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マイ・ボス マイ・ヒーロー


題名
英題
原題
ハングル
マイ・ボス マイ・ヒーロー
My Boss, My Hero
頭師父一体
두사부일체
製作年 2001
時間 98
製作
提供
配給
 
製作支援

 
ゼニス・エンターテイメント
FILMZ
CJエンターテインメント
FILMZ
イコリア
カプ・エンターテイメント
シムマニ
監督 ユン・ジェギュン
出演 チョン・ジュノ
チョン・ウンイン
チョン・ウンテク
オ・スンウン
ソン・ソンミ
パク・チュンギュ
パク・タミ
カン・ソンピル
イム・チャンジョン(友情出演)
日本版
Video
DVD
字幕版Video
吹替版Video
DVD

 暴力団のボスが学歴コンプレックスから子分達と一緒に高校に入学することによって引き起こされる大爆笑劇を描く。『友へ/チング』『新羅の月夜』『花嫁はギャングスター』『達磨よ、遊ぼう!』など、2001年には「暴力団」を題材にした作品が大流行&大ヒットしたが、この作品もその中の一つ。原題の「頭師父一体」は、主役のチョン・ジュノ演じるボスが「親分と師匠と父親は一体だ −頭師父一体−」という人生観を持っていることからきている。

 チョン・ジュノは暴力団のボスでありながら学歴コンプレックスで、高校に入学する主人公のケ・ドゥシクを、チョン・ウンインはドゥシクの右腕キム・サンドゥを演じる。『友へ/チング』のチョン・ウンテクもヤクザの「頭」役で出演。

 チョン・ジュノと恋に落ちる女子高校生イ・ユンジュ役は新人のオ・スンウンが演じる。『美術館の隣の動物園』のソン・ソンミが高校に入学したチョン・ウンインの熱烈な求愛を受ける英語教師イ・ジソン役で、パク・チュンギュがチョ・ボンパル役で出演。

 イム・チャンジョンが製作会社ゼニス・エンターテイメントの前作『ジャカルタ −現金争奪戦−』に主演していた縁で、この作品ではノーギャラで友情出演。

 2000年末に『ジャカルタ −現金争奪戦−』を成功させたゼニス・エンターテイメントとFILMZの共同製作作品。監督は『身魂旅行』のシナリオを書いたユン・ジェギュン。これが監督デビュー作で、本作の脚本も担当している。

 正式公開日は2001年12月14日だったが、有料試写会という名目で急遽一週間早く12月8日に一部の映画館で部分公開された。ソウルでは5スクリーンでのスタートとなったが、71%という高い座席占有率をマーク。事前の口コミ効果を狙った戦略だが、韓国映画で正式公開に先立って一週間も早く公開されたのは初めてのケースで、新しいマーケティング戦略として注目された。ちなみに、韓国では2001年12月8日に『火山高』、12月14日に『ハリー・ポッターと賢者の石』という超話題作が公開予定だったため、今回の先行部分公開は、これらニ作品との正面衝突を避けるための苦肉の策という意味合いもあった。

 この映画の製作中に、「伝説のヤクザが出所した後に新しい人生を歩むために、身分を隠して高校に入学する」というストーリーの漫画の出版社と、その漫画の映画化権を正式取得した映画製作会社が、「『マイ・ボス マイ・ヒーロー』は剽窃」としてソウル地方院で製作禁止仮処分申請訴訟を起こしたが、「『暴力団が学生になり、学校へ戻る』という設定は著作権法の保護を受けないアイディアの領域に属する」と訴えは棄却され、本作も無事公開された。

 第25回(2002)黄金撮影賞ネットワーカーが選んだ人気男優賞(パク・チュンギュ)受賞作品。

 韓流シネマ・フィステバル2005上映作品。



投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/1/3 20:59:58

 ダンディーで二枚目の都会派ヤクザが、ひょんなことから高校に入学する。だが、今まで生きてきた世界とあまりにも違うことから、ひと騒動が巻き起こるコメディ・・・ と書くとオーソドックスなコメディ映画を連想するかもしれない。ところがどっこい、主人公を巡る状況説明と登場人物たちの紹介が一通りなされてしまうと、そこから話は学校経営を巡るまじめで深刻な学園闘争物へと変貌し、ラストの大団円まで煮え切らない笑いがダラダラと続いてゆく。

 保坂尚輝似の主役チョン・ジュノは二枚目だが、肝心なところで「ヤクザであることの凄み」を全く噴出させないため、ラストに至るまでのカタルシスが妙に薄いままで終わってしまっている。彼を見守る腹心役のチョン・ウンインは、一貫して無表情なこわもてヤクザを演じているが、時々間抜けな心遣いをして笑わせてくれる他は、ソン・ソンミ演じる美人英語教師と場当たり的に熱烈な恋に落ちるだけの存在だ。

 こういった一種のクールな「インテリ・ヤクザ」っぽいキャラクターは確かに今風だし、現実的ではあるのだろう。だが、このことは多くの観客が望むであろう「立場の異なる登場人物たちの葛藤から生まれる笑い」をすべからく弱めてしまっており、非常にコメディとして物足りない作品になってしまっている。そこらへんのツボは『花嫁はギャングスター』は、実は巧みで一日の長があるといえるだろう。

 『友へ/チング』において、一番気弱な仲間を演じていた個性派チョン・ウンテクは、今回は準主役ともいうべき大活躍ぶりで、ひどいなまりのセリフを吐くヤクザの子分頭を演じ、かなり目立っている。このキャラクターは『友へ/チング』に対する、製作側の遊び心なのだろう。

 疾風のスタートを切る、学校生活編が始まっても、出てくるキャラクターはステレオ・タイプばかりで、主人公が周囲の信頼を得て団結してゆく過程が印象に残らない。クラスメートにオカマがいること自体、韓国の感覚からすれば、充分ヘンでおかしいのだろうが、大した活躍を見せないのでただの飾りで終わっている。ゲイに対する風当たりが日本の比ではないと言われる韓国社会では致し方ないことなのかもしれないが、もったいないキャラクターであった。

 そのような訳で、撮影が妙に丁寧であることを除けば平凡な作品であったが、私としては一つ興味をひかれたことがあった。それは、物語において描かれる「悪の学校側」と「正義の生徒側」の図式だ。これは、製作者たち(多分、386世代が中心なはずだ)の心の根底に流れる、50歳以上の世代、つまり386世代が学生時代を送った時分に管理する側であった世代に対する「恨み節」なのではないだろうか。

 この「学校と教育者は必ずしも正しい訳ではないし、絶対ではない」というメッセージは、『女校怪談』『火山高』にも共通する要素であり、この映画が今までの伝統的な「悪の象徴=諸外国勢、社会の権力者、古い習慣の束縛」という構図からの変質を感じさせる作品であったことは付け加えておきたい。

【評価:★★】



【鑑賞ノオト】 Text by 月原万貴子(月子) 2002/1/9

 武闘派でならしたヤクザの若親分ドゥシク(チョン・ジュノ)の弱点は学問がないこと。組織の幹部会議に出ても話についていけない彼は、これからのヤクザには学問も必要と考える大親分から、高校を卒業することを命じられる。手下達が工面してくれた寄付金をたっぷりと積んで、なんとか私立高校に編入するが・・・

 まあ、あほらしいホラ話なんで、ノレる人とノレない人に分かれるタイプの映画だと思いますが、私はツボりました。

 だって、チョン・ジュノがカッコかわいいんだも〜ん(爆)。

 ダーク・スーツにオール・バックでビシっと決めた夜の顔があんなにカッコいいのに、灰色ブレザーの制服に前髪ぱさりの昼の顔はめちゃくちゃ可愛い。遅刻して正座させられたり、彼がヤクザとは知らない不良にパンを買いに行かされたりと、既に30代のチョン・ジュノなのに高校生役が妙にはまっているのがなんとも可笑しいのだ(ちなみに隣の高校の不良役で友情出演しているイム・チャンジョンも、チェックのブレザーがなかなか似合っています)。

 腹心の部下が大学出のインテリで宿題を手伝ってくれるという設定や、生徒と熱血教師が団結して、学園を私物化しようとする校長一派と戦うストーリーなど、ありがちなパターンを脱していないものの、細部まで丁寧に作り上げた印象があり、好感が持てます。

 全編にちりばめられた細かいギャグ(露出&盗撮マニアの男など)に、大笑いさせられたし、ラストの落ちも効いていて、最後まで飽きさせない。ただし、暴力シーンが激しすぎるのが気になってしまいました。普通あれだけ殴る蹴るされたら死ぬって。それと英語教師役のソン・ソンミ(『美術館の隣の動物園』のタヘ役)、あんなボディコンで教壇に立つのは一種のセクハラでは?(笑) 男子生徒には目の毒でしょう。

 余談ですが、チョン・ジュノは実生活でも高校卒業から13年目にして大学受験にチャレンジし、見事合格。今年から世宗大学の学生となるそうです。まさに映画を地で行くといったところでしょうか?

【評価:★★★★】


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