念碑的作品なので、ファン必見! ぜひご覧になってみてください。


Copyright © 1998- Cinema Korea, All rights reserved.