韓国の受験戦争は日本以上の激しさだが、この作品は受験戦争に苦悩する高校生を描き、高い評価を受けた。1988年に『甘い新婦』でデビューしたカン・ウソク監督の出世作で、シンシネのシン・チョルも企画に参画している。また、後に『身魂旅行』で監督デビューするナ・ホンギュンが助監督をつとめている。
高校2年生のボング(ホ・ソク)とチョンジェは成績が悪い生徒。ボングは学年トップの優等生ウンジュ(イ・ミヨン)が好きで、チョンジェも養護の先生を片思いしている。両親の影響で成績に対して強迫観念を持っているウンジュは、ボングの純粋な情熱に心が揺れる。つかの間の青春を満喫する二人だが、成績が7番に落ちたウンジュを待っていたのは両親の冷たい眼差しだった。
今やトップ・スターとなったイ・ミヨン、ホ・ソク(後のキム・ボソン)、キム・ミンジョンらが生徒役で出演しており、彼らの初々しい演技が見所。1970年代の青春ハイティーン物ではタフガイ・イメージで通したイ・ドックァがこの作品では体育の先生として出演。後輩達の見本となっている。ちなみに1970年代の作品でイ・ドックァが演じたキャラクターは、この作品ではキム・ミンジョンが演じている。
1990年にはこの作品の第2話『そう、たまには空を見よう』が製作された。『そう、たまには空を見よう』の監督はこの作品のシナリオを担当したキム・ソンホン。
音楽担当は現在大御所ロックバンド「サヌルリム」のボーカル兼ギタリストになっているキム・チャンワン。
第41回ベルリン国際映画祭出品、第10回(1990)映画評論家協会賞新人監督賞・新人演技賞(イ・ミヨン)、第26回(1990)百想芸術大賞新人演技賞(イ・ミヨン,ホ・ソク)・シナリオ賞(キム・ソンホン)受賞作品。第2回(1998)富川国際ファンタスティック映画祭「韓国映画回顧展」で上映。
初版:1999/3/18
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