ソウルで生きる4名の若者を主人公にした青春映画。キャッチフレーズは「新感覚カジュアルムービー」。若い女性ロッカーを描いたイ・ジェイクの小説『疾走、疾走、疾走』を映画化。都市に住む若者の愛と友情、挫折と挑戦、不安と怒りを『トレイン・スポッティング』,『メイド・イン・ホンコン』のように MTV スタイルの映像で描く。強烈なビートのロック・サウンドにのって大都市を駆け回るカメラ。b-shutter撮影や手持ち撮影の多用により、映画全体が疾走しているかのような錯覚に陥る。
女性ロッカーのパラム(ナム・サンア)。口数の少ない彼女は音楽を続けるために昼はクラブ「フリーバード」でアルバイト、夜はクラブの舞台に立つ。日本料理屋でアルバイトをするサンジン(イ・ミヌ)。ぼろアパートで妹サンヒ(イ・ヘリョン)と二人っきりで住んでいる彼の夢は大学に通う女友達をスポーツカーに乗せて海辺を突っ走ること。ソウル大学法学部を出たのに、司法試験に落ちてばかりいるソヌ(ソン・ナモ)。ビデオ店でアルバイトをするようになった彼が劣等感を忘れられるのはホステスのサンヒとセックスをしている時だけ。「愛なんてない」と考え、酒とセックスに溺れた毎日を送っているスンヒョン(キム・スンヒョン)。アメリカ留学を途中で放棄して帰ってきた彼は、クラブでパラムを見て一目ぼれ。彼女に接近するためにフリーバードでアルバイトを始める。そして、彼ら4人は、バイト先が同じビルに入居していた事をきっかけに知り合う。
ロックグループ「ハックルベリーフィン」のボーカル ナム・サンアが女性主人公パラムを演じ、自分の代表曲を映画の中で熱唱する。サンジンの友人クムソク役はキム・テウク。オレンジ族スンヒョンを演じるキム・スンヒョン(18)は、1998年に衣料ブランド「Storm」のモデル4期でデビューし、SBS『生放送人気歌謡20』のVJ、KBSドラマ『幸福にしてさしあげます』、SBSドラマ『私、どう』、ミュージカル『さまよう星達』に出演して、一躍青春スターとなった人物。金浦高校3年で、183pのすらりとしたスタイルに可愛いながらもタフな雰囲気が魅力。『セブンティーン』にも出演し、TVドラマ『龍の涙』でイ・ミヌと夫婦役を演じたイ・ヘリョンがこの映画ではイ・ミヌと兄妹の関係で出演。
これが長編映画デビューとなるイ・サンイン監督は、学生運動映画を作った後、米国シラキュース大学院に留学。短編で名をあげた後、現在は龍仁大学映画映像学科で教鞭を執っている人物。『カンウォンドの恋』に出演したペク・チョンハクが監督とシラキュース大学大学院の同窓という縁でレコード製作者のチャンファン役で友情出演。
脚本も監督のイ・サンインが担当。撮影のキム・ヨンチョルは、清州大学演劇映画科を卒業し、現在龍仁大学大学院に在学中。大学院では監督のイ・サンインの教えを受けており、『情事』と『カンウォンドの恋』の撮影も担当している。
第18回(1999)バンクーバー国際映画祭コンペ部門、2000年香港国際映画祭、第49回(2000)ハイデルベルク国際映画祭招待作品。
初版:2000/3/15
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