1989年、ファッション・モデルとして芸能界入り。モデル出身者らしいスリムなスタイルが見る者を魅了する。東京でのファッション・ショーにも出演経験がある。映画デビューは、1994年の『コーヒー・コピー・鼻血』。悪女を演じた第2作『爪』の演技で第33回(1995)大鐘賞新人女優賞を受賞。
彼女を有名にしたのは、悲恋の女性ミダン姫を演じた1996年の大ヒット映画『銀杏のベッド』。この映画で一番光輝いていたのは文句なくチン・ヒギョンだろう。その後『ホリデー・イン・ソウル』では脚のモデル役を演じ、実験映画的趣向が強い『モーテルカクタス』では全裸の演技も披露している。トップスターの場合、露出度の高いシーンでは代役を使うのが当たり前の韓国映画界において、「作品性のためなら」と体を張った演技をする彼女の存在は貴重。また、単に裸を見せるだけではなく、演技の中で微妙な感情を表現することでも高い評価を受けている。
1998年に出演した『ディナーの後に』はかなりの性描写がある作品だが、他の女優がしり込みする中、チン・ヒギョンはシナリオに惚れ込み自ら出演を志願したとか。この作品では、結婚に執着してボーイフレンドとのセックスで快感を得られない女性役。今までは、その身長と現代的な顔ゆえか積極的で大胆なキャラクターを演じることが多かったが、古風な意識を持った女性を演じた。
1999年の『新装開店』では神経質でがめついアジュマ演技&ファッションを披露し、果敢な演技変身を試みた。
2000年には『総合病院 The Movie 千日間』、『プライベートレッスン 青い体験』、『ジャカルタ −現金争奪戦−』、『私にも妻がいたらいいのに』の四本に出演し、『総合病院 The Movie 千日間』では医師役を、『プライベートレッスン 青い体験』では教え子から求愛される女性教師役を、『ジャカルタ −現金争奪戦−』では犯罪のスペシャリスト役を、特別出演の『私にも妻がいたらいいのに』では久しぶりに再会した旧友と恋愛関係になる女性を演じた。なお私見だが、『私にも妻がいたらいいのに』では『銀杏のベッド』のミダン姫以来とも言える美しさを披露している。
2002年秋には、全州の韓一長神大学演劇映画学科で兼任教授に任命され「映画鑑賞の理解」という講座を担当した。
初版:1998
最新版:2002/9/27
|