消防署の救助隊員を主人公としたファイヤー・アクション・ムービー。過去に傷を持ち性格も全く異なる二人の救助隊員の対立と和解を描く。韓国では、同時期に類似したテーマの『リベラ・メ』も公開され話題を呼んだ。
消防署で救助隊員として働くイム・ジュヌ(シン・ヒョンジュン)とカン・ヒョン(チョン・ジュノ)は正反対の性格の持ち主。幼い時、溺れた自分を助けようとして亡くなった父が忘れられないジュヌは危険をも顧みず火の中に飛び込んでいく犠牲精神の持ち主だが、理性的で合理的な行動をとるヒョンはそんな彼を英雄気取りと非難する。実は二人はロッククライミングの最中、滑り落ちてしまった仲間をめぐって、彼を救うか、命綱を切って他の仲間の道連れを防ぐかで争った過去を持つ。そんな二人が同じ救助隊に配属され、最初の出動から衝突する。撤収命令にもかかわらず、火の海の中に残っている人を助けようとするジュヌと、これに反対するヒョン。殴り合いの喧嘩の末、ジュヌは救助をあきらめるが、この火災によって愛する妻と娘を失ったキム・ヒョンソク(ソヌ・ジェドク)は、ジュヌを止めたヒョンを憎むようになる。その後も、ことある毎に対立するジュヌとヒョン。しかし、そんなある日、ジュヌの恋人ハ・エリン(チャン・ジニョン)が働く工場で大火災が発生する。
主役のシン・ヒョンジュンとチョン・ジュノは撮影にあたって、消防学校に短期入学して実地訓練を受けた。また、ソウル消防防災本部や行政自治部消防局などの消防関連機関が、器具・設備の貸し出し、ロケ地の提供、消防隊員のエキストラ出演などで撮影に全面的に協力した。
『愛のゴースト』でデビューし『反則王』のヒロインを演じたチャン・ジニョンが、シン・ヒョンジュンの恋人役を演じる。ソヌ・ジェドクは『人生はなぜ客観式試験なのか』(1991)以来の映画出演となる。
主にアニメーションを製作してきたソヌ・エンターテイメントが初めて製作した作品。また、CM監督として活躍し1997年からシナリオを準備してきたイ・ジュヨプ(1965年生まれ)の監督デビュー作でもある。総監督はカン・ハニョン。製作はカン・ハニョンとキム・ホソン。脚本はクォン・スヌォン、シン・ミンチョル、そして監督のイ・ジュヨプの三人。脚色はウォン・ドンヨン。撮影は『豚が井戸に落ちた日』、『ポンジャ』のチョ・ドングァン。照明は『NOWHERE 情け容赦無し』のキム・イルジュン。編集はコ・イムピョ。音楽はパク・ホジュン。美術はユン・ギチャン。
特殊効果のスーパーバイザーとして『バックドラフト』、『ターミネーター2』のポール・ステイプルズを招聘。ハリウッド流のSFX技術により荒れ狂う炎を再現した。実際にSFX作業を担当したのは『銀杏のベッド』のミン・チスン(1964年生まれ)。
製作費40億ウォンあまりを注ぎ込んだ大作ディザスター・ムービーだが、興行的には惨敗だった。
第34回(2001)シッチェス国際映画祭「オリエント・エクスプレス」部門招待作品。
初版:2000/10
最新版:2002/1/12
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