チルスとマンス
題名 英題 ハングル |
チルスとマンス Chilsu and Mansu 칠수와 만수 |
製作年 |
1988 |
時間 |
108 |
製作 |
東亜輸出公司 |
監督 |
パク・クァンス |
出演 |
アン・ソンギ パク・チュンフン ペ・ジョンオク |
日本版 Video DVD |
なし |
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絵の素質のある青年チルス(パク・チュンフン)。彼はアメリカにいる姉から呼び寄せられることを心待ちにしながら、宣伝看板を描く劇場美術部でマンス(アン・ソンギ)の助手をしている。ところが、姉との連絡も途絶え、好きな女子大生ジナ(ペ・ジョンオク)ともうまくいかない。一方のマンスは、反体制運動が原因で投獄中の父に心を痛めるている。こんな二人は互いの悩みを打ち明けあい、次第に友情で結ばれていく。
ある日、高層ビルの看板描きの仕事をしていたチルスは酒をのみ、憂さ晴らしに叫び始める。それを止めるマンスだが、地上では彼らが投身自殺をするのだと勘違いして大騒ぎが始まる...
国際的に名の知られた韓国人監督の一人、朴光洙(パク・クァンス)のデビュー作。主人公の七洙(チルス)と萬洙(マンス)に自分の名前の漢字「洙」を入れるなど、作品への思い入れの深さが感じられる。民主化前夜の韓国社会における若者の姿を生き生きと、そして軽やかなテンポで描いた傑作。ラストシーンで語られる台詞は社会に向っての主張であり、見る者を引き付ける厳粛さを持つ。なお、原作は台湾の作家黄春明によるもので、台湾でも『二人のペンキ屋』という題名で映画化されている。
撮影はユ・ヨンギル。音楽はキム・スチョル。キム・ドンビンとイ・ヒョンスンが助監督を担当している。
第27回(1989)大鐘賞録音賞(イ・ヨンギル)・新人監督賞(パク・クァンス)・脚色賞(チェ・インシク)、第25回(1989)百想芸術大賞新人監督賞(パク・クァンス)、第9回(1989)映画評論家協会賞男優演技賞(パク・チュンフン)、1988年ロカルノ国際映画祭青年批評家賞受賞作品。第39回ベルリン国際映画祭出品、第3回シンガポール映画祭出品作品。
初版:1998/4/25
最新版:2000/12/20
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投稿者:SUMさん 投稿日:1998年4月23日(木)9時44分00秒
閉塞感はそこにある。結末には悲しさもある。それでも、明るいのだ。どこまでも明るいのだ。この二つが両立しているこの感覚がずしっと心に響いてくる。すっきりするし、しないのだ。二人が影響を与えあいながら生きているその美しさがなんともたまらない。このきわどい、すれすれの感覚がこの時代なのだろうか。
【評価:★★★★★】
投稿者:Kamibeppuさん 投稿日:1999年4月4日(日)20時47分31秒
結構、時間は長い。
アン・ソンギ、パク・チュンフンと韓国を代表する2人が出演していなかったら、最初の1時間を見るのは正直言って、ちょっときついかもしれない。しかし、ちょっと間延びしているように思った、前半から中盤も、ラスト10分をみれば、これを言いたかったが為に、享楽的な前半、中盤があったのか、と否応なく納得させられる。
ラストで、警官がチルスとマンスに語る言葉は、監督が、観客に語りかける言葉でもある。
この1960年から1980年代後半までの時代は、親や親類が、政治犯として逮捕された人たちが、本当に沢山いて、社会で活躍する場所を奪われた人たちが多くいた。
どうでも良いことなんですが、ラストで看板を描くビルは、高速バスターミナルのビルなんですが、私の友達は、この近くのアパートに住んでいて(映画でも映る)、この撮影の騒ぎと看板を記憶しているとのこと。その時は、本当の事件かと思ったのに、ニュースでやらなかったので不思議だったそうで。
【評価:★★★★】
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