のぞき魔ストーカー男の歪んだ愛を描いた作品。ヒッチコックの『裏窓』を思わせるサスペンス・タッチな作風が特徴。『鯨とり ナドヤカンダ』,『ディープ・ブルー・ナイト』,『神様こんにちは』などの名作を生み出した、監督=ペ・チャンホ、脚本=チェ・イノ、主演男優=アン・ソンギの3人が初めてトリオを組んだ作品。
高層マンションに一人で住んでいる「私」(アン・ソンギ)は、自閉症気味のアマチュア・カメラマン。彼は向かい側のマンションに引っ越してきた美女ソニョン(チャン・ミヒ)に心惹かれ、毎日のように彼女の部屋を望遠レンズでのぞき込んでいる。ある日、ソニョンが妻子ある社長の愛人として囲われていることを知った「私」は、ミスターMと名乗って彼女に接近し、彼女を不幸な境遇から助け出そうとする。「私」は社長夫人にソニョンと社長の関係をばらし2人を分かれさせることに成功するが、ソニョンは別の男(ナムグン・ウォン)と付き合い始めてしまう。そしてその男はソニョンの友人(ナ・ヨンヒ)とも付き合っていることが分かる。
主演女優のチャン・ミヒはこの映画を自分の出演映画ベスト5にあげている。シン・スンスが助監督を担当。後に『NOWHERE 情け容赦無し』で共同撮影監督をするチョン・グァンソクとソン・ヘンギの2人が、この映画では撮影監督(チョン・グァンソク)と撮影助手(ソン・ヘンギ)を担当している。
第6回ぴあフィルムフェスティバル/インターナショナル・ヤング・シネマ'86で上映された後、「韓国映画祭1946→1996 −知られざる映画大国−」で日本全国を巡回した。
第22回大鐘賞女優主演賞(チャン・ミヒ)、第20回(1984)百想芸術大賞演技賞(アン・ソンギ)、第29回アジア太平洋映画祭監督賞(ペ・チャンホ)受賞、第42回ヴェネチア国際映画祭出品作品。
初版:2000/2/20
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