パク・チョンウォン
名前 漢字 ハングル |
パク・チョンウォン 朴鐘元 박종원 |
性別 |
男 |
監督作品 |
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1958年、ソウル生まれ。デビュー当時は社会派としてならしたが、最近ではよりパーソナルな題材を好むようになっている。現在では監督としてメガホンをとるほか、韓国芸術総合学校映像院教授として後進の指導にもあたっている(2001年12月現在)。
漢陽大学演劇映画学科卒業後、韓国映画アカデミーに第1期生として入学、首席で卒業(韓国映画アカデミー卒業製作作品『10分間』[16mm短編、12分、1985年]は第25回(2003)ぴあフィルムフェスティバルで紹介されている)。1986年から1988年の二年間、イ・ドゥヨン監督の『石の児2』(1986)、『内侍』(1986)などで助監督として働いた後、1989年に『九老アリラン』で監督デビュー。
第二作の『われらの歪んだ英雄』は、子供社会を通して現代政治の矛盾を鋭く突き国内外で高く評価された。この作品は第13回青龍賞で最優秀賞を獲得、また同年のモントリオール映画祭で最優秀製作者賞を受賞した。第三作『永遠なる帝国』は1995年東京国際映画祭出品作品。1996年には七人の中堅監督によるオムニバス『ビールが恋人よりいい7つの理由』に参加している。そして1999年の『虹鱒』は第12回(1999)東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員特別賞を受賞した。最新作はゲームの世界と現実の世界の区別がつかなくなった若者を題材にしたスリラー『パラダイス・ヴィラ』。
常に「社会集団内における個人」と「絶対的な真実」をテーマとしているパク・チョンウォンの作品は、韓国内にとどまらず世界に通ずる普遍性を持つ。ただ、『九老アリラン』、『われらの歪んだ英雄』、『永遠なる帝国』では、韓国の政治状況・社会状況をバックに社会的な権力闘争を描き高い評価を得てきたが、最近作の『虹鱒』、『パラダイス・ヴィラ』では限定された空間内で極限状態に置かれた人間がさらけ出す本性、個人的な欲望が狂気に繋がる様を描写。社会的な映画というよりも、よりパーソナルな題材を映画の主題にするようになってきている。
以前は「個人に対する社会の暴力」、「社会的な権力の問題」を描いてきたパク・チョンウォンが『虹鱒』と『パラダイス・ヴィラ』では「個人に対する個人の暴力」を描くようになった訳だが、これは1990年代後半に入り韓国映画界が社会的なテーマを追うことから個人的なテーマを主題にした作品へシフトしてきたことと符合する。
初版:1998
最新版:2001/12/10
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