HOME団体概要support シネマコリア!メルマガ登録サイトマッププライバシー・ポリシーお問合せ



サイト内検索 >> powered by Google

■日本で観る
-上映&放映情報
-日本公開作リスト
-DVDリリース予定
-日本発売DVDリスト
■韓国で観る
-上映情報
-週末興行成績
-韓国で映画鑑賞
■その他
-リンク集
-レビュー&リポート
■データベース
-映画の紹介
-監督などの紹介
-俳優の紹介
-興行成績
-大鐘賞
-青龍賞
-その他の映画賞


サイの角のように1人で行け


題名
英題
ハングル
サイの角のように1人で行け
Three Women on the Road
무소의 뿔처럼 혼자서 가라
製作年 1995
時間 105
製作 呉炳哲プロダクション
監督 オ・ビョンチョル
出演 カン・スヨン
シム・ヘジン
イ・ミヨン
イ・ジヌ
イ・イルチェ
キム・イソン
イム・イルチャン
キム・ミョンス
キム・ジニ
ユン・ドンファン
日本版
Video
DVD
なし

 65万部をこえるベストセラーとなり、演劇にもなった孔枝泳(コン・ジヨン)の小説『犀の角のように独りで行け』(1993)を映画化した作品。異なる結婚観と人生観を持つ大学同級生の三人の女性のその後の人生を通して、現代韓国の女性像を描く。

 大学で同級生だったヘワン(カン・スヨン)、キョンヘ(シム・ヘジン)、ヨンソン(イ・ミヨン)の三人は、聡明で強靭な女性であることを自負していて、卒業後は独自の道を歩み始める。しかし「女性の自立」といっても世の中そう簡単にはいかないもの。作家になったヘワンは交通事故で子供を失い、それが原因で離婚する。キョンヘは医師(イ・イルチェ)との結婚後も放送局での仕事を続け、傍目には能力のあるキャリアウーマンと家庭を両立していると見られているが、夫の浮気に自分も浮気で応えている。映画監督(キム・イソン)の妻になったヨンソンは夫の浮気が原因でアルコール中毒になり別居。ヘワンの家で暮らすようになる。ヨンソンはなんとか夫のもとへ戻るが、ついには自殺してしまう。

 三人の女優の豪華キャストが見所。女優のための映画。なお、題名の『サイの角のように1人で行け』は、自殺したヨンソンがヘワンの家にいた時に書き残した詩。原作小説は『サイの角のようにひとりで行け』という題名で日本語訳(訳:石坂浩一)が新幹社から発売されている。なお、この映画の監督と原作者は夫婦。1998年の韓国文化院映画鑑賞会で上映された時は『3人の女の孤独』という題名で上映された。撮影監督はユ・ヨンギル

 1995年度映画振興公社選定「良い映画(下半期)」、第32回(1996)百想芸術大賞女子演技賞(シム・ヘジン)受賞作品。

初版:1998/8/21


【ソチョンの鑑賞ノート】

 主婦版『ディナーの後に』といった趣の作品で、なかなか楽しめました。

 韓国映画界は、この『サイの角のように1人で行け』の頃から急速に変化してまして、最近の作品を見慣れた目で見ると、たった4年前の映画なのに映像的古さが目に付きますし、「女性」をこういう視点で描くこと自体にも古さを感じますが、『ディナーの後に』と比べた時、その古さがとても面白いのですね。映画のテクニック的な差や、センスの違いからは韓国映画界の変化を感じることができますし、1995年(ただし原作小説は1993年)の『サイの角のように1人で行け』と、1998年の『ディナーの後に』がその当時の女性の社会的な立場や考え方を反映しているものだとすると、社会学的にも色々面白い事実が見えてくる気がします。例えば『サイの角のように1人で行け』の女性は「大学を卒業したら何はともあれ結婚する」という社会的通念の中で生きていますが、『ディナーの後に』の女性は既に「結婚しない」という選択肢を持っています。が、それにもかかわらず両作品に登場する6人の女性は、結婚したらしたで様々な悩みをかかえ、しなかったらしなかったでまた別の悩みを持っている。映画の中の誇張された作り話とはいえ、時代の移り変わりとともに変化していく「女性の悩み」を、はからずもこの2作品はうまく描写しているように思います。

 韓国映画界はここ数年ものすごい勢いで変化しているのですが、韓国社会はそれ以上のスピードで変化している。韓国映画の進歩というのは韓国社会の猛烈な変化の一つの結果に過ぎないのかもしれない。そんな事を考えながら、この映画を見ていました。

1999年11月14日執筆


Copyright © 1998- Cinema Korea, All rights reserved.