HOME団体概要support シネマコリア!メルマガ登録サイトマッププライバシー・ポリシーお問合せ



サイト内検索 >> powered by Google

■日本で観る
-上映&放映情報
-日本公開作リスト
-DVDリリース予定
-日本発売DVDリスト
■韓国で観る
-上映情報
-週末興行成績
-韓国で映画鑑賞
■その他
-リンク集
-レビュー&リポート
■データベース
-映画の紹介
-監督などの紹介
-俳優の紹介
-興行成績
-大鐘賞
-青龍賞
-その他の映画賞


寵愛


画像提供:ギャガ・コミュニケーションズ Kシネマグループ
(以下、同じ)


題名
英題
原題
ハングル
寵愛
La Belle
美人
미인
製作年 2000
時間 91(韓国公開版)
96(釜山映画祭版)
93(日本公開版)
製作
配給
企画時代
シンド・フィルム
監督 ヨ・ギュンドン
出演 イ・ジヒョン
オ・ジホ
チョ・ギョンハン
パク・ソンミン
ク・ボニョン
チョ・ジョンウク
ソ・ドンヒ
日本版
Video
DVD
字幕版Video
吹替版Video
DVD

 偶然出会い、愛し合い、お互いの体を耽溺するようになる男女を描いたエロティック・ラブストーリー。ヨ・ギュンドン監督が自ら1999年に執筆した小説『体』を映画化。美しいセックスシーンとホワイトを基調とした芸術的映像は、ヨーロッパ映画を思わせる。

 白一色の美しい部屋。「男」(オ・ジホ)は、ある女性について文章を綴っている。彼はインタビューを仕事とするライター。文章の主人公である「女」(イ・ジヒョン)は恋人に捨てられた22歳のヌード・モデル。二人はインタビューを通じて出会った。女は、いつしか男の部屋に泊り込むようになり、やがて二人は互いの体を求め合うようになる。しかし、女は携帯電話に連絡が入れば嬉々として部屋から飛び出し、やがてまた戻ってくる。モデル業をしているのか、それとも元の恋人と会っているのか・・・ 男は女を待ち、彼女の心の痛みを癒してやりたいと思うようになる。しかし、そんなある日、女が全身傷だらけになって帰ってくる。

 体を通じて理解しあうというのがテーマで、映画は、終始男性主人公から見た一人称で語られる。また、主演の二人以外はほとんど出演者がおらず、韓国映画史上最少出演者記録を樹立した。

 映画『LIES/嘘』の原作小説を演劇化した『私に嘘をついてみて』で女性主人公を演じたイ・ジヒョン(1978年生まれ)が主役のヌードモデル役を担当。スタイル抜群の彼女はソウル芸大映画科に在学中で、写真モデルとして活動しており、映画はこれがデビュー作となる。男性主人公のオ・ジホ(呉智昊)は、ハイト・ビールやグッドモーニング証券のCMなどで有名なモデルで、この作品で本格的に映画俳優としてデビューした。1976年生まれの彼は安養科学大学工業経営学科を中退しており、1998年の『カ』にも出演しているほか、本作の後に『アイ・ラブ・ユー』でも主演している。

 製作費は5億5千万ウォン。製作はユ・インテク。脚本/脚色はイ・サンウと監督のヨ・ギュンドン。ノ・ヨンシムが映画音楽を担当。「体の演出」=ベッドシーンにおける細部に至るまでの体の動きを振り付けたのは、『ヘア・ドレッサー』アン・ソンギのハサミ踊り、『Interview』シム・ウナの踊りの振り付けを担当した現代舞踊家のアン・ウンミ。彼女は、舞踊団アンスアンスの代表で、ニューヨークのマーシャクラックの団員としても活動しており、映画にはキム・ソンス監督の『悲鳴都市』や、ニューヨーク留学時にキム・ヨンテ監督の『荒唐無稽』に出演した経験がある。

 主演男女優のヌードをメインとした美しいポスターが話題になった。全裸シーンが多いため、ポスターやスチール写真で早々にチェックが入り、映画本編も一発で審査が通るかどうか心配されていたが、芸術性が認められ、映像物等級委員会の審議も無事クリアしてノーカットで上映された。ちなみに、日本でも韓国版と同じく、ベッド上で全裸のイ・ジヒョンに、これまた全裸のオ・ジホが覆いかぶさる構図(このページの上から二つ目の画像がそれ)のチラシが作成されたが、それとまったく同じ図柄のポスターが映倫から修正指示を受け話題となった。同じものでもチラシならよくてポスターが駄目なのは、後者はより公衆の目に触れる機会が多いためとか。日本での上映はR-18指定。

 封切り時はソウルで10館程度と中小規模の公開だったが、観客に好評で座席占有率も高かったため、封切り一週間後に上映館数が増加した。

 第5回(2000)釜山国際映画祭韓国映画パノラマ部門、第23回(2001)モスクワ国際映画祭Dangerous Liaisons部門出品、第8回(2000)春史映画芸術賞女子新しい顔演技賞(イ・ジヒョン)受賞作品。第5回女性観客映画賞−2000年女性の観客が選ぶ最高・最悪の映画で「最悪の韓国映画第1位」選定作品。

初版:2000/8/22
最新版:2002/3/31


■ コラム

 「レビュー&リポート」に、『寵愛』のプロモーションで来日したイ・ジヒョンとオ・ジホの通訳をつとめた尹春江さんの「《通訳は見た!》 『寵愛』イ・ジヒョン&オ・ジホ編」が登録されています。



投稿者:大西康雄さん 投稿日:2001/10/22 16:58:23

 一応ストーリーはあるが、はっきり言ってストーリーはあってなきが如きもの。映画の多くがベッドシーンと男女が睦みあうシーンで占められている。

 また特筆すべきなのは画像の美しさ。美術も美しいが登場人物も美しく、ベッドシーンさえも淫靡さのかけらもなく美しい。まさに原題『美人』に恥じるところがない。この表現はおそらく日本の女性からも強い支持を受けるのではないか?

 セックスをテーマにして女性から強い支持を受けた映画といえばスティーブン・ソダーバーグ監督の『セックスと嘘とビデオテープ』が思い起こされるが、この映画では『セックスと〜』に見られた社会性・問題提起のかけらもない。この映画の目的はひたすらセックスを徹底的に美しく描き出すところにあるのだろう。

 その意味では、悪く言えばこの映画は単なるファッション映画でしかなく、男と女の真実はこんなところにあるのではない、と批判することも容易いだろう。しかし、私が不勉強で知らないだけかもしれないが、体と体の絡み合いとしてのセックスをここまで徹底的に美しく描いた映画は今までなかったのではないだろうか? 日活で「ロマンポルノ」という名のポルノ映画路線が売り出されたとき、そこでの「ロマン」の意味はストーリー性のあるという意味であって、必ずしも本来の意味での、あるいは女性から見ても「ロマンチック」であったかどうかは疑問であったが、この映画こそ本来の「ロマンポルノ」なのかもしれない。

 考えてみると、日本には漫画にレディーコミックスという分野があるし、ピンク映画を撮る女性監督もいるのだから、日本でもこういう映画が作られていてもおかしくないはずだが、やはり固定観念から脱却できなかったということなのだろうか、それとも私が知らないだけであろうか? ともあれこういうユニークな発想がでてくる韓国映画は面白い。

 因みに韓国製日本語字幕付きDVDで鑑賞。DVDのデータは、

2001年4月、Spectrum DVDよりリリース。カタログ番号 SPD-602。収録フォーマットは、片面2層 スクイーズ16:9ビスタサイズ収録。リージョンコード:ALL。メーカー希望価格19,800ウォン。字幕:日・英・中。

 日本語字幕は、長促音が省略され漢字が旧字体で収録されている。ただし日本語としては時に見慣れない漢字語の直訳が見受けられるが、全般的に良いと思われる。

【評価:★★★★】



【鑑賞ノオト】 Text by 月原万貴子(月子) 2002/3/14

 登場するのは一組の男女、場面のほとんどが室内、上映時間の8割方がラヴ・シーン(しかもほぼ全裸)ときて思い出すのは、昨年日本でも思いのほかヒットした『LIES/嘘』だが、同じようなシチュエーションなのにこんなにも違うのか!と驚かされたのが本作だ。

 『LIES/嘘』には、表現方法はともあれ「性」=「生」ともいうべき逞しきエネルギーが感じられたが、本作から匂いたつのは「性」=「静」・・・ 死を思わせる無機質なイメージだ。

 インタビューを通じて出会ったライターの男(オ・ジホ)とヌードモデルの女(イ・ジヒョン)。女の恋人はろくでなしで、いつも彼女を苦しめる。女は傷を癒すため、男の部屋を訪れる。何も聞かずに彼女を受け入れ、そっと愛撫し包み込む男。けれど女は、朝が来ると携帯電話の呼び出しひとつで部屋を飛び出していく。そんな女を待ち続ける男・・・

「こーんな都合のいい男(しかも超美形)いないって!」

と突っ込みたくなるような設定だが、加えて、主役を演じる二人が、絵に描いたようなナイス・バディの美男美女!

これ、正直いって美しすぎ。

 特にイ・ジヒョンのヌード(大きなバストにくびれたウエスト、丸みを帯びたヒップに長い脚)はあまりにも完璧すぎる! だからなおさら現実感に乏しくなってしまうのだ。

 舞踊家アン・ウンミが指先の動きから目線まで振付けたというラヴ・シーンも、なんだか衣装を着ていないモダン・バレエみたいで、セクシーだけどエロくないって感じ?(笑)

 いわゆるコリアン・エロスを期待した男性陣は、肩透かしでしょう。でも本当にうっとりするほど美しいので、女性、特にレディース・コミック好きの方にお勧めします。

【評価:★★★】



投稿者:iwakoさん 投稿日:2002/4/1 13:59:01

 主演の二人はたいへん美しくてそれはそれでよかったです。

 振付師を使っての性愛シーンとのこと、決してアクロバチックなものは期待しませんでしたが、たいしたことないというか、あたりまえというか、そんなもんでした。せっかく振付けるのでしたら、何か工夫があったでしょうに。とてもじゃないけれどダンスにもなっていない。性愛のリアリティということでいえば『モーテルカクタス』の方がよっぽどよかったです。鑑賞する目的が違うといえばそれまででしょうが。

 と、非難していますが、楽しんでみました。他のHPにも書いたけれど、あの愛の日々の中でオ・ジホ君がお料理したり、お掃除したり、彼女の下着にアイロンかけたりではニンマリしてしまいました。ま、しかし、これは男性からみた愛の形ではありますね。女なんて神秘的なわけないでしょ。

【評価:★★★】


投稿者:SUMさん 投稿日:2002/7/28 23:55:03

 男女だけに焦点をあて、セックスシーンに力の入った作品は、日本でもレンタルビデオのセミポルノコーナーに行けばいくらでもみられ、その中にはレベルの高いものも低いものもある。

 日本ではアーティスティックな作品ではやや暗めの作品が多いが、明るく絵画的な美しさを持っている。それらと比べてもかなり上のほうに位置する作品だ。役者の選択もピカイチ。『魚と寝る女』などと並んで絵画的な性描写でヨーロッパ映画に東洋美で勝負を挑む作品のひとつ。

【評価:★★★】


Copyright © 1998- Cinema Korea, All rights reserved.