65万部をこえるベストセラーとなり、演劇にもなった孔枝泳(コン・ジヨン)の小説『犀の角のように独りで行け』(1993)を映画化した作品。異なる結婚観と人生観を持つ大学同級生の三人の女性のその後の人生を通して、現代韓国の女性像を描く。
大学で同級生だったヘワン(カン・スヨン)、キョンヘ(シム・ヘジン)、ヨンソン(イ・ミヨン)の三人は、聡明で強靭な女性であることを自負していて、卒業後は独自の道を歩み始める。しかし「女性の自立」といっても世の中そう簡単にはいかないもの。作家になったヘワンは交通事故で子供を失い、それが原因で離婚する。キョンヘは医師(イ・イルチェ)との結婚後も放送局での仕事を続け、傍目には能力のあるキャリアウーマンと家庭を両立していると見られているが、夫の浮気に自分も浮気で応えている。映画監督(キム・イソン)の妻になったヨンソンは夫の浮気が原因でアルコール中毒になり別居。ヘワンの家で暮らすようになる。ヨンソンはなんとか夫のもとへ戻るが、ついには自殺してしまう。
三人の女優の豪華キャストが見所。女優のための映画。なお、題名の『サイの角のように1人で行け』は、自殺したヨンソンがヘワンの家にいた時に書き残した詩。原作小説は『サイの角のようにひとりで行け』という題名で日本語訳(訳:石坂浩一)が新幹社から発売されている。なお、この映画の監督と原作者は夫婦。1998年の韓国文化院映画鑑賞会で上映された時は『3人の女の孤独』という題名で上映された。撮影監督はユ・ヨンギル。
1995年度映画振興公社選定「良い映画(下半期)」、第32回(1996)百想芸術大賞女子演技賞(シム・ヘジン)受賞作品。
初版:1998/8/21
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